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2019/11/27 16:30

エコな最新ポルシェや居住性も魅力のマセラティetcーー「いま乗るべきセダン」至極のSELECTION!【後編】

秀逸なデザイン、魂を揺さぶる走り、感動的なインテリアが自慢のセダン。自分にぴったりのセダンを選んでもらうために、“こだわり”ごとに至極のセダンを紹介します。欲しくなる1台が必ずあるはずです!

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辛い時代を経て再評価へーー「いま乗るべきセダン」至極のSELECTION!【前編】

私がセレクトしました!

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

自動車関連メーカーに就職後、自動車専門誌の編集記者に。現在はフリーのジャーナリストとして、自動車の環境技術や次世代モビリティについても取材活動を行っています。

 

リアシートの居住性にこだわる!

セダンといえば後席の快適性も他のジャンルのクルマに比べて優位に立ちます。ドライバーだけではなく、後席に座る大切な人もいい気分になれるクルマを紹介しましょう。

 

【その1】ロングホイールベースが生み出す後席の余裕

マセラティ/ギブリ

875万円〜

マセラティのフラッグシップセダン「クアトロポルテ」の弟分に当たるギブリ。ボディサイズは少々コンパクトですが、それでも2998mmというホイールベースは広い居室を生み出し、とくに後席の足元は広々。オプションのシートパッケージで優雅な気分に浸ることができます。

SPEC【ギブリ ディーゼル】●全長×全幅×全高:4971×1945×1461mm●車両重量:1875kg●トランク容量:500ℓ●パワーユニット:2987cc DOHC V型6気筒ディーゼルターボエンジン●最高出力:202kW(275PS)●最大トルク:600Nm●JC08モード燃費:非公表

 

↑仕事場的な雰囲気の黒で統一されたインパネ。もちろんイタ車であるからして様々な色の素材も用意され、オーナーの意のままに選択できます

 

↑ポルトローナ・フラウが手がけるシートをベースに、高級スーツで知られるエルメネジルド・ニアとコンビを組んだパッケージも用意

 

↑これぞイタリアの粋! 的なV6ツインターボエンジンは、フェラーリの工場で組み立てられます。ディーゼルエンジン車もラインナップ

 

川端さんオススメ「至極の理由」

イタリアのスポーツカーならフェラーリですが、高級セダンといえば、文句なしにマセラティです。伝統的な「風」の車名を与えられたギブリですが、レベル2の自動運転機能を搭載するなど、現代のマセラティを代表する1台。大人4人が乗れる室内空間にこだわる伝統も健在です。」※「自動運転レベル2」までは主に運転をサポートする技術で、万一事故を起こした際の責任はドライバー側にあります。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★★★
インテリア★★★★★
居住性★★★★☆

 

【その2】EVならではのフラットな床面が生む余裕空間

テスラ/モデル S

1035万円〜

若き自動車メーカー、テスラ。100%電気自動車であり、そのメカニズムもハイテクそのものです。2012年デビューのモデルSは、モーター駆動であるからして室内は非常に静かで広い。全開加速をすれば自分だけがその場に置いていかれる感覚を味わえます。自動運転能力の高さも魅力です。

SPEC【P100D】●全長×全幅×全高:4979×1964×1445mm●車両重量:2250kg●トランク容量:894ℓ(フロント、リア合計)●パワーユニット:フロントモーター、リアモーター●最高出力:262PS(フロントモーター)、510PS(リアモーター)●システム最大トルク:967Nm●バッテリー容量:100kWh●航続可能距離:約610km

 

↑ひと際目立つ17インチのモニター。ナビ、車両情報、ヘッドライトのON・OFFなどココで操作

 

↑モーター駆動の恩恵でフラットな床面の後席。ホイールベースも長く居住性は高いです。シートヒーター付き後席は6:4分割可倒式を採用

 

↑テスラの代名詞、自動運転機能。前車追従機能以外にも、レーンチェンジや車庫入れも補助してくれます。ハンズオフの日も近いかも?

 

川端さんオススメ「至極の理由」

EV専業メーカーゆえに、床下に電池とモーターを組み込むことで、フラットなフロアを実現。オプションで7人乗りが選べるなど、EV専用設計ならではの広大な居住空間をパッケージングに生かしています。モーターならではの鋭い立ち上がりトルクを生かした走りも個性的です。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★★☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★★★

 

【その3】サイズ以上に広く感じられる室内が魅力

ホンダ/グレイス

176万9040円〜

グレイスは2代目インサイトの後継モデルとして2013年にデビュー。現在はエントリーモデルにガソリンエンジンを残すのみのハブリッドカーに。室内は意外に広く、「ひとクラス上を行く」という表現がぴったりなほど、後席足元の空間は広い。

SPEC【HYBRID EX Honda SENSING】●全長×全幅×全高:4450×1695×1475mm●車両重量:1190kg●トランク容量:430ℓ●パワーユニット:1496cc DOHC直列4気筒ガソリンエンジン+モーター●システム合計最高出力:103kW(139.5PS)●最大トルク:134Nm(13.7kgf・m/エンジン)、160Nm(16.3kgf-m/モーター)●JC08モード燃費:32.4km/ℓ

 

↑2017年のマイナーチェンジで採用された安全運転支援システム、「Honda SENSING」。これは一部のグレードに標準装備となっています

 

↑後席の前後長はホンダの5ナンバーセダン最大で、膝まわりの空間は格上のアコードハイブリッドとほぼ同等。座面クッションも長く快適です

 

↑インパネはブラックのみで、ソフトパッドの使用も高級感を演出する。メーターは白く発光するタイプを採用。シートはアイボリーも選択可

 

川端さんオススメ「至極の理由」

ホンダの小さいセダン……と侮ることなかれ。同社のフィットをベースにするものの、ホイールベースを拡張し、パッケージングを工夫することで、キャビン・スペースを拡大。街乗りに適した5ナンバーのコンパクトなサイズながら、室内、特に後席の居住性は秀逸です。

走行性能★★★☆☆
デザイン★★★☆☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★★☆

 

環境性能にこだわる!

最新のセダンは燃費や排ガス問題にも強く、環境性能に優れているのが当たり前。ここではそれぞれのパワーユニットを代表するモデルを紹介。これぞ個性派エコカーです!

 

【その4】進化し続ける“元祖ハイブリッド”

トヨタ/プリウス

251万8560円〜

1997年に世界初の量産ハイブリッドカーとしてデビューしたプリウスは、2015年で4代目にバトンタッチし、2018年にマイナーチェンジ。カタログ燃費も40km/ℓの大台まであと一歩と着実に進化を遂げています。またPHVモデルは17年に2代目へと移行しました。

SPEC【Aプレミアム“ツーリングセレクション”】●全長×全幅×全高:4575×1760×1470mm●車両重量:1390kg●トランク容量:502ℓ●パワーユニット:1797cc DOHC直列4気筒ガソリンエンジン+モーター●システム合計最高出力:125kW(170PS)●最大トルク:142Nm(14.5kgf-m/エンジン)、163Nm(16.6kgf-m/モーター)●JC08モード燃費:37.2〜39km/ℓ

 

↑グレードにもよりますが運転席8Way、助手席4Wayのパワーシートも。後席アームレストのカップホルダーは「S」以上に標準装備となります

 

↑PHVモデルのような大型のタッチパネルモニターはオプション設定。Tコネクトサービスは新車購入時から3年間無償で利用できます

 

↑1.8ℓ直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド方式です。マイチェン前と同じ170PSを実現。EVモード付き

 

↑上級グレードに標準装備となる100Vコンセント。500Wの出力のため、炊飯器や電子レンジも使用可能。非常用電源としても使えます

 

川端さんオススメ「至極の理由」

「21世紀に間に合いました」のキャッチフレーズで登場したのは、もう20年以上も前のこと。ハイブリッドの第一人者なのは疑う余地がありませんが、日本のセダンとしての代表格でもあります。世代を重ねるごとに改良を重ねて、現行モデルは39km/ℓと破格の燃費性能を誇ります。

走行性能★★★☆☆
デザイン★★★☆☆
インテリア★★★★☆
居住性★★★☆☆

 

【その5】“クリーンディーゼル”が看板モデルのオトナ向けセダン

マツダ/MAZDA6

325万800円〜

8月よりアテンザからMAZDA6になり発売された中型セダン。といっても全幅で1840mmと、国産車としては大きい。特徴は何といってもクリーンディーゼルエンジンの存在。トルクの厚いメリットに高回転の伸びを楽しめるパワーユニットとして人気です。

SPEC【XD】●全長×全幅×全高:4865×1840×1450mm●車両重量:1610kg●トランク容量:474ℓ●パワーユニット:2188cc DOHC直列4気筒ディーゼルターボエンジン●最高出力:140kW(190PS)●最大トルク:450Nm(45.9kgf-m)●WLTCモード燃費:17.8km/ℓ

 

↑レザーパッケージ装着車はフロントだけでなくリアにもシートヒーターが装備されます。リア用のベンチレーターは全モデル標準装備

 

↑アテンザからインパネデザインの大きな変更はありません。車格に合った質感と使い勝手の良い操作系。メーターの視認性も高く疲れにくいです

 

↑オジサンたちが思わず、「さすがマツダだねぇ」と唸ったといわれる6速マニュアル。このクラスで激レアな3ペダルを設定します

 

↑ロータリー同様にいまやディーゼルユニットも知名度抜群。厚いトルクで扱いやすくカタログ燃費で20km/ℓを超える経済性を実現

 

川端さんオススメ「至極の理由」

スカイアクティブXなる最新テクノロジーを搭載し、最も厳しい米カリフォルニア州の規制をクリアする最新のディーゼル・エンジンを積み、高いトルクが生む力強い走りが楽しめます。魂動(KODO)なるデザイン言語によって生み出される流麗なスタイリングも、このクルマの魅力を増しています。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★★☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★★☆

 

【その6】ポルシェブランドもエコな時代に突入

ポルシェ/パナメーラ 4E-Hybrid

1436万円〜

スポーツカーの雄、ポルシェが手がけた4ドアスポーツモデルがパナメーラ。海外ではPHVモデルの需要が高く、60%近くが4E-Hybridになります。日本では3ℓV6ツインターボ+モーターから3000万円超えの4ℓV8ツインターボ+モーターまでラインナップ。

SPEC【4E-Hybrid】●全長×全幅×全高:5049×1937×1423mm●車両重量:2245kg●トランク容量:405ℓ●パワーユニット:2894cc DOHC V型6気筒ガソリンエンジン+モーター●システム合計最高出力:462kW(340PS)●最大トルク:450Nm(エンジン)、400Nm(モーター)●燃費:非公表

 

↑4ドアモデルの特等席ともいえる後席。シートは前席同様のデザインで、センターコンソールには空調など各種操作パネルを備えます

 

↑PHVといえども座ればそこには911シリーズ同様の「気配」があり、4ドアでもポルシェ、と感じられます。PHV専用の表示画面も

 

↑充電口は左リアに。満充電まで約15時間で、約50km程度なら電気だけで走行可能。近所の買い物だけならば、ほぼガソリン消費はありません

 

↑パナメーラPHVのフラッグシップモデルは550PSを誇る4ℓV8ツインターボにモーターを組み合わせます。合計680PSを達成

 

川端さんオススメ「至極の理由」

驚くことに、世界初のハイブリッド車「ローナー・ポルシェ」を開発したのはポルシェ博士なのです。その血脈を受け継いだ最新のハイブリッド・ポルシェが「パナメーラPHV」です。ライプチヒにある、国家的戦略の下で進められている「インダストリー4.0」の思想を取り入れた最先端の“自ら考える”工場で生産されています。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★★☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★★☆

長距離ドライブが大好き!

Cピラーを太くできるセダンはボディ剛性が高く、長距離走行も得意な傾向にあります。最新のクルーズコントロールで“武装”すれば、500kmを超えるドライブも楽しいものに!

 

【その7】快適性と安全性は長距離でも疲れ知らず

フォルクスワーゲン/パサート

392万9000円〜

2015年デビューの8代目。安全運転支援装備、快適装備、動力性能のどれをとっても非常にコスパに優れる一台です。またディーゼルエンジン搭載のTDiならば長距離もラクラクなうえ、エコランを心がければハイブリッドカーに匹敵する30km/ℓに迫るほどの燃費を叩き出します。

SPEC【TSI Elegance Line】●全長×全幅×全高:4785×1830×1465mm●車両重量:1460kg●トランク容量:586ℓ●パワーユニット:1394cc DOHC直列4気筒ターボエンジン●最高出力:110kW(150PS)●最大トルク:250Nm(25.5kgf-m)●JC08モード燃費:20.4km/ℓ

 

↑ガソリン車に搭載される「アクティブシリンダーマネジメント」。エンジン負荷が大きくない時は2気筒を休止(左)、負荷をかけると4気筒に(右)

 

↑3ゾーン独立エアコンや電動ブラインド、運転席マッサージ機能など快適装備の充実度は非常に高い。これだけでも購入動機になるはずです

 

↑2ℓ直列4気筒ディーゼルターボエンジンのスペックは140kW/400Nm。1560kgの車重には十分で、カタログ燃費は20.6km/ℓです

 

↑パサートに設定されるセミATシステム、DSG。もともとのメカニズムはポルシェがレースで使っていたもので、素早いシフト操作が可能となります

 

川端さんオススメ「至極の理由」

ドイツ人にとって、クルマの“メートル原器”は「ゴルフ」ではなく、「パサート」です。実際、世界最大級の自動車メーカーの技術の粋を集めて開発されており、プラットフォームはアウディと共有するのですから、お買い得なのは間違いありません。高速での走行性能もドイツ基準。

走行性能★★★★☆
デザイン★★★★☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★★☆

 

【その8】ハンズオフが生み出す余裕のクルージング

日産/スカイライン

547万4520円〜

13代目となった現行モデルのデビューは2014年。ビッグマイナーチェンジを今年の7月に受けました。注目は、条件付きながら同一車線内でハンズオフ運転が可能な自動運転技術ですが、往年のグレード400Rのネーミングがカタログモデルで再登場したのも話題に。名前通りの400PSを誇ります。

SPEC【GT Type P Hybrid】●全長×全幅×全高:4810×1820×1440mm●車両重量:1840kg●トランク容量:502ℓ●パワーユニット:3498cc DOHC V型6気筒ガソリンエンジン+モーター●システム合計最高出力:268kW(364PS)●最大トルク:350 Nm(35.7kgf-m/エンジン)、290Nm(29.6kgf-m/モーター)●JC08モード燃費:14.4km/ℓ

 

↑各種条件はあるものの、ハンズオフ機能搭載のプロパイロット2.0は今回の一番の目玉。完全自動運転の未来にまた一歩近づきました

 

↑インパネ上部の赤外線カメラでドライバーの状態を確認。前方を注視していないと判断すると、ハザードを点けながら減速、停止します

 

↑プロパイロット2.0は追い越しの提案もしてくれます。またジャンクションなどでも同様に車線変更を提案するなど非常に賢いのです

 

川端さんオススメ「至極の理由」

旧ダットサンの魂が宿る日産の“ザ・セダン”かつ“3ナンバー・セダン”。この7月には“プロパイロット2.0”を搭載したハイブリッドのモデルが登場。高速道路では一定の条件下でハンズオフ運転が可能になりました。長距離ドライブでの疲れを軽減してくれること、間違いありません!

走行性能★★★★☆
デザイン★★★☆☆
インテリア★★★☆☆
居住性★★★★☆

 

【その9】アウトバーンで鍛えた抜群の安定性

メルセデス・ベンツ/Eクラス

715万円〜

数あるセダンのなかで、マイカーとしても営業車としても優れているのがEクラス。海外ではタクシーにも利用されるほどしっかりしたクルマなのです。その魅力はなんといっても“長距離エクスプレス”と例えられる通り、長い距離を速く快適で、安全に移動できるところです。

SPEC【E200 AVANTGARDE BSG搭載モデル】●全長×全幅×全高:4923×1852×1460mm●車両重量:1460kg●トランク容量:540ℓ●パワーユニット:1497cc DOHC直列4気筒ターボエンジン●最高出力:135kW(184PS)●最大トルク:300Nm(30.6kgf-m)●燃費:非公表

 

↑メルセデス・ミー・コネクトは24時間対応のサービス。トラブル時に車両のスイッチを押すとオペレーターにつながる安心があります

 

↑モニターを2つ並べたディスプレイが特徴。ステアリングにはタッチセンサーを採用し、スマホ同様のタッチスワイプ操作が可能です

 

↑クルマのレーダーをフル活用した安全運転支援技術、インテリジェントドライブ。自車の乗員だけでなく相手側の安全も考慮します

 

↑モデル別にナッパレザーで仕立てられた品の良いシート。長距離移動を前提とした若干硬めの座り心地とサイドサポートの位置は共通です

 

川端さんオススメ「至極の理由」

高速道路での走行性能の高さこそ、メルセデス・ベンツの真髄です。主戦場はドイツのアウトバーンですが、セミ自動運転の機能を搭載しており、日本の渋滞でもドライバー・サポートは万全です。音声コマンドに対応し、「Hi メルセデス」と声をかければドライバーの要望に応えてくれます。

走行性能★★★★★
デザイン★★★☆☆
インテリア★★★★☆
居住性★★★★★

 

文/海野大介、上岡 篤(本誌)

 

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