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2019/11/5 17:15

着実に進化を続ける3車種に試乗!GLE、シャランTDI、GT-Rの新車インプレ

今回は最新のプレミアムSUVと、新たにクリーンディーゼル仕様を追加したミニバン、そして日本を代表するスーパースポーツに試乗。クルマのキャラクターは様々ですが、共通しているのは従来モデルと比較して着実な進化を実感できることです。

 

【おすすめモデル1】7人乗りになって使い勝手が向上!

メルセデス・ベンツ

GLE 

SPEC【450 4マティック・スポーツ】●全長×全幅×全高:4940×2020×1780㎜●車両重量:2370㎏●パワーユニット:2996㏄直列6気筒DOHC+ターボ+モーター●最高出力:367[21.8]PS/5500〜6100rpm●最大トルク:51.0[25.5]㎏-m/1600〜4500rpm●WLTCモード燃費:10.3㎞/ℓ

●[ ]内は電気モーター

 

使い勝手を格段に高めつつ余裕ある走りも体感できる

欧州勢ではプレミアムSUVの先駆でもあるメルセデス・ベンツGLEが4代目へと進化しました。3代目の途中まではMクラスと名乗っていましたが、2代目以降に鮮明となった高級SUVという役どころは新型にも受け継がれています。

 

ボディは先代より全長と全幅、ホイールベースが拡大される一方、全高は若干低くなりました。デザインは太いリアピラーに代表される歴代モデルの特徴を継承しつつ、スポーティな装いに変貌を遂げました。またシリーズ初となる3列シートを採用、乗車定員が7名となったこともトピックのひとつ。使い勝手も格段に進化しています。

 

試乗車は3ℓガソリンターボに電気モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様でしたが、走りは滑らかかつパワフル。日常域ではエンジンの存在を意識させない一方、アクセルを踏み込む場面では力強くも滑らかな加速を披露。操縦性も引き締まっており、操る楽しさと機能性を兼ね備えた「実力派SUV」です。

 

【注目ディテール01】大型のディスプレイが印象的

高精細な12.3インチディスプレイを並べたインパネは、走行情報やシステム情報を表示。対話式インターフェイスの「MBUX」や最新の運転支援システムも完備します。

 

【注目ディテール02】ガソリン仕様はマイルドHVのみ

日本仕様のエンジンは、2ℓと3ℓのディーゼルターボとガソリンのマイルドHVという3種。試乗車はガソリン仕様でしたが、2t超えの車体でも余裕の動力性能を発揮します。

 

【注目ディテール03】短時間なら大柄な人でもOK

大柄な大人だと天井との空間が狭いですが、短時間の移動なら実用的な3列目シート。小柄な人や子どもなら余裕で座れるはずです。

 

【注目ディテール04】荷室容量は最大で1928ℓを実現

3列目シート使用時でも160ℓを確保する荷室容量は、2列目まで畳むと1928ℓまで拡大します。2、3列目は分割可倒式で、使い勝手も良いです。

 

【おすすめモデル2】遅れてきた主役? 待望のディーゼル仕様が登場!

フォルクスワーゲン

シャランTDI

SPEC【TDIハイライン】●全長×全幅×全高:4855×1910×1765㎜●車両重量:1900㎏●パワーユニット:1968㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:177PS/3500〜4000rpm●最大トルク:38.8㎏-m/1750〜3250rpm●WLTCモード燃費:14.0㎞/ℓ

 

ディーゼルターボらしい力強い走りが最大の魅力

これまで、日本仕様はエンジンが1.4ℓのガソリンターボ一択だったシャランに、2ℓディーゼルターボモデルが追加されました。シャランといえば、7シーターらしい緻密なパッケージングと、アレンジ次第で広大な荷室スペースを生み出せることが魅力でしたが、パワーユニットがチョイスできるようになったわけです。

 

その真価は、特にクルージング時に実感できます。ガソリン仕様を大幅に上回るトルクの威力は絶大で、高速走行時などは格段にギアチェンジの頻度が減りました。また、フル加速時の力強さも当然ながらガソリン仕様を上回ります。ちょっとお値段が高くなるのは残念ですが、ミニバンのヘビーユーザーなら得られる恩恵は十分過ぎるほどです。

 

【注目ディテール01】最高出力はゴルフを上回る

搭載する2ℓエンジンは、ゴルフTDI用と比較するとパワーが27PS、トルクは4.1㎏-m上回ります。1.4ℓのガソリンモデル比では13.3㎏-mのトルク増がポイントに。

 

【注目ディテール02】装備はガソリンエンジンの上級モデルと遜色ない

ディーゼル車のグレードはハイラインのみで、装備はガソリン仕様とほぼ同じ。価格は529万6000円で、ガソリン車ハイラインより40万円ほど高価になります。

 

【注目ディテール03】ミニバンにふさわしい広大な荷室が特徴

広大な荷室が強み。容量は7人乗車時でも300ℓが確保され、最大時は2297ℓに達する。助手席まで前に倒せば3m近い長さの荷物も積めます。

 

【おすすめモデル3】さらに熟成した日本が誇る“リアルスポーツ”

ニッサン

GT-R

SPEC【プレミアムエディション】●全長×全幅×全高:4710×1895×1370㎜●車両重量:1770㎏●パワーユニット:3799㏄V型6気筒DOHC+ターボ●最高出力:570PS/6800rpm●最大トルク:65.0㎏-m/3300〜5800rpm●WLTCモード燃費:7.8㎞/ℓ

 

足回りがしなやかになりエンジンも扱いやすく進化

フェアレディZと共に生誕50周年を迎えたGT-R。その20年モデルで最も特徴的なのは足回りです。2020年モデルでさらに極まった感のあるサスペンションは、しなやかながらも確実に路面を捉えてくれます。だからこそGT-Rが持つ高いボディ剛性感や、旋回性と安定性を両立する4WDの恩恵を多くのドライバーが感じ取れるようになったのです。

 

さらにGT-Rにおけるもうひとつの核である3.8ℓのV6ツインターボのタービンに、ニスモ専用だった「アブレダブルシール」を採用してアクセルレスポンスが向上。これにより570PSの高出力が最大限に活かせるようになりました。日本が誇るリアルスポーツらしい進化です。

 

【注目ディテール01】「GT-Rニスモ」のターボ技術を投入!

2020年モデルでは、GT-Rニスモに採用されてきたターボの高効率化技術である「アブレダブルシール」を採用。レスポンスに磨きがかかりました。

 

【注目ディテール02】プレミアム性も世代を重ねて向上

写真はプレミアムエディション。初期型と比較すると、内装の質感が格段に高められました。現在は2020年3月までの期間限定モデルも発売中。

 

GLE文/小野泰治 撮影/宮越孝政

フォルクスワーゲン シャランTDI:文/小野泰治、撮影/宮門秀行

GT-R:文/山田弘樹 撮影/望月浩彦

 

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