【開業レポート②】新線開業を祝うように30日は好天に恵まれた
さて新線が開業した11月30日(土曜日)。海老名駅発の始発乗入れ列車は5時43分発の特急新宿行きだった。晩秋のこの時期、早朝は暗いこともあり、始発駅、もしくは沿線で始発列車を待つことを断念する。
日差しがあがるのを待ち、多摩川の河原に行って「新宿行」を待った。当日は、雲一つない快晴の1日。まさに新線開業を祝うような好天の1日となった。
東海道新幹線や、横須賀線、湘南新宿ラインの電車に混じって、「YOKOHAMA NAVY BLUE」カラーの12000系が横須賀線(品鶴線/ひんかくせん)の多摩川橋梁を渡ってきた。この区間ではまったくの“新顔”だけに、新鮮さを感じる。
相鉄・JR相互乗入れで使われる車両は相鉄12000系とJR東日本のE233系7000番台。10両1編成で、今回の乗入れ用に相鉄は5編成(2019年度末までにもう1編成増える予定)、JR東日本では10編成を新たに用意した。
この編成数のとおり、沿線で待っていると、ちょうど3分の1が相鉄の電車、3分の2がJR東日本の電車といった割合だった。
JR線内では、やはり目立つ相鉄12000系電車。この車両はどのような走り方をしているのか、開業後の運用に注目してみた。
11月30日、12月1日の土休日は海老名駅〜新宿駅間のみの運用。平日の12月2日・3日は、朝のごく1部列車が武蔵浦和駅まで入線していた。相鉄線から直接、川越駅まで乗入れる列車は、12月初旬現在、E233系のみとなっている。相鉄12000系は海老名駅から新宿駅間の運用が主流となるようだ。
【開業レポート③】相鉄直通「海老名行」12000系に乗車する
筆者も開業2日目の12月1日に乗車してみた。恵比寿駅ホームでの案内アナウンス。
「間もなく、4番線に相鉄線直通、各駅停車、海老名駅がまいります」。
JR埼京線のホームでこうしたアナウンスが聞けるとは、なんと新鮮なことか。
恵比寿駅に入ってきた車両は、相鉄12000系だった。3分の1の確率の相鉄電車に乗れたことで、ちょっと得した気分になる。海老名駅行きは昼の時間帯だったせいか、空き気味。一方で展望風景を見ようというのだろうか、先頭車のみが混みあっていた。
山手線の電車を右に左に見つつ、大崎駅に到着。ここで若干の待ち時間が。運悪く、品鶴線で踏切確認があり、多少の遅延が生じていた。どうしても長い距離を走る列車の場合は、こうした沿線で起こるトラブルの影響を受けがちになる。相互乗入れの宿命と言って良いのかも知れない。
さて、大崎駅を出発した電車は、通称・大崎支線を走り旧蛇窪信号場から品鶴線(横須賀線)の線路に合流する。そして西大井駅に到着する。
この西大井駅を発車した後は、快適そのものだった。12000系の設計最高速度は120km/hだが、100km以上のスピードで東海道新幹線と平行する高架線を突っ走る。そして武蔵小杉駅へ。見慣れない電車が入ってきたこともあり、鉄道ファンばかりでなく、スマホで写真を撮る親子連れの姿が目立った。
武蔵小杉駅の先からは、横須賀線、湘南新宿ラインの電車が、通常は走らない路線を利用する。駅からやや南、御幸踏切の先にある分岐ポイントから貨物列車が利用する新鶴見信号場方面へ入っていく。横須賀線とは、ここから京浜東北線の鶴見駅付近までは、ほぼ平行して走るルートだが、車両から見る風景が異なる。
上の写真のような鶴見川橋梁といった、従来の横須賀線とは異なる名物ポイントを通過する。