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2020/1/5 17:30

2019年の「輸入車」で本当に乗ってよかったクルマは? モータージャーナリストが厳選!

新元号“令和”を迎えた2019年は、数々の輸入車がデビューしました。本稿では数ある輸入車の中から、モータージャーナリスト岡本幸一郎氏が2019年登場した輸入車の中から実際乗ってみて良かったクルマを選出しました。

 

2019年の輸入車トピックスをおさらい

輸入車は普通の人には手が届きそうにない超高価なクルマから、がんばればなんとかなるクルマまで多くの車種が日本に上陸しました。高価なクルマはさておいて、全体としてはとくにメルセデス・ベンツとBMWらドイツ勢がやはり圧倒的に勢いを感じさせたことには違いありませんが、両社とも高額車はもちろん、マーケットの拡大を図るべく、「Aクラス」、「Bクラス」、「CLA」や、前輪駆動化した「1シリーズ」など低価格帯の車種のラインアップに力を入れていることが見て取れます。

↑メルセデス・ベンツ「Bクラス」

 

一方で、ジャガー「I-PACE」とメルセデスの「EQC」のように1000万円級の高級高性能EVを筆頭にプラグインハイブリッド車など電動駆動の技術を取り入れた車種がいくつも出てきたことも時代を反映しています。

↑ジャガー「I-PACE」

 

他ブランドの大まかな動きとしては、新型「イヴォーク」を発売したジャガーランドローバーや、2018年に発売した「ラングラー」のバリエーション拡大を図ったジープ。「508」、「C3」と「C5 エアクロス」、「DS3」と多くのニューモデルを導入したプジョーシトロエン。新型「ルーテシア」と「トゥインゴ」や既存車種の追加モデルを多々導入したルノーらフランス勢、年末にキャデラックの新規車種を導入したGMなどが挙げられます。

↑レンジローバー「イヴォーク」

 

【BMW】3シリーズ

日本勢よりもずっと多い台数の新型車が登場した輸入車勢の中でも、多くの人に「欲しい!」と強烈に思わせる力を持ち、もっとも「さすが!」と感じさせられたのがBMW「3シリーズ」です。魅力的なスタイリングに、俊敏なハンドリングと爽快なエンジンフィールによる“駆けぬける歓び”もさらに昇華させました。時代のニーズに合わせて全方位にわたる進化をとげ、先進的な装備類も充実しています。このクラスのプレミアムブランドのスポーツセダンとして、まさしくお手本と呼べる仕上がり。価格は決して安くはありませんが、400万円台から選べるので夢物語ではありません。

 

【テスラ】モデル3

テスラというとかなり高価なイメージがありますが、量販を念頭に開発された「モデル3」の価格は511万円~717万円と、すでに市販されている他社のEVとそれほどかけ離れていないことに注目。それでいて身に着けている価値はテスラそのもの。航続距離は日本向け標準仕様の「スタンダードレンジ プラス」でも409km(WLTP推定値)、高性能版の「パフォーマンス」なら530km(同)を達成しており、後者は0-100km/h加速がわずか3.4秒と圧倒的な速さを誇ります。この価格でこれほどの性能を手に入れられるクルマなどほかにはありません。メーターやスイッチ類を一切廃し、タブレット状のタッチスクリーンのみで各種情報を表示したり機能を呼び出したりするのも画期的です。

 

【アウディ】A1 Sportback

プレミアムブランドのエントリーモデルとして、アウディの魅力が凝縮された1台。モデルチェンジにより内外装デザインの洗練、実用性の向上、デジタル化の促進などの進化をとげた。3ドアが廃され5ドアのみとなりましたが、従来比で後席の居住性とトランクが広くなったことで、コンパクトながら使い勝手に不満はありません。スポーティさを意識したインテリアのメーターパネルには、アウディならではのバーチャルコクピットが設定されています。走りについても、アウディが身上とする俊敏なステアリングレスポンスと正確なハンドリングはさらに磨きがかけており、300万円台半ばから選べる価格も魅力。

 

【フォルクスワーゲン】T-Cross

ますます人気の高まっているコンパクトSUVのカテゴリーにフォルクスワーゲンが名乗りを上げました。サイズは小さくてもすべてに余裕があり、広々とした開放的な室内空間とクラス最大のトランク容量を確保しているのがポイント。小さくても存在感のある若々しいスタイリングも魅力です。エンジンは、最高出力116PS、最大トルク200Nmを発生する1.0リッター3気筒のガソリン直噴ターボエンジンのみの設定で、1270kgと軽量につき加速性能も不満はありません。小排気量なので自動車税が安いのも魅力。まず発売された日本導入記念特別仕様車の価格が299万9000円~335万9000円と、300万円を切るところから選べることにも注目です。

 

【ボルボ】S60

ボルボといえばステーションワゴンはもちろん、最近ではSUVのイメージも強くなっていますが、少し遅れて登場したセダンのS60のほうが、近年のエレガント路線を行く新世代ボルボの魅力がより際立って目に映ります。外観だけでなくインテリアも惚れ惚れするほどスタイシッシュ。そしてボルボといえば期待せずにいられない安全性についても、世界最先端を行く装備の充実ぶりを誇ります。走りの仕上がりも上々で、エンジンも2.0リッター4気筒のガソリン直噴ターボを主軸にプラグインハイブリッドも用意されています。これほどのクルマが500万円を切る価格から選べることにぜひ目を向けて欲しい。

 

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