自動車よりコンパクトで小まわりがきく、さまざまな小型モビリティが生まれていますが、その先駆けとも言えるのがセグウェイです。立ったままバランスをとりながら、わずかな重心の移動で走ることができる電動二輪車でお馴染みですが、これまでのセグウェイのイメージを覆す、座って移動できる革新的なセグウェイが今月、アメリカで発表されました。
セグウェイ-ナインボットの従来の電動モビリティには、「ナインボット・エリート」「セグウェイ・ミニライト」など全部で7種類ありますが、ゴーカートのように座って進む4輪車型の「ナインボット・ゴーカートキット」を除けば、残りはすべて立った状態で乗るタイプの乗り物です。
でも、この1月発表された「S-Podセグウェイ」(上の写真を参照)は、椅子に腰掛けて座れる二輪車タイプ。近未来を予感させるような流線型のシルエットで、まさに“走る椅子”といった雰囲気です。
セグウェイというと、重心を前方にかけると前に進み、重心を後方にかけるとブレーキがきいて止まるというように、わずかな体重移動で走行のコントロールを行いますが、S-Podセグウェイではそのような体重移動は一切不要。重心自動制御システムが備わっており、代わりに運転の操作はナビゲーションパネルで行います。セグウェイを自由自在に乗りこなすにはこの重心移動をマスターすることが不可欠ですが、S- Podセグウェイではその必要もないため、誰にでも乗れそう。最高時速は38.6キロ(時速24マイル)で、バイクのようでもあり、軽自動車のようでもある不思議な感覚で乗ることができそうですね。
セグウェイ-ナインボットでは、この S-Podセグウェイの利用は、空港やテーマパーク、ショッピングモール内などを想定。新たな移動手段を都市に導入するという目的を掲げる同社は、この新型モデルを発表したことにより、その一歩を踏み出したと言われています。
また同社は S-Podセグウェイと合わせて、キックスクータータイプの「ナインボット・キックスクーターAir T15 」も発表。こちらは持ち運びにも簡単な折りたたみ式のコンパクトな形で、公道での走行が許可されている都市であれば、都会のビジネスマンの移動にも活用できそうです。
S-Podセグウェイもナインボット・キックスクーターAir T15 も、1月7日~10日まで米ラスベガスで開催されていたコンシューマエレクトロニクス見本市「CES 2020」で発表され、欧米メディアの注目を集めていました。この分野のパイオニア的存在である同社から今年も目が離せません。