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自転車
2020/11/17 6:00

ハーレーの、ハーレーらしい「電気自転車」

ワイルドさとアメリカの自由を象徴するハーレーダビッドソン。「バイクの王様」と表現するライダーもいるように、ハーレーは世界中にファンがいますが、そんなハーレーダビッドソンが最近、電動自転車のマーケットに参入することがわかりました。どんな自転車が生まれるのでしょうか?

 

ハーレー1号機の愛称にちなんだ「シリアル・ワン」

↑若い世代の愛車になるか?

 

先日ハーレーダビッドソンが発表した電動自転車は「シリアル・ワン(Serial 1)」。これは、同社の元社員たちが幹部をつとめる新会社「シリアル・ワン」が手がけたもので、ハーレーダビッドソンが1900年初頭に初めて開発したバイク「シリアル・ナンバー・ワン」の愛称にちなんで付けられているそう。自転車にも「Powered by Harley-Davidson」と書かれています。

 

「バイクのハーレー」が手がける自転車だけあって、バイクらしい見た目にこだわったとのことで、ハンドルやモーター部分などにどことなくバイクらしさが漂うデザインにしたとのこと。太めの白いタイヤと相まって、スタイリッシュで都会的なデザインに仕上がっています。

 

一般的な電動自転車はハンドル右手のスロットルをひねることで加速しますが、このシリアル・ワンにスロットはついておらず、ペダルを踏み込むことで走行します。また従来のチェーン式ではなく、ベルトドライブの駆動式を採用。走行時速は自転車走行の規則にそって約32〜45kmです。

 

時代に乗ろう

アメリカをはじめ、世界のライダーを魅了し続けているハーレーダビッドソンですが、なぜ自転車事業を始めることになったのか? その主な理由は、本業とするバイクの販売が低迷しているからです。おまけに新型コロナウイルスの感染予防のため外出制限やリモートワークが広まったことで、2020年第2四半期の売上は前年同期比で47%も減少。今年の夏に同社はおよそ700人の従業員を解雇したと報じられました。

 

さらに新型コロナの感染を避けるため、電車やバスなどの公共交通機関を利用せずに自転車を移動手段に選ぶ人が若い世代を中心に拡大しています。このような背景を受けて、人気が高まっている自転車市場に参入して、若年層を取り込もうという目論見があるようです。

 

世界各地で自転車のシェアリングサービスが広まっている一方で、「自分の愛車を持ちたい」とこだわる人もいるはず。乗り心地や性能、デザインにも厳しい目を向ける人々にとって、ハーレーダビッドソンの電動自転車は、新しい選択肢のひとつになっていくのかもしれません。シリアル・ワンは2021年に発売される予定です。