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2021/3/1 19:00

世界最古のオートバイブランド「ロイヤルエンフィールド」が、都内にショールームをオープン。その詳細

創業以来、120年もの歴史を持つ最古参のバイクメーカー「Royal Enfield(ロイヤルエンフィールド)」が、今年3月に東京都杉並区に日本初のブランドショールーム「Royal Enfield Tokyo Show Room」をオープンします。このショールームでは、ロイヤルエンフィールドの各種モーターサイクル、アパレル、アクセサリー、スペアパーツ、サービスなどを展示。今後はここを拠点として日本におけるロイヤルエンフィールドの存在感を高めていく考えです。

↑創業120周年を迎えるロイヤルエンフィールドが東京都杉並区にオープンさせた日本初のブランドショールーム

 

創業は1901年。拠点をイギリスとインドに構え、世界60か国で展開中

ロイヤルエンフィールドは1901年にイギリスのレディッチ市で創業しました。オートバイ業界で100年以上にわたり挑戦を続けており、今や現存する世界最古のモーターサイクルブランドとなっています。ラインナップは中間排気量二輪車(250~750cc)を手掛け、中でも1932年に誕生した『Bullet(バレット)』は歴史上最も長く継続生産しているオートバイとして知られます。二度にわたる世界大戦を経て、その耐久性とクラシカルな英国スタイルが融合した設計思想はイギリスの自動車・オートバイ最盛期に最前線で活躍する原動力となりました。

↑1932年に生まれたロイヤルエンフィールドの原点とも言える「Bullet(バレット)500」

 

しかし、60年代に入って日本メーカーのイギリス進出によって業績は悪化。70年には倒産するという憂き目に遭っています。ただ、ロイヤルエンフィールドのブランドは思いがけない形で復活します。実は55年に同社はインドに現地工場を設立して生産拠点を移していました。これが幸いし、イギリス本社が倒産した後もインド側が独自に生産を継続し続けることができたのです。その後、インドの商用車大手であるアイシャー・モーターズ(Eicher Motors Limited)の一部門として事業を展開するに至り、一世紀を超える伝統のオートバイブランドは守られたのです。

 

現在はイギリスとインドの2か所に研究開発拠点となるテクニカルセンターを設置し、インド国内の工場からアジア、欧州、北米・南米など世界60か国に輸出しています。また、2020年にはアルゼンチンのブエノスアイレスに組立工場を開設、2021年6月にもタイの新工場で生産を開始予定です。取り扱う製品ラインアップは単気筒もしくは2気筒の250~750ccという中排気量~大排気量車が中心です。

↑イギリス/ブランティングソープとインド/チェンナイに2つの技術センターを設置した

 

↑ロイヤルエンフィールドはイギリスとインドに技術拠点を構え、世界60か国に輸出している

 

今回、日本市場で展開するラインナップは、単気筒、ツインシリンダーエンジンを搭載した400ccを超える、『Bullet 500』、『Classic 500』、『HIMALAYAN』、『INT 650』、『Continental GT 650』の5モデルです。ラインナップのすべてがレトロな雰囲気を持っていることが大きな特徴となっており、独特の排気音はまさに“奏でる”といった表現がピッタリなオートバイと言えるでしょう。

↑空冷単気筒500ccがクラシカルなフィールを醸し出す「Classic 500」の2021年モデル

 

↑2016年発表。懐かしさを感じさせるスタイルながら本格的オフロード仕様の「HIMALAYAN」

 

↑日本では2019年6月より発売となったバランサー付き270度ツイン650ccの「INT 650」

 

↑ハリスパフォーマンスがダブルクレードルフレームの設計に関与したカフェレーサー風「Continental GT 650」

 

ただ、すべて空冷式であるだけに環境負荷がやや大きいという側面もあります。1月29日に開かれたオンラインでの記者会見で同社のビノッド・ダサリCEOは、「当社は最新の技術を反映しながらもレトロなデザインにフォーカスするのが基本姿勢。しかし、経営面で採算が取れると判断した段階でEVへ参入する事もあり得ます」と将来の可能性も示唆しました。

 

とはいえ、時代の時代の流れに押されてロイヤルエンフィールドが電動化への道を歩むとしたらその存在意義は後退してしまうとの心配もあります。電動化が進む時代でも内燃機関を使う車両がゼロになることはないし、そうした中で独自の世界観を持ち続けるメーカーとしての役割をロイヤルエンフィールドには果たして欲しいとも思うわけです。

 

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