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2022/3/12 18:00

男前なフロントデザインに熱視線! 納車まで2年待ちの新型「ランドクルーザー」をチェック

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、2年以上の納車待ちになっていると言われる“砂漠のロールスロイス”、新型ランドクルーザーを取り上げる!

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】トヨタ/ランドクルーザー

SPEC【ZX 7人乗り】●全長×全幅×全高:4985×1980×1925mm●車両重量:2500kg●パワーユニット:3.5LV型6気筒+ツインターボ●最高出力:415PS(305kW)/5200rpm●最大トルク:650Nm/2000〜3600rpm●WLTCモード燃費:7.9km/L

510万〜800万円(税込)

 

デカいボディと“オラオラ顔”が人目を引くカッコ良さ

安ド「殿! 新型ランクルはやっぱりスゴいですね!」

 

永福「うむ」

 

安ド「まず、デカさがハンパないです! なにしろ全長約5m、全幅約2mですから!」

 

永福「たしかにデカいな」

 

安ド「パジェロのロングに乗ってる僕も、デカさにビビリました!」

 

永福「カウンタックを持っている私もビビッたぞ。しかしサイズは、先代ランクルとほとんど変わっていないのだ」

 

安ド「そ、そーなんですか!? ランクルって前からこんなにデカかったですか!?」

 

永福「そうらしい。正確な数値は覚えていないが」

 

安ド「あと、顔のオラオラ感がスゴいです!」

 

永福「男前のオラオラ顔だな。頬髭のような周囲のグリルがカッコ良いぞ」

 

安ド「自宅の近所でリフトアップしたランドクルーザー プラドに乗るタトゥー入りのニーチャンに、『超カッコ良いっすね!』と話しかけられました!」

 

永福「いまは新型ランクルに乗っていればヒーローだな」

 

安ド「なにしろ納車まで2年待ちとも、4年待ちとも言われてますからね!」

 

永福「街を走っていても注目度が凄まじい。カウンタックより振り返る人が多かったくらいだ」

 

安ド「ホントですか?」

 

永福「メルセデス・ベンツ Gクラスのドライバーからも強烈な視線が突き刺さった。新型ランクルにはGクラスもたじたじなのだ」

 

安ド「日本人として誇らしい気持ちになれますね!」

 

永福「付け加えると、アルファードのオーナーからも凄まじい勢いで注目されている」

 

安ド「そうなんですか!」

 

永福「これまでオラオラ顔の帝王は同社のアルファードだったが、新型ランクルの登場で、王座が入れ替わったのだ」

 

安ド「そうだったんですか!」

 

永福「アルファードのオーナーの多くが、ランクルに買い替えたがっているらしい」

 

安ド「考えてみればランクルには、7人乗りがありますからね!」

 

永福「実はミニバンの代わりも務まるのだ」

 

安ド「ただ、燃費はイマイチですね。3.5LV6ツインターボで415馬力。カタログ燃費は7.9km/Lですけど、実燃費は5km/Lちょいでした!」

 

永福「先代型は4.6LのV8で、4km/Lくらいしか走らなかったから、かなりの改善だがな」

 

安ド「あと怖かったのは、周囲から『盗まれるから注意しろ』って言われたことです。借りている間じゅう、ハラハラドキドキでした」

 

永福「私も、一度もクルマから離れなかったくらいだ」

 

安ド「新型は指紋認証システムが導入されましたけど、果たして盗難防止に役立ちますかね?」

 

永福「ドロボウさんに聞いてみないとわからんな」

 

【GOD PARTS 1】指紋認証スタートスイッチ

窃盗団もお手上げ? の新世代盗難防止機能

先代のころから「盗難車ナンバーワンモデル」という不名誉な称号を獲得していたランクルが導入した新兵器です。3人までの指紋を登録できて、それ以外のユーザーがスタートスイッチをタッチしてもエンジンが始動しません。

 

【GOD PARTS 2】盗難防止グッズ

アナログアイテムで視覚的にもクルマを守る

撮影車には「ハンドルロック」と「タイヤロック」が搭載されていました。メーカーが用意してくれる広報車を長年借りてきましたが、初の経験です。物理的な盗難防止グッズというのは、窃盗団に心理的な抑止力をかけられて効果的です。

 

【GOD PARTS 3】10速AT

ゴツい見た目でスムーズな変速を実現

ATは段数が多いほど変速時のつながりが滑らかになりますが、10段というのはなかなかレアです。まあATなのでシフトチェンジは機械が行ってくれますが、MTだったら大変なところでした。脇には副変速機の操作レバーなどもあります。

 

【GOD PARTS 4】後席用コントロールパネル

ボタンも数多く高級車らしい

車幅がかなり広いクルマなので、フロントシート間にあるセンターコンソールボックスも大型です。両開き構造のため後席からでも使いやすく、デザイン的にも重厚な雰囲気ですが、背面にはボタンがたくさんあって高級車らしいです。

 

【GOD PARTS 5】ドライブモードダイヤル

アナログ感覚の操作でモードセレクト

ドライブモードは「AUTO(自動調整)」「DIRT(未舗装路)」「SAND(砂地)」「MUD(泥濘路)」「DEEP SNOW(深雪路)」「ROCK(岩場)」があり、路面に合わせて6つのモードからセレクトできます。ダイヤルや上下のボタンで設定しますが、ダイヤルというのはアナログ感があって良い感じです。

 

【GOD PARTS 6】アンダーフロアビュー

激烈な悪路では足下を確認して走る

ディスプレイに車体下の画像「アンダーフロアビュー」を表示できます。これが何のために必要かといえば、悪路を走る際に路面の凸凹や前輪の位置などを確認するためです。相当な荒地でも安全に配慮しながら走行できるのです。

 

【GOD PARTS 7】エンジン

排気量を小さくして環境性能を向上

SUVにピッタリの個性を持つディーゼルエンジンと、ガソリンエンジン(写真)が設定されています。後者は先代型より排気量が減って3.5LV6になりました。アクセルを踏み込むと多少ウルサイですが、そのぶん環境性能は良いと思います。

 

【GOD PARTS 8】スペアタイヤ

シティ派を気取りつつも車体下にしっかり搭載

オフローダーながら、スペアタイヤをボディ背面ではなく車体後部のボディ下に搭載しています。ジムニーやパジェロなどとは違い、そこは都会的なスタイルを崩さないようです。ただ、車高が高いので取り外しはラクそうです。

 

【GOD PARTS 9】3列シート

ミニバンから乗り換えても安心

車内への乗り込み方など、ミニバンと比べると利用しにくい部分はありますが、3列シートの存在を頼りにミニバンから乗り替えるユーザーもいるようです。電動収納式で荷室側からボタン操作で完全収納できます。

 

【これぞ感動の細部だ!】フロントデザイン

何本もの水平ラインで重厚さをアピール

オフロード走行が得意なクルマですが、高級車ということもあって、重厚に何段も組まれた大型グリルが採用されています。人を寄せ付けないオラオラさがありながら、シャープで品格のようなものも感じられます。かなり凸凹していそうですが、実際に触れてみると意外と平坦でした。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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