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2022/4/11 18:00

【ゲットナビ的】永久不滅のマスターピース! トヨタ「カローラ」

本稿では「コレ押さえときゃ間違いない!!」的ブランドと、そのアイコニックなモデルをフィーチャー。生まれては姿を消していく商品が多いなかで、世代を超えて愛され、文化的価値さえ備えた一流のクルマ、トヨタ・「カローラ」にクローズアップしました。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

トヨタ カローラ

DATA

初代モデル発売 1966年
累計販売台数 約5100万台
現行ラインナップ数 6モデル

 

世界累計5000万台超を販売! ニッポンが誇る偉大なファミリーカー

トヨタ

カローラ クロス

199万9000円〜319万9000円

カローラシリーズ初のSUVで、RAV4とヤリス クロスの中間に位置するモデル。プラットフォームやパワートレインはカローラと同じものを採用した。エントリーモデルは200万円を下回る価格設定に設定され、幅広いユーザーに人気。

SPEC【ハイブリッドZ(2WD)】●全長×全幅×全高:4490×1825×1620mm●車両重量:1410kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:98[72]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[16.6]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:26.2km/L
●[ ]内は電気モーターの数値

 

常に“ライバルの少し上”へ 今後はSUVが主役になる?

生誕から55年余りで5000万台超が国内外で親しまれてきたカローラは、日本でもかつて“国民車”と呼ばれ、33年連続で国内の年間販売ランキング首位の座を維持した、定番の中の定番に違いない。

 

当初掲げた“80点主義+α”の思想を受け継ぎ、ただ欠点が少ないだけでなく、プラス100ccの余裕や充実した装備などに象徴されるように、ライバルに対して常に少し上を行っていたのも特徴だ。

 

よく普通のクルマの代名詞としてカローラの車名が用いられるのは、それだけソツがなく信頼性が高いことの裏返しでもある。

 

現行モデルにはついにカローラの名の付くSUVまで加わった。従来のカローラシリーズと共通こそあれど一線を画したモデルだが、実はこのクルマこそ将来のカローラの中心になる存在とトヨタでは位置づけている。定番であり続けるためには、むしろ変えていくことが大事と考えているのだ。

↑荷室の開口部は身長が低いユーザーにも対応できる高さに配慮。後席を倒すと寝転がれるスペースに。荷室の容量は487ℓだ

 

↑背の高いSUVのボディスタイルの恩恵で、頭上スペースに余裕のある後席。リクライニングが可能で足元も広く、快適な空間だ

 

↑星を眺めたり採光に使えたりする大開口部のパノラマルーフはオプション設定。電動サンシェード付きで暑さ対策も万全だ!

 

↑FFモデルのリアはトーションビーム式サスペンションを採用。大容量のゴムブッシュを使い構造や取り付け角度に配慮したという

 

↑フロントのエンブレムは車名の頭文字「C」をモチーフにしたもの。「C」の上部にはカローラの語源となっている花冠のモチーフをあしらっている

 

時代に呼応した名車がズラリ! 歴代カローララインナップ

カローラは2021年に世界累計販売台数が累計5000万台を超える大ベストセラーモデル。時代のニーズに応えた歴代の各モデルを紹介していこう。

 

【1966】初代

マイカー元年をもたらした金字塔的な初代

まだ珍しかったフロアシフトやセパレートメーターを採用。排気量を1.1Lにアップさせるなどファミリーカーの存在需要を掘り起こし大ヒットした。

 

【1970】2代目

高速巡航を視野に大きく快適になったモデル

高速巡航性能や快適性能の向上を目的にエンジンやボディが大きくなった2代目。スポーツモデルのレビン/トレノも派生車種として登場した。

 

【1974】3代目

海外への輸出を本格化し車名別生産台数世界一を達成

当初は先代が並行販売される異色のモデルチェンジだった。排ガス規制をクリアし、国内だけでなく海外でも大ヒット。幅広い世代に人気だった。

 

【1979】4代目

ボディのバリエーションはカローラ史上最多となった

全長はカローラ初の4mに。ボディバリエーションも豊富で、セダン、ハードトップ、クーペ、リフトバック、バンなど全部で7種類も用意された。

 

【1983】5代目

カローラ初のFFに変更して居住性が格段にアップした

セダンモデルはそれまでのFRから室内区間に利のあるFFに変更。1.6Lモデルにはクラス初となる電子制御式4ATを採用した。

 

【1987】6代目

コンパクトカーのクラスを超えた世界のハイクオリティ車となる

5ドアリフトバックが廃止され、2BOXのFXがデビュー。同車初の4WDも登場。開発テーマに沿う、クラスを超えた装備と品質が支持されたモデルだ。

 

【1991】7代目

高級化路線をたどった頂点に相応しいモデル

開発時期がバブル経済だったこともあり、金メッキ処理の配線電気式のメーターを採用。高級車並みの先進技術が惜しみなく投入された。

 

【1995】8代目

軽量化を実現してコンパクトセダンの原点回帰へ

主要コンポーネントの多くは7代目から継承したが、50kgの軽量化を実現。軽量化の恩恵もありクラストップの低燃費車に。安全性能も向上した。

 

【2000】9代目

ミレニアムに登場した9代目は室内の快適性が大きく向上

プラットフォームをはじめ、エンジンなど主要コンポーネンツを一新。上位モデルのプレミオと同じ全幅になるなど室内の快適性も大きく向上した。

 

【2006】10代目

アクシオのサブネームが付いた日本専用設計に変更したモデル

先代までは世界共通のプラットフォームを採用していたが、日本専用設計に変更して5ナンバー枠を維持。バックモニターを全車に標準装着した。

 

【2012】11代目

カローラシリーズ初となるハイブリッド車が設定された

同車の原点でもある「大人4人が安心、安全、快適に長距離移動できるコンパクトカー」をテーマに開発された。ハイブリッド車の登場もトピックだ。

 

【2018】12代目(現行)

カローラ史上初となる3ナンバーサイズに進化

世界共通のTNGAプラットフォームで3ナンバー化。しかし最小回転半径は先代と同様で日本の道路事情に配慮するなど、使い勝手は良いままだ。

 

数字で驚く! カローラトリビア

V33

ニーズへのきめ細かい対応や、世界一と誉れ高い信頼性などそのクオリティが評価され、1969年から2001年までの33年間、連続国内登録車販売台数1位を記録した。また世界累計販売台数も1位だ。

 

150か国以上

日本仕様のイメージのあるカローラだが、実は世界で販売されるワールドワイドな1台で、トヨタの重要な世界戦略車だ。最初の展開は1966年のオーストラリア。デビュー当初から海外で販売されていた。

 

約34秒に1台

シリーズ累計販売台数は2021年になんと5000万台を達成した。1966年の初代発売から21年7月までの累計秒数をもとに計算すると、カローラは約34秒に1台も販売されてきたことになるのだ!

 

チーフエンジニアに聞く カローラってこんなクルマ

トヨタ自動車株式会社
TC製品企画ZE チーフエンジニア
上田泰史さん

1991年トヨタ自動車入社。駆動関係の実験部署に配属。その後製品企画を経て、2011年より欧州開発拠点TMEに赴任した。15年、日本に帰任しカローラの開発を担当。

 

累計5000万台以上販売した“世界のカローラ”について、チーフエンジニアが語る

 

Q カローラに携わる前の印象は?

A 私の叔父2人が、それぞれカローラ(6代目)、カローラFX(初代)を乗っていて、とても身近な憧れの存在でした。カローラの主査を任命されたときは、大変そうだなぁと思うと同時にワクワクしたのを憶えています。

 

Q カローラらしさを貫いている点は?

A ひとつは良品廉価。より良いクルマを手に入りやすい価格で、より多くのお客様に提供することです。2つ目が、時代ごとのお客様の期待の半歩先にある価値を加えること。3つ目の価値が、時代に応じて変わっていくことです。

 

Q 現行モデルの狙いはどこにある?

A 若い方にも乗っていただけるようなクルマを目指して開発しました。ワクワクするクルマ、見てカッコ良い、乗って楽しいクルマを目指し、カローラをステップアップさせています。走りが楽しいカローラにご注目ください!

 

Q どんなところにカローラらしさを感じてもらいたい?

A より多くの方にクルマに乗る楽しさを感じていただきたいです。1クラス上の性能を、できるだけお求めやすい価格で提供できればと考えています。お客様がカローラと生活を共にすることで、暮らしが豊かになれば幸いです。

 

 

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