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2023/7/8 19:00

「テスラか、それ以外か」と思わせるほど「モデルY」のバッテリーと乗り心地は素晴らしい

サスペンションがしなやかで、乗り心地は快適

走り始めると、まさにEVそのもの。音もなくスムーズに加速する。驚いたのは、新車の割にサスペンションがしなやかだったことだ。ボディも猛烈にしっかりしているので、乗り心地は素晴らしい。

 

以前乗ったモデル 3は、サスペンションがハードすぎて乗り心地は最悪レベルだったが、今回のモデル Yは雲泥の差だった。もともとテスラ車は新車時のサスのあたりが固い傾向があったが、改良されたらしい。

 

市街地で気になるのは幅の広さだ。全長は4760mmなのでちょうどいいが、全幅は1925mmもあり、取り回しには多少気を遣う。

 

そのぶん室内は広い。セダンのモデル 3と比べると、全高は180mm高く、全長も65mm長いのだから当然だ。パノラミック・ガラスルーフが標準装備なので、開放感もある。ラゲージ容量は、リアシートの後ろ側で854L。これで足りない人はまずいないと思うが、リアシートの背もたれを倒すと、2041Lという巨大な空間になる。フロントのボンネット下にも117Lの容量のトランクがある。実用性は十分だ。

↑本体サイズは約全長4760×全幅1925×全高1625mm。カラーは試乗モデルのパールホワイトのほかに、オプションで4色をそろえている

 

↑コックピットはシートポジションが高く、ダッシュボードは低いため、よく見渡せるようになっている

 

駆動用モーターは、前後に1基ずつ搭載。詳細な出力は非公開だ。モデル Yパフォーマンスに比べると加速は控え目だが、それでも十分すぎるほど速い。

↑試乗モデルは、静止状態から時速100kmまで約5.0秒の加速を実現している

 

ライバルに対して優位に立つ航続距離の長さ

テスラ車の美点は、速度を上げてもあまりバッテリーを食わない(電費がいい)点にある。新東名の120km/h制限区間を120km/hでブッ飛ばしても、100km/hのときとあまり電費が変わらないのだ。空気抵抗は1.4倍に増加しているはずなのに、不思議で仕方がない。EVは速度を上げると急激にバッテリーを食うものだが、なぜかテスラはその割合が小さい。これも優れたバッテリーマネジメントの賜物だろうか? テスラは技術的な情報をほとんど公表しないので謎だが、そう考えるしかない。

 

東京から240km先の浜松SAで折り返し、富士川まで合計340km走った段階で、バッテリーにはまだ34%電力が残っていた。つまり、100%使い切れば500km走れた計算だ。残り20%まででも、約400km走れることになる。さすがロングレンジ。ここまで航続距離の長いEVは、この価格帯にはほかに存在しない。ライバルに対して、2~3割は優位に立っている。

 

富士川のテスラスーパーチャージャー(テスラ専用の急速充電スポット)の250kW器で30分間充電したところ、87%まで回復した。推定充電量は40kW。平均充電速度は80kWhだ。最大50kWがスタンダードのチャデモ(CHAdeMO)の急速充電器よりはるかに速い。しかもテスラスーパーチャージャーは、一か所のスポットに4~6器の充電器が並んでいるから、充電待ちもまずない。

↑スーパーチャージャーでは、15分間で最大275km相当の充電が可能

 

テスラスーパーチャージャーは、現在国内70余か所、300器強が整備されている。なにしろテスラ専用なので、気分は貴族。この充電速度で、この利便性。EVは「テスラか、それ以外か」で、天と地の差があると認めざるを得ない。

 

SPEC【ロングレンジ AWD】●全長×全幅×全高:4760×1925×1625mm●車両重量:1980kg●パワーユニット:デュアルモーター●最大出力:250kW●最高時速:217km/h●航続距離:605km

 

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撮影/池之平昌信

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