ドライブをしていて渋滞にはまってしまったら、「自分だけここからすり抜ける方法はないものか……」と思うことはありませんか?「いっそクルマごと空を飛べたら……」
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そんな発想から生まれたフライングカーが開発されています。
世界中で開発が進む「空飛ぶタクシー」は、従来の飛行機やヘリコプターに近い形の物が多いですが、米カリフォルニアのAlef Aeronauticsが開発中のフライングカーは、見た目が一般的な乗用車に比較的近くなっています。市街地の環境で行われたというテストの様子を映した動画を公表した際、同社は「クルマが道路を走行しながら垂直に離陸する動画はこれが初めて」とアピールしています。
現在開発中のモデルAは二人乗りで、全長約5.2m、横幅は約2.1m。一般的な駐車スペースやガレージに収まるサイズで設計されています。通常の道路を走行するために、4本のタイヤには小型エンジンを搭載し電気自動車と同様に100%電気で走り、ボンネットやトランクなどに八つのプロペラが付いていて、これによって全方向に飛行が可能だそう。
車体はカーボンファイヤーフレームを採用し、重量は約386kg。軽自動車でも700kgほどの重量はあるものですから、この軽さはかなりのもの。さらに、車体全体がメッシュのような構造になっており、空気の流れを計算しているため、クルマを飛ばすことができるというのです。
テストの動画を見ると、車体がふんわりと空中に浮き、数メートルほどの高さをゆっくりと進んで飛行している様子がわかります。同社によると、飛行の操縦は一般向けのドローンの操縦と似ていて、15分もあれば習得できるのだとか。
しかし問題は、時速177kmで飛行できるのに、道路を走るときは時速が40kmから56kmに制限されること。その理由は、あまりにも重量が軽いため、ゴルフカートなどと同じ「低速車両」に分類されてしまうからです。しかし、規制をクリアするためには、この条件下でしか運転できないと言います。
それでも、「他のドライバーをよそに自分だけ渋滞を飛び越えたい」という特別な体験をしたい方は、1台30万ドル(約4500万円※)で予約できるそうです。
※1ドル=約150円(2025年2月27日現在)
【主な参考記事】
Daily Mail. The car that lets you FLY over traffic jams! Futuristic £235,000 vehicle takes flight for the first time – hopping over another vehicle on a public street in California. February 21 2025