2017年11月、34歳の女性が社長を務めるスタートアップが、ニューヨーク市場で上場を果たし話題を集めました。その会社は、AIスタイリストによる商品提案型のサービスを提供する「Stitch Fix」です。売上1000億円、時価総額は2000億を超え、人々の「洋服を買う」という体験をまったく新しいものにしてくれています。本当に通常のネットショッピングよりも満足する購入体験ができるのか? 実際にそのサービスを利用して検証してみました。
Stitch Fixってどんなサービス?
Stitch Fixとは、通常のネットや実店舗でのショッピングとは異なり、自分で商品を選ぶのではなくAIとスタイリストが自分に合った商品を提案してくれるサービスです。同社の3500人のスタイリストと80人以上のデータサイエンティストのチームが、独自のアンケートとSNSの分析で顧客の好みに合ったアイテムを選んで届けてくれる仕組み。手順は以下の通りです。
①独自のアンケートに回答(サイズ・好み・ライフスタイル・予算など。10~15分程度を要する質問)
②到着日を選択すると、洋服や小物類が5点自宅に届く。この段階でスタイリング料20ドルが課金される(混雑状況にもよるが早い場合は3日〜5日程で到着)
③気に入ったものは購入、それ以外は無料で返品可。同封されている袋に入れて郵便局で送るだけ(すべて購入の場合は全品25%オフ)
④選んだ服と選ばなかった服の理由をアンケートに記入しフィードバックを送る(次回の購入につなげる)
では、実際に使ってみましょう。
実際に答えた質問は50問程度。「ゆったりとした服が好き」「これは嫌」といったデザインの好みなどを細かいところまで聞かれました。さらに、実際の服の絵を見せて4段階で好きか嫌いかを聞く質問もあり、好みを捉えてくれた気がしました。
アンケートに回答し、最速の発送日を選択しました。荷物は5日後に到着。箱もかわいく、自分用にカスタマイズされた福袋を開けるような非日常体験にワクワクしました。
届いた5点は紺のサンダル、チェックのシャツ、リゾート風のロングドレス、デニムジャケット、そしてストレートジーンズです。
気に入ったのはサンダルとジーンズ。私は足の形に合う靴をなかなか見つけられないのですが、このサンダルはぴったりで履き心地も抜群。デザインも気に入ったので値段を見る前から買うことを即決していました。ジーンズは、ウエスト、長さ、履き心地がすべてパーフェクト。欲しかった色でもあったのでこちらも購入しました。他の商品は日常使いできるイメージが湧かずに返却することにしましたが、サイズはぴったりでした。
最後はフィードバックアンケートに回答。また春になったときに注文をしたいと思ったので、今回選ばなかった理由や次はどんなものが欲しいかを丁寧に書きました。返品するアイテムも指定の袋に入れて、郵便局に行くだけなのでとても簡単でした。