【その3】コーヒー茶ソーダって何?
アルコールの消費量が減少する一方、売り上げが伸びている飲み物として、健康志向でありながらもカクテルのような高級感がある炭酸ドリンクがあります。従来の炭酸飲料は糖分が高く、それに替わるもの、あるいはアルコールフリーだけれどもお酒のように楽しめる飲み物として、少し苦みが入っているものが人気とのこと。
特に話題なのは、コーヒー豆の殻を乾燥させたものにお湯を注いで作るカスカラ茶と炭酸水をミックスしたカスカラソーダ。低糖、低カフェイン、そして従来なら廃棄されていたコーヒー殻を再利用しているのが特徴です。そのほかにも、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていると言われる紅葉やシラカバの樹液からつくった炭酸水、生姜とインド朝鮮人参入りのグレープフルーツジュースのソーダ割、唐辛子風味のストロベリージュースなど、カクテル感覚で、お昼からでも飲める炭酸飲料が売れているそうです。
【その4】注目を集めるFODMAP食品
最後にご紹介したいのが低FODMAP(フォドマップ)食品。筆者もハースさんとのインタビューで初めて知りました。FODMAPとは様々な食物に含まれる「発酵性の炭水化物類」の頭文字をとったもので、過敏性腸症候群(IBS)に伴う便秘や下痢、腹痛などの原因とされているそう。そして低FODMAP食は、これらの症状の改善を目的として、オーストラリアのモナーシュ大学の研究チームが提唱している食事法なのです。「いまのところ胃腸に不調を感じている人の食事療法として捉えられているが、将来は低FODMAP商品がスーパーにずらりと並ぶ日も来るのではと注目している」(ハースさん)
現在はオンラインストアでの販売が中心。カレー、朝ご飯セット、エナジーバーなどの低FODMAP食品が発売されており、大腸と小腸をかたどった下記のような低FODMAP食の認定マークがついています。近い将来は、健康に気を遣い低糖のチョコレートを選ぶような感覚で、低FODMAP商品を手に取る日が来るのかもしれません。
まとめ
2回にわたってお伝えしたアメリカの最新「食」トレンド。今回取り上げた多くのものは、現代人の健康志向が食品として形になり、さらに国境を越えて受け入れられていくようなトレンドとなっているようです。これらの食べ物はアメリカで大きな人気を集めれば、いずれ日本にも入ってくるでしょう。和食のよさを再認識するだけでなく、外国の新しい食べ物にもトライして、日本人の嗜好に合わせながら取り入れていくことが、バランスの取れた食生活かもしれませんね。