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2019/10/8 19:00

新しい形のライフセーバー! 「AI搭載ドローン」がワニ、サメ、脅威から人間を救う

上空からの撮影や災難時の捜索などでも利用されているドローンですが、AI搭載型のドローンを使って、オーストラリアでワニのパトロールを行う試みが始まりました。その一方、近海でのサメのパトロールや海難救助にも活用できる、同様のドローンも開発されています。「ドローン×AI」という組み合わは、私たちを助けてくれる大きな可能性を秘めているのかもしれません。

 

ワニ襲撃事件発生エリアでパトロール

(出典: Westpac Little Ripperの公式サイト)

 

AFPによると、オーストラリアのケアンズ近郊で始まったのが、AI搭載のドローンを飛ばしてワニのパトロールを行う試み。この地域ではワニの出没により、人が襲われる事件が発生しており、2017~2018年には5件の襲撃事件が起きています(うち2件では死者も)。通常はワニがいないような沿岸から40キロ以上離れた内陸でも目撃情報があるなど、現地では警戒を強めているとのこと。

 

そこで試験的に導入が始まったのが、AI搭載ドローンによるパトロール。AIを搭載しているため、撮影した大量の映像から、水の状況やワニの大きさ、形、ワニが泳いでいるのか静止しているのかなどを学習していくことができます。それによって探知能力が上がっていき、ドローンの開発者によると人間の裸眼による正確度は16~19%に対し、このAI搭載ドローンは93%の正確度があるそう。

 

この地域ではワニに関する情報を市民に知らせるプログラムが用意されていて、ドローンで取得した情報も、市民がダウンロードできるアプリに即座に送られます。

 

海難救助&サメのパトロールにも

今回のAI搭載ドローンを提供した、オーストラリアのWestpac Little Ripper社は、ドローンや遠隔操縦航空機システムの開発を行っており、今回のワニのパトロール以外にもさまざまなドローンを開発しています。

 

例えば、海難救助のドローン「ドローン・サーフ・レスキュー」(下の動画を参照)。広大で荒れた海の上をドローンが飛行し、溺れたり流されたりしている人を検出。ブイを投下して救出するというものです。また、同様に海上を飛行してサメなどの危険生物を検知する「シャーク・スポッター」をシドニー技術大学との共同開発しています。

大海原から人間の姿やサメなどの生物を確認するのは、人間の眼では限界があるもの。しかしAIなら人間やサメなどの動きも学習を重ねていき、人間よりも早く、高い精度で見つけ出すことが可能になると期待できるのでしょう。ドローンもAIも、人間だけでは不可能なことを実現していく力がある技術。監視されるのは気持ち悪いですが、私たちの命を救うAI搭載ドローンは歓迎ですね。

 

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