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2021/1/29 6:00

「太陽光発電」の鍵を握るのは唐辛子? 身近な食材が熱視線を浴びるワケ

中南米を原産とする唐辛子は、太陽の光がさんさんと降り注ぐ熱帯地域などで育ちますが、そんな唐辛子が太陽光発電に一役買うことが最新の研究でわかりました。今後の太陽光発電の開発に唐辛子が積極的に使われることになるかもしれません。

 

エネルギー変換効率をもっとホットに

↑ソーラーパワー×唐辛子パワー

 

太陽光発電がさらに普及していくうえで課題の1つとなっているのが「エネルギー変換効率」の向上です。エネルギー変換効率とは、太陽の光をどれだけ電気に変換できるかを表した数値。現在、太陽光発電のエネルギー変換効率はおよそ15~20%で、この数値が上がればもっと効率的にエネルギーを得ることができるようになります。

 

それを目指して世界中の研究者やメーカーが電池の材料を変えるなどのさまざまな試みを行っていますが、そのなかで中国とスウェーデンの共同研究チームが注目したのが唐辛子でした。

 

太陽光発電の新しい材料として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」の製造工程で、ペロブスカイト(MAPbI3)の前駆体(※)に唐辛子の辛み成分であるカプサイシンを添加したところ、エネルギー変換効率が19.1%から21.88%に上がったのです。さらにカプサイシンを添加した太陽電池は、800時間経過した後もエネルギー変換効率を90%以上維持しており、安定性があることもわかりました。

※前駆体: 正極材(電池のプラス側の電極に使用する材料)の前段階の物質のこと。

 

この理由として、カプサイシンがペロブスカイトの膜の密度を上げたことで、エネルギーがより変換されやすくなったと考えられています。カプサイシンは安価な材料として利用できるので、大型の太陽光発電にも利用できるかもしれません。

 

唐辛子と同じように、「にがり」も太陽光発電の効率を上げる可能性を持つと言われています。にがりの主成分は塩化マグネシウムで、これがテルル化カドミウム太陽電池に使われる塩化カドミウムの代わりになるそう。塩化カドミウムは高価で、しかも発がん性が疑われ毒性があることから代替物質の研究が行われていました。塩化マグネシウムは豆腐の製造に使われるように食べても安全なうえ、価格が安く魅力的と評価されているのです。

 

太陽光発電が唐辛子やにがりなど身近な食材を生かすことで、さらに発展することに期待したいですね。

 

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