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2021/2/3 6:00

イスラエル発「ドナー不要の人工角膜」は日本の眼科手術にも渡りに船

先日、イスラエルで78歳の男性が、視力を失ってから10年後に再び目が見えるようになったというニュースが流れました。この男性の視力を取り戻したのが人工角膜手術。これ自体は新しいことではありませんが、最新の科学技術により、人工角膜手術の課題の1つである「ドナー不足」が解決するかもしれません。

↑目玉が飛び出るほどの進歩かも

 

黒目の表面を覆う透明な組織を「角膜」と言い、外から目のなかに光を取り込むレンズの役割を担います。この角膜が傷ついたり、病気になってしまったりすると視力が失われてしまい、重症の場合は角膜移植が必要になります。

 

慶應義塾大学病院のサイトによると、角膜の移植はアメリカでは年間4~5万件、日本では年間2000件程度が行われているとのこと。日本での手術件数が少ないのは角膜の提供者(ドナー)が少ないから。そこで期待されているのが、ドナーを必要としない人工角膜。これまでにも人工角膜を使った移植手術は世界各国で行われてきましたが、今後はそれがもっと普及すると言われています。

 

そんな人工角膜を使った移植手術の最新の成功事例が、イスラエルの医療スタートアップ・CorNeat Visionから1月に報告されました。手術を受けたのは、約10年前に両目の視力を失った78歳の男性。イスラエルのラビン・メディカル・センターで、同社が開発した人工角膜「CorNeat KPro」を移植する手術が行われました。この人工角膜は非分解性のナノ組織でできており、これを強膜(眼球の白い部分)の下に入れます。担当医師によると、この手術は比較的シンプルで、1時間以内に終わったそうです。

 

手術後、男性の目から包帯が取り除かれると、一緒にいた家族の顔を見て確認したり、文字を読んだりすることができるようになりました。この男性も家族も感動に包まれたそうです。

↑目頭が熱くなるほど感動

 

同社では、この男性と同じように角膜手術を行う患者10人について承認を受けており、フランス、アメリカ、オランダなどの施設でも同様に申請を進めているそうです。

 

人工角膜手術は決して新しいものではなく、リスクもあるかもしれませんが、科学技術は進歩しており、より多くの人の役に立ちそうです。人工角膜手術を巡る日本の状況にも影響を与えるかもしれませんね。

 

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