グローバル化が加速しているなか、新興国や発展途上国に対する日本の国際貢献は、政府やNGO団体だけにとどまらず、民間企業レベルでも活発に行われています。今回は、海外でのビジネス展開を通じて国際社会への貢献を支援するプロジェクト「飛びだせJapan!」について、その成果を報告するオンラインイベントの様子をレポートします。
アイ・シー・ネットが主催している「飛びだせJapan!」プロジェクトは、日本の中小企業が新興国で社会解決につながる海外展開を行う際に、企業にコンサルティングを行うとともに、製品・サービスの開発などに必要な経費を一部補助するもの。経済産業省の「技術協力活用型・新興国市場開拓事業費補助金(社会課題解決型国際共同開発事業)」を受けて実施されています。
今年で第6回となる今回は、新型コロナ感染症の影響もあり、海外への渡航ができないなど事業展開が難しいなかで、補助内容や期間を変更して実施されました。本年度、プロジェクトを完遂することができたのは全14社で、そのうち11社がオンライン上で成果報告を行いました。
最初に発表を行ったのは、大阪に本社を構える光洋機械産業。同社はこれまで国内市場向けおよびアジア地域向けに建設用機材の提供を行っていましたが、「飛びだせJapan!」プロジェクトの補助を受けて、アフリカ市場に日本製の建設足場の供給するという取り組みに挑戦しました。
同プロジェクトの補助を受けて実施したのは、現地における建設足場の市場調査や、展示用見本の作成および輸出、英語・仏語パンフレットの作成など。
これにより、アフリカ市場での建設足場の需要を確信できたとし、今後は現地で販売代理店網の確立を行うとともに、足場組み立て・解体の技術教育や安全教育を実施し、現地での雇用も創出していきたいと説明していました。また、建設用だけでなく、高速道路やトンネルといった土木用足場など、さらなる用途展開にも積極的に取り組んでいくとのこと。
単なる海外でのビジネス展開にとどまらず、社会的意義のある事業展開のために同プロジェクトの補助金が活用されていることがよくわかる発表となっていました。
同社以外にも、インドにおける慢性的な水不足解消を目的とした節水ノズルの提案や、ケニアで現地製造した土壌硬化剤を使った水路・ため池施工事業の取り組みなど、様々な事業での成果が報告され、参加者を交えた質疑応答なども行われていました。
アイ・シー・ネットのHPでは、今回の活動実績をまとめた資料や、海外進出に役立つニーズレポートなども公開していますので、海外でのビジネス展開をお考えの中小企業の方は、ぜひアクセスしてみてください。
飛びだせJapan!の特設ページ:https://www.icnet.co.jp/tobidase-japan/
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