コーヒーにココナッツオイルを加えた「ココナッツオイルコーヒー」、グラスフェッドバターを加えた「バターコーヒー」など、コーヒーにはさまざまな飲み方がありますが、最近、海外で注目を集めているのが「プロフィー」です。「朝食や運動前に最適」と話題を集めていますが、どんなものなのでしょうか?
プロフィーとは、「プロテイン」と「コーヒー」を組み合わせた言葉で、プロテイン入りコーヒーのこと。TikTokの海外ユーザーを中心に2021年春頃から口コミで広がり、2021年10月19日時点で「#proffee」のハッシュタグの視聴回数は450万回、「#proteincoffee」は3000万回以上にもなっているのです。
プロフィーの作り方は、ブラックコーヒーにドリンクタイプまたは粉末のプロテインを混ぜるだけ。最もベーシックなプロフィーはアイスコーヒーを使うようですが、エスプレッソにしたり、お好みでシロップなどを使って甘味を足したりしてもいいでしょう。
このプロフィー人気の秘密はもちろん、身体に必要な栄養を簡単に取れること。日本語で「タンパク質」を指す英語のプロテイン(protein)は、筋肉を増やしたり健康を維持したりするために必要不可欠な栄養素で、その摂取は一日の始まりである朝が一番良いと言われています。だから、コーヒーのカフェインで眠気を覚まし集中力を高めながら、同時にプロテインでタンパク質を取ることができるとあって、プロフィーは朝の1杯にピッタリというわけです。
また、プロフィーは運動前に飲むドリンクとしても最適とか。学術誌『Nutrients』に掲載された研究によると、活動的な人がカフェインとタンパク質を摂取すると、高強度の運動でパフォーマンスが上がることが報告されたとのこと(※)。運動前にカフェインを摂取すると、身体が疲れにくくなったり、脂肪燃焼効果が高まったりするとされる一方、プロテインは運動前に飲むと筋肉が分解されるのを防ぐため、筋肉アップにつながるそう。そこで、カフェインとプロテインの2つを同時に摂取できるプロフィーは、運動前の1杯として勧められているのです。
普段コーヒーにミルクや砂糖を入れて飲む方は、それらをプロテインに変えると、ミルクと砂糖の摂取量を減らせるメリットがあるでしょう。朝食にタンパク質を摂取すると、体重管理や減量に役立つという見方もあります。
一長一短
その反面、プロテイン(特に人工的なもの)の過剰摂取は腎臓を悪くすると指摘されています。消化不良や頭痛、吐き気などを引き起こすリスクも無視できません。さらに、糖分がプラスされたプロテインは避けるべきでしょう。大豆や乳製品由来の天然の糖分が含まれているプロテイン製品がありますが、これに糖分が添加されていると、不必要なカロリー摂取につながります。適切な摂取量は体重などによって異なるため、プロテイン製品のパッケージに記載されている目安量を守ることが大切です。
爆発的に増えたプロフィーのSNS投稿は、たくましい筋肉の象徴になっているようですが、流行に乗る前にプロテインの長所と短所を客観的に評価することをお忘れなく。
※Forbes, S. C., Candow, D. G., Smith-Ryan, A. E., Hirsch, K. R., Roberts, M. D., VanDusseldorp, T. A., Stratton, M. T., Kaviani, M., & Little, J. P. (2020). Supplements and Nutritional Interventions to Augment High-Intensity Interval Training Physiological and Performance Adaptations-A Narrative Review. Nutrients, 12(2), 390. https://doi.org/10.3390/nu12020390