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2022/2/25 19:30

もうやめられない! ドイツに根付いた買い物の新常識

コロナ禍で消費者の食料品の購入方法は世界中で変化しています。ドイツでは長引く外出規制がきっかっけとなり、ネットスーパーの利用者が急増。オンライン注文だけを取り扱う「店舗を持たないお店」も広まるなど、ドイツ人の食料品の購買行動において、かつてないほどの変化が起きています。現地からレポートしましょう。

 

ロックダウンで拡大

↑スマホで注文して、すぐに自宅に届くなんて本当に便利だ!

 

パンデミックによって厳格なロックダウンが実施されたドイツでは、2020年からスーパーの買い物にも新しい規制が加わりました。外出は20時までで、店内でのマスクの着用はもちろん、営業時間の短縮や入店人数の制限、一人一台のショッピングカート使用などのルールが設けられました。

 

その結果、特に平日の仕事帰りの時間帯や土曜日にスーパーの混雑が激しくなり、入場規制により入口の外まで長蛇の列ができることも度々見かけるようになりました。このような現象は日本を含む他国でも起きましたが、コロナ禍の厳しい規制には、仕事を持つ女性をはじめ、多忙な人たちにウンザリするほどのストレスをもたらすという側面があるのです。

 

そのような状況で拡大しているのが、ネットスーパー。ドイツでは、大手スーパーのREWEが2010年にネットスーパーを始めたのを皮切りに、ほかのスーパーもオンラインサービスを開始していました。しかし、国内リサーチ会社のBitkomによれば、パンデミック以前ではオンライン注文率がわずか16%でしたが、現在では26%に拡大。多忙のためにスーパーの実店舗に並ぶことに躊躇する人たちだけでなく、自宅での隔離生活を強いられている人にとっても、スーパーのオンラインサービスは必要不可欠な存在となったのです。

 

ドイツのネットスーパーはアプリで支払い商品を購入した後、自身で店舗にピックアップに行くか、自宅まで宅配してもらうかを選びます。宅配サービスならば、指定した時間に待っているだけで、オンラインでショッピングカートに入れた食材が玄関まで届きます。

 

注文から十数分以内で玄関まで届けることがモットーの宅配サービスや、宅配料無料のサービス、そしてオーガニック食材を多数扱うショップなど、アメリカや中国などでも見られる、さまざまなスーパーが登場しています。

 

エコなネット宅配スーパーも

さらに、現在は既存の大手スーパーによる宅配サービスのみならず、「実店舗を持たないネットスーパー」にも人気が集まっています。

 

その中でも注目を集めているのが、実店舗を持たないネットスーパーの「Picnic(ピクニック)」。オランダの企業ですが、新型コロナウイルスが出現する前の2018年からドイツで新しいスタイルの宅配サービスを提供しています。

↑ドイツ人の新常識を象徴するような「Picnic」

 

Picnicのモットーは「環境にやさしい配達」。配送はすべて小型の電気自動車のみで行われています。2019年以降は、ドイツ西部の都市・デュッセルドルフを中心に同社のトレードマークがついた小型電気自動車を頻繁に見かけるようになりました。このクルマは騒音を出さず、二酸化炭素の排出もありません。コンパクトサイズのため、配送時に交通を妨げることもあまりないのです。

 

さらに、Picnicのビニール袋はすべてリサイクル可能な素材で作られています。不要な場合は次回に配送スタッフに渡して返却することができるため、プラスティックの削減にもつながります。また、Picnicは店舗を持たず、大手スーパーのEDEKAやパン屋のBüschから商品を仕入れています。毎日22時にアプリでのオーダーを締め切った後に必要な数だけの仕入れをするため、食材の無駄がなく、廃棄を抑えられるのも魅力。こういった環境保護への取り組みは、もはや現代では当たり前かもしれませんが、評価すべきでしょう。

 

あるリサーチによれば、ドイツ国内でネットスーパーを利用している人の36%が、コロナ禍の収束後も「間違いなく利用する」と回答した一方、51%が「多分利用する」と考えているとのこと。全体的には、9割近くの人が引き続き同サービスを利用するつもりのようです。ドイツでは、コロナ禍によりオンラインスーパーの利用が新しい常識になりましたが、このように便利なサービスがコロナ禍前にあまり浸透していなかったことが、いまでは不思議なくらいです。

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