野生動物に気軽に近づき過ぎると、動物の本能を刺激して思わぬ危険に遭うかもしれません。そんな一例として紹介するのが、米・イエローストーン国立公園で先日起きた事件。バイソンの身体を撫でようとした女性が襲われそうになる事件が起きたのです。
バイソンは、ウシ科に分類される動物。体長は2.7メートル、体重は1000キロにもなる大型動物です。イエローストーン国立公園には、2300~5000頭のバイソンが暮らしていると見られています。
しかしバイソンは群れで生活しており、その群れに近づく者がいると、敏感に反応してすぐに興奮する性質があるのだそう。しかも、走る速度は最大で時速56キロにもなり、男性ですら簡単に空中に放り投げられてしまうと言います。
そんなバイソンの特徴を知らずに、近づき過ぎたことで、女性が危険な目に遭いました。この女性はバイソンに手を伸ばし、ウシやウマを撫でるように、バイソンの身体を撫でようとしました。すると、バイソンがその手を振り払うように頭を強く振ったのです。女性は悲鳴をあげてすぐに逃げ、幸いにもバイソンはそれ以上、女性と同行者を襲うことはしませんでした。
イエローストーン国立公園では、バイソン以外にも数多くの野生動物が生息していますが、バイソンに人間が攻撃される事件が一番多く発生しているとのこと。実際、2022年6月にも、同じイエローストーン国立公園で、バイソンに近づき過ぎた人が攻撃されることが報告されており、数か月間に3回も同じようなことが起きていたそうです。
イエローストーン国立公園では、野生動物を守るために、訪問者に厳しいルールを設けており、バイソンとは25ヤード(約23メートル)の距離を取るように規則を定めています。
野生動物には近づきすぎないことが鉄則。旅行に行くときは、現地のルールを事前にチェックして、それに従うことが大切です。
【主な参考記事】
Newsweek. Woman Almost Gored After Trying To Touch Bison in Yellowstone Park. May 30 2023