新型コロナウイルスが世界中に広がり、マスクの着用が当たり前だったこの3年間。医療機関はもちろん、飲食店をはじめとした多くの接客業で、マスクを着けることがいわばマナーとしてすっかり定着しました。しかし最近、米国ではついに「マスクの着用禁止」に踏み切る店が出てきたのです。
従業員のマスク着用を禁止したのは、カリフォルニアに拠点をおくファストフードチェーンの「イン・アンド・アウト・バーガー」。アリゾナ、コロラド、ネバダ、テキサス、ユタの5つの州にある店舗がガイドラインを刷新しました。「カスタマーサービスの重要性と、従業員の笑顔を見せる能力を高めること」を目標としており、「マスクを外して、お客様に笑顔を見せてサービスしていこう」という意向なのです。
従業員が健康上の理由でマスクを着けたい場合は、診断書を上司に提出する必要があり、そのうえで会社が支給する医療用のN95マスクを着用しなければなりません。もし会社の方針に従わない場合は、解雇などの処分を受ける可能性があるとのこと。
米国では、日本よりもかなり前の段階から、ほとんどの人がマスクを着けなくなっているものの、それでも接客業の人の中には現在もマスクを着けて仕事をしている人もいます。そんな接客を見かねて、イン・アンド・アウト・バーガーは「マスクを取ろう」という方針を打ち出しました。
日本ではマスクを着けないことに対して、衛生面での不安を感じる人が根強くいるかもしれませんが、「接客は笑顔があってこそ」という基本を思い出させるニュースではないでしょうか?
【主な参考記事】
News Nation. In-N-Out Burger bans protective masks for workers in five states. July 18 2023