紙幣や硬貨を製造する造幣局。「お金を盗むなら、そこを狙うのが手っ取り早い」と思ったのかは分かりませんが、ある窃盗グループが米国の造幣局から出発したクルマを襲い、中に積んでいた硬貨を奪う事件が4月に起きていました。最近この詳細が明らかになり、強盗犯は1トンもの硬貨を盗み出していたのです。
事件のあらましを説明しましょう。硬貨を積んだトレーラーがフィラデルフィアにある造幣局からマイアミに向かいました。ドライバーは夜、仮眠をとるために駐車場にトレーラーを止めていたところ、6人組の強盗犯が襲撃。ドライバーを引きずり下ろし、トレーラーをボルトカッターで開け、中にあった硬貨を小さな袋に詰め込み、待機していた別のトラックに運び出したのです。
トレーラーに積まれていた硬貨は10セント硬貨で、重さは約6トン。全部で75万ドル(約1億1300万円※)にも相当します。強盗犯は、ここから約100万枚の硬貨を奪ったと見られていましたが、実際は200万枚以上、23万4500ドル(約3500万円)相当の硬貨を盗み出していたのです。
※1ドル=約150円で換算(2023年11月2日現在)
その重さはおよそ1トン。トレーラーの周囲には、運び出す際に落ちた大量の硬貨が散乱する事態になりました。
強盗犯は奪った硬貨の一部を地元の銀行などに持ち込んで、紙幣に交換したと見られていますが、結局逮捕。彼らは硬貨以外にも、カニ、エビ、肉、ビール、酒、冷蔵庫など、あらゆる物品を盗んできた窃盗グループだったことも明らかとなったのです。
大量の硬貨を強引に奪ったものの、ド派手な強盗劇で世間の注目を集めてしまい、それが逮捕されるきっかけになったのかもしれません。
【主な参考記事】
Wgau. Tons of change: New details released in theft of 2 million dimes. October 25 2023
The Philadelphia Inquirer. Philly men charged with stealing more than $200,000 … in dimes. October 21 2023