米ニューヨークで一人約10万円のおまかせメニューを提供する、ミシュラン二つ星の寿司店。ここを訪れたインフルエンサーが「残念ながら特別に訪れる価値はない!」とコメントし、米国人の中で共感が広がっています。その理由は、日本ではあまり起こらないようなものでした……。
インフルエンサーのザラゴザさんがこの寿司店を訪れたのは6回目。2023年秋に同店がミシュランの二つ星を獲得してからは、初めてのことでした。おつまみ5〜6品から始まり、クオリティの高い寿司を楽しめる店で、価格はワインのペアリング付きで一人700ドル(約10万円※)と、高級店です。
※1ドル=約148円で換算(2024年3月15日現在)
しかしザラゴザさんが、この食事に不満を感じたのは、ペアリングされたワインの組み合わせにまとまりがなく、ときには”ぎこちないタイミング“で提供されたこと。それに加えて、一緒に訪れた友人の中に女性が一人いたのですが、「彼女は量が少な目になる」と言われたことだと明かしたのです。
一般的に、男性に比べると女性の食べる量は少なめ。寿司店では、全てのおまかせメニューを食べきれるように、「シャリを少なめにしてほしい」と寿司職人に頼む客もいます。
そのため、同店でもそのような意図でこの客に配慮して行ったようですが、この女性は「そんなことは望んでいなかった」というのです。
米国は、日本以上に性別による差別に敏感な国。「女性だから」という見た目の理由だけで、食事の量を変えることは差別と受け取られかねないのでしょう。
また、食事の最後で、友人の一人が最後の一貫はいらないので、ザラゴザにあげてほしいと頼んだそう。しかし、ザラゴザさんがその1貫に手を伸ばす前に、寿司職人がその握りを取って目の前のごみ箱に捨ててしまったというのです。「寿司を長いこと放置すると傷んでしまう」というのが寿司職人の理由でしたが、ザラゴザさんとその友人たちは、「目の前で食べ物をひったくられて捨てられるのを見るのは衝撃だった」と話し、「もうこの店を訪れる価値はない」と語ったのです。
「同じ700ドルを払っているのに、女性だから小さくなるの?」「女性だから小さくなると言われたら、私も怒る」「信じられないほどアンプロフェッショナルで差別的」などと、この投稿には共感するコメントが多く寄せられています。
文化や価値観の違いによって起きる、今回のようなこの反応。もしかしたら、私たちが海外旅行で訪れた先で、知らないうちに現地の人にとって失礼な行いをしてしまうことだってあり得るかもしれません。もし海外を訪れるのなら、そんな違いについてあらかじめ学んでおいたほうが良いかもしれないですね。
【主な参考記事】
New York Post. Michelin-starred sushi restaurant accused of giving women ‘smaller portions’ by NYC influencer: ‘We won’t be back’. March 13 2024