「憧れのリゾートに行く」「海外アーティストのコンサートに行く」など、人生の「やりたいことリスト」は、人それぞれあるでしょう。先日、ハワイに住む92歳の男性が「やりたいことリスト」の最後の項目を達成しましたが、この男性が人生の最後に成し遂げたかったのは、少し意外なことでした。
ハワイのカウアイ島に住むスタンリー・オオシマさんは先日、地元のカウアイ高校の卒業式に、卒業生の一人として参加しました。そう、スタンリーさんの「やりたいことリスト」の最後にあったのは、高校を卒業することだったのです。
スタンリーさんは1932年生まれ。若かったころ、いったんは高校に進学しましたが、家族を養うために高校を中退して入隊。朝鮮戦争が始まると前線に赴いたため、高校を卒業しないままだったのです。
戦争から戻ったスタンリーさんは、受け取った兵役手当を、大学進学を目指す弟に渡したそう。国のため、そして家族のために、自分の青春時代を捧げてきたスタンリーさん。「いつか高校を卒業したい」という思いを持ち続けていたのでしょう。
カウアイ高校の卒業式では、校長が「スタンレーさんの生涯は、家族やカウアイ島、それ以外の地域へのゆるぎない献身です。彼の並外れた歴史だけでなく、彼の大きな貢献と不屈の精神を称えます」と述べ、カウアイ高校の名誉卒業生であると賛辞を贈りました。
赤いガウンを身にまとい、角帽をかぶったスタンリーさんは、家族に見守られるなか、校長から卒業証書を受け取りました。年齢にこだわらず、夢を実現するスタンリーさんの勇気とチャレンジ精神に、心から敬意を表したいですね。
【主な参考記事】
Khon2. 92-year-old Kauai man fulfills last bucket list wish: graduate high school. May 27 2024
Hawaii News Now. He dropped out to put family and country first. But at 92, he finally got his diploma. May 28 2024