生き物の中には、天気の変化をいち早く察知している物がいると考えられています。その一つが、海に生息するサメ。ハリケーンが来る前に、決まってある行動を起こす可能性が指摘されているのです。
2008年に発生したハリケーン「アイク」。ハイチやキューバ、メキシコ湾に被害をもたらしながら、米国のテキサス州の港湾都市・ガルベストンにも上陸。およそ100万人の市民が避難する事態となり、市街は大きな被害を受けました。
このハリケーンの前兆にいち早く気づいていたのが、地元の漁船の船長であるマイク・ウィリアムズさんです。彼は、ふだん漁場としている海に多くのサメが集団で集まっていることに気づいて、漁業関係者に「ハリケーンが来ると思う」と警告したのです。しかし当時、彼の声は周囲に無視されてしまいました。
米国海洋大気庁(NOAA)の漁業管理の専門家であるトビー・カーティスさんは、「彼らはマイクさんの声に耳を傾けるべきだったようだ」と語っています。
NOAAでは、「パーフェクトストーム」という歴史的な嵐があった1991年、マイクロリーダーを取り付けたサメについて確認すると、パーフェクトストームが起きる前に変化があったことを見つけています。
また、2017年にフロリダにハリケーン「イルマ」が襲来したときも、サメの行動に変化が起き、深海へと退避していたというのです。
別の海洋生物学者でも「バハマ諸島のイタチザメは、嵐が近づくと深海へ移動している」と話している人もいて、どうやらハリケーンが近づくとサメが深海に移動するのは共通することのようです。
【主な参考記事】
New York Post. Sharks can forecast hurricanes weeks ahead, experts suggest — here’s how. May 31 2024