100円ショップのLEDランタンは、今どきは結構な光量があり、ちょっとしたブツ撮り(商品撮影)用にも応用できる。またLEDランタンを固定するにはバナナスタンドが最適だ。そんな100円ショップで入手できる7種類のアイテムを使って、スマホカメラによる本格的なブツ撮りに挑戦してみよう。
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実用的な光量のLEDランタンが登場
高価な専用機材を使わず、100均グッズなど比較的安価な日用品を活用してブツ撮りを行うというアイデアは、いまや特別なことではない。「100均 撮影」といった言葉で検索すれば、撮影ブースやレフ板、背景紙などの代わりになるグッズの紹介記事はたくさん見つかるだろう。
ただし照明用のライトについては、これまでは100均にあまりいいものがなく、別途ストロボや電気スタンドを用意したり、窓からの外光を利用したりする必要があった。100均のLEDライトでは、光量的にも照射角的にも力不足。ミニカーくらいの小さなものしか撮影できないというジレンマがあった。
だが100均の商品は日々進化し続けている。私自身、熱心な100均ウオッチャーというわけではないが、たまに訪れると以前はなかったような新発想の商品や、性能が大きく改良された商品に出会って驚くことがある。そのひとつが今回のイチ押しである「2WAYランタン大型ランプ付(12+1LED)」(ダイソー)だ。
100均で買える一般的なLEDランタンといえば、従来品の多くは内蔵LEDの数が1~4個程度だったが、本製品はその3倍にあたる12個を内蔵。明るさは130ルーメン。従来品がインテリア用だとすれば、こちらはベッドサイドでの読書や夜のキャンプなどに役立つくらいの実用的な光量である。
もちろん、撮影用というのは本来の使い方ではなく、ブツ撮りに十分な光量や光質とまではいえないが、工夫をすればギリギリ使えるくらいの光は確保できる。安価なので2、3個まとめて購入し、並べて照射するのもいいだろう。しかもこのLEDランタンは、スティック型LEDライトのようなスポット光ではなく、比較的広範囲を照らす拡散光なので光にムラが生じにくいというメリットもある。
照明の固定方法と光の拡散がカギ
このLEDランタンはそのままでも自立するが、さらに高さを上げるには「バナナスタンド」が役立つ。また、LEDの光を拡散するためには「PPシート」を、PPシートを立てて固定するためには「キッチンペーパーホルダー」をそれぞれ使うといいだろう。バック紙については「模造紙」や「画用紙」などできるだけ大きな紙を用意しよう。
そして最後に、スマホを固定するための「スマホ用三脚」を用意。自撮り棒は従来の用途ではなく、LEDライトを高い位置に掲げるために使用する。
商品を魅力的に見せるランタン照明のコツ
では、実際に撮影をしてみよう。まずは部屋の壁面などを利用し、模造紙が緩やかなカーブを描くような状態でテープを使って固定する。今回はリビングの壁と床を利用したが、適度な広さがあればテーブルや机の上でも構わない。
照明となるLEDランタンは、撮影商品の大きさに応じて以下の3種類の設置方法がある。
次にバック紙の上に撮影商品を置き、カメラアングルを決める。この時点では照明(ライティング)のことは特に気にせず、被写体の見栄えが最もよくなるカメラの向きと高さを探ること。アングルが決まったら、そこにカメラを固定し、続いてLEDランタンを配置していく。
【撮影例1】全体的に明るく写したい
ここからは3つの例を挙げながら、具体的な撮影方法を紹介しよう。なお今回の撮影には、すべてiPhone 7 Plusの望遠カメラを使用した。
まずは基本となる、全体を明るく写す方法から。1か所からの光だけでは暗い部分ができてしまうので工夫が必要だ。
このように被写体の後ろと前の2ヶ所からLEDランタンを照射することで、より立体的で明るい仕上がりにすることができる。しかも、照明なしの状態では感度が自動的にISO500までアップしたため高感度ノイズが目立つが、2灯を加えた完成カットはISO32となり、ノイズはほとんど気にならない。
【撮影例2】透明感やツヤ感を出したい
続いての商品の撮影例も見てみよう。ガラス細工や小物などは透明感を出したいが、スマホ+室内光ではなかなか厳しい。
【撮影例3】鮮やか、かつ立体的に写したい
最後は立体感を出したい場合の撮影について。そのままでは平坦な印象になってしまいがちだが、上からの光をうまく使うことで解決する。
同じ商品でも、光の当て方次第で見栄えが大きく変わることが伝わっただろうか。しかも、カメラはスマホであり、照明と背景にかかったお金は1000円以下とリーズナブルである。