9月1日は防災の日。東日本大震災以降、世間的に防災意識は高まっています。その一方で、何も対策していないという人もまだまだ多いでしょう。ここでは防災のプロに、地震への正しい備え方や、ホムセンでの防災グッズの選び方を教えてもらいました。
【教えてくれた人】
防災のプロ・国崎信江さん
危機管理教育研究所代表。危機管理アドバイザー。国や自治体の防災関連の委員を務めるか、被災地での支援活動も行っています。
持ち出し品よりも在宅避難を想定した備えのほうが重要
日本は近い将来、南海トラフ地震などの巨大地震に見舞われるといいます。これを受け、各自治体などでは防災意識を高める取り組みがなされていますが、ホームセンターでも近年防災用品が充実しています。そこで、防災に詳しい危機管理教育研究所の国崎さんに、防災用品購入時のポイントを聞きました。
「これまで地震対策といえば、すぐに避難するための非常持ち出し袋の用意が通説でした。しかしいまは違います。特に都心部では避難所は人で溢れるし、帰宅困難者を助長させる。建物の耐震化も進んでいるため、在宅避難となる場合が多いでしょう。つまり、被災時に必要なのは“自宅で不便なく過ごすための準備”です。そこでオススメなのが“おうちDEキャンプ(本稿2ページ目を参照)”。簡単に言うと、被災生活の疑似体験です。この体験で、家にあって利用できるもの、必要なのに家にないものが明確になるので、足りないものを無駄なく揃えられます」(国崎さん)
ところで地震のような非常事態では、命の危険があるなかで物理的にも心理的にも大きな荷物を背負って避難するのは困難。まずは本当に持ち出す価値があるか、を考えるべきだと国崎さんは言います。
「皆さんの家に“2万円の非常持ち出し袋”と“普段使いのカバン”があって、ひとつしか持っていけないとしたらどちらがいいですか? この質問に、8割以上の方は普段使いのカバンと答えます。それは携帯電話、現金、免許証、社員証など、日ごろ自分にとって必要なものが入っているから。であれば、普段から愛用しているカバンに必要最小限の応急手当用品や携帯トイレなどを入れておくのも一案ですね」(国崎さん)
いざというときに困らないために!意外と大事な防災グッズ
食料や水は誰もが気にしますが、もし「ケガをしたら」「寒さが厳しかったら」どうするか。様々な状況を想定して備えましょう。
[栄養補給飲料]
「トイレが不便になる非常時は、利尿作用の低いゼリー飲料がオススメです。また栄養が不足しがちなので、水以外にも野菜ジュースや果物ジュースなども用意しておきましょう」(国崎さん)
カインズ
ドリンクゼリー エネルギー補給
180g×30個
2880円
疲労を感じたときなどにエネルギー補給ができるマスカット味のゼリー飲料。11種類のマルチビタミンを配合したグレープフルーツ味もあります。セット販売がおトクです。
[防寒グッズ]
「雨や寒さ対策として、軽くてコンパクトな羽織りものが1枚あると良いでしょう。テーマパークで水濡れ防止のために配られる、ビニール製のミニポンチョなども便利です」(国崎さん)
カインズ
オカザキ 金銀2wayレスキューシート(左)/レスキューシート(右)
198円(左)/148円(右)
気温の変化や雨風から守る保温断熱シート。折りたたんでコンパクトに収納でき、レジャー用品としても活用できます。金銀2wayレスキューシートは寒冷時にも炎天下にも対応。
[応急手当用品]
「震災時は転倒などでケガをするかもしれません。出血や骨折に備え、応急手当用品はなにより大事ですね。子どもや高齢者なら簡単に使える止血パッドやエアギブスが良いでしょう」(国崎さん)
カインズ
玉川衛材 救急セット BOXタイプ
980円
消毒液、衛生ウェットナップ、絆創膏、傷あてパット、綿棒、ホームガーゼ、ホームコットンがまとまったボックス。コンパクトな軽量タイプで持ち運びにも便利です。
[衛生用品]
「水を使って歯を磨けないときは洗口液が役立ちます。歯のほかにもトイレやお風呂などの衛生用品は、非常時用のアイテムを揃えておくと身体の不快感を軽減できるでしょう」(国崎さん)
DCMホールディングス
マウスウォッシュF フレッシュミント 1000㎖
429円
口腔内を清潔に保つマウスウォッシュ。爽やかなフレッシュミント味でスッキリ感が得られる。歯にやさしい天然甘味料・キシリトールを配合し、口臭予防にも役立ちます。