新日本プロレスの石井智宏選手といえば、100kgの巨体を生かしたパワーファイトが身上! 自身のブログ「石井智宏日記」ではたびたび手作り料理を披露するなど、意外にも料理上手のレスラーとして知られています。本連載は、そんな石井選手に「レスラーメシ」とも呼ぶべき、得意な料理を教えてもらおうという企画。連載第1回目に公開した「豚とキャベツ炒めと特製タレ」のレシピは、豪快かつシンプルで調理スタイル、そしてパンチのある香味ソースの味わいに唸らされました。
石井選手は「栄養なんて考えず、食べたい気分に合わせて作るだけ」と語るものの、実は、その料理の栄養バランスの良さは栄養士も納得のレベル。連載第2回となる今回も、おいしくて身体が元気になる魅力的なレシピを教えてくれました!
夏でもガンガン食べられる筋肉にいい料理が登場!
今回教えてもらう料理は「鶏むね肉のピリ辛バンバンジーとスタミナスープ」。バンバンジーといえば、ゴマダレでさっぱり食べるイメージですが、もちろん石井選手がそんなありふれた味で満足するわけはありません。しかも、今回は肉旨みが溶け出たゆで汁で作る「スタミナスープ」付き。ほとんど手をかけることなく、あっという間に2品ができあがります。
【プロフィール】
石井智宏(いしい・ともひろ)
神奈川県川崎市出身。170cm、100kg。WAR、FECを経て、02年長州力に弟子入り。03年には長州が旗揚げしたWJプロレスの「ヤングマグマトーナメント」で優勝。06年より新日本プロレスのシリーズに全戦参加し、09年には中邑真輔、矢野 通が立ち上げた新軍団CHAOSに加入した。2015年10月、両国国技館大会で真壁刀義の持つNEVER無差別級王座に挑戦し、最後は垂直落下式ブレーン・バスターで勝利。第9代NEVER無差別級王者となった。
今回のレスラー飯はコチラ!
「鶏むね肉のピリ辛バンバンジーとスタミナスープ」
★材料(一人前)
・鶏むね肉:200g
・玉ねぎ:半個
・長ネギ:緑の部分2本
・にんにく:2個
・しょうゆ:大さじ1
・みりん:大さじ1
・砂糖:大さじ1/2
・ラー油:2プッシュ
・一味唐辛子:適量
・豆板醤:適量
・白髪ネギ:飾り用
(以下、スタミナスープ)
・中華だし(顆粒):適当
・卵:2個
作り方
①半分に切ったにんにくと、ザク切りにした玉ねぎ、長ネギの青い部分を入れ、鍋でお湯を沸かす。沸騰したら鶏むね肉を丸ごと投入
にんにく以外の具材は最終的に取り出すため、あまり細かく刻みすぎないように注意。長ネギは、青い部分を切らずにそのまま鍋に放り込むと良いでしょう。
②肉に火を通す間にしょうゆ、みりん、砂糖、ラー油をボウルに入れて混ぜ、タレを作る
ラー油が入っているので少しピリッとしますが、さらに刺激を求めるなら一味唐辛子と豆板醤を追加しましょう。今回は豆板醤小さじ1と一味唐辛子を適量入れましたが、石井選手以外にとってはかなりの辛さでした。豆板醤は少しずついれて様子を見るのがよさそう。辛すぎる場合は砂糖やみりんである程度の調整が可能です。
③鍋のなかで鶏むね肉の皮を取り除き、割いて切り分ける
フォークを使って鍋のなかで皮を取り除き、身を割くのがポイント。パサつきやすい鶏むね肉がスープを吸い、しっとりとした食感になります。
④割いた鶏むね肉を盛り付けてタレをかければバンバンジーが完成!
鶏むね肉と玉ねぎを盛り付け、白髪ねぎをのせます。特製タレを回しかければバンバンジーの出来上がり!
⑤ザルでスープを濾し、にんにくだけスープに戻す
長ネギの緑の部分は捨ててOK。鶏とにんにくの旨みが溶け込んだ残り汁を使います。
⑥スープに中華ダシと溶き卵を入れてスープも完成
バンバンジーの残り汁に中華ダシと溶き卵を入れれば「スタミナスープ」が完成。一気に2品できる手軽さが魅力です。
【STONE PIT BULL 石井選手のひとこと】
男ならドンと辛くしてガンガン食っとけ!
「この料理は豆板醤と一味をいれて、ガッツリ辛くして食べるのがオレ流だね。今回は玉ねぎをいれたけど、キャベツなんかを入れてもイケる。鶏むね肉はなんといってもプロテインが豊富だから、俺みたいに筋肉をつけたいヤツはガンガン食っとけ!」
【ライター・倉本から一言】
鶏むね肉は筋肉を作るのに重要なンパク質が豊富。そのほか見逃せないのが、ビタミンの一種であるナイアシンとビタミンB6の存在です。ナイアシンとビタミンB6はタンパク質の代謝に有効で、筋肉を作る補助もしてくれるのです。そのうえ、今回の料理は高カロリーな鶏皮を取り除いているため、かなりの低カロリー。ダイエット中の人にもオススメのレシピなんです。
また、今回スープに使用したにんにくには、疲労回復効果があるアリシンが含まれています。アリシンの疲労回復効果は即効性が高く、比較的持続しにくい性質です。一方、バンバンジーに使用した鶏むね肉には、アミノ酸の結合体、イミダペプチドが含まれており、こちらを摂取すると、比較的長い時間疲労回復効果が見込めます。つまり、この料理はアリシン、イミダペプチド両方の食材を摂れるため、短期的な面でも、長期的な面でも疲労回復効果が期待できるということ。夏バテで疲れやすい夏には、ぴったりの料理なのです!
さらに、豆板醤、一味のピリ辛の刺激は、食欲増進に効果的。冷たいものばかり食べて内臓に負担がかかりやすい夏、温かいスープで胃をいたわれるのもうれしいですね!
撮影/石上 彰(gami写真事務所)