アップルの「Game Porting Tool」が大進化! WindowsゲームがMacで快適に動く

ink_pen 2023/7/6
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アップルの「Game Porting Tool」が大進化! WindowsゲームがMacで快適に動く
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

アップルは6月の世界開発者会議WWDCで、開発者がほとんど手間をかけずにWindows用ゲームをMacに移植できる「Game Porting Tool」を発表していました。このツールはまだベータ版ですが、先週に初めてアップデートが配信され、『エルデンリング』や『サイバーパンク2077』などの人気タイトルがMac上で快適に動くようになりました。

↑Macでプレイ

 

本来、Game Porting Toolは開発者向けですが、Mac上でWindowsゲームを動かすためだけにも使うことができます。それが最新のアップデート(ベータ版1.02)により、さらなる進化を遂げました。

 

YouTuberのAndrew Tsai氏は最新版でいくつかのテストを行い、ほとんどのゲームが以前より高いフレームレートで動いていると述べています。

 

まず、M1 Maxチップを搭載したMacで『エルデンリング』を実行したところ、以前の26fps(fps=1秒間に表示されるフレーム数)から32fpsに向上。また、M2 Ultra搭載Macで『サイバーパンク2077』を実行した場合、平均8fpsから18fpsに改善しています。

 

興味深いのは、最上位のはずのM1 Ultra/M2 Ultraチップがいまひとつ性能が出ていないことでしょう。これはUltraチップがUltraFusion技術で2つのMaxチップを1つにつないでいるため、まだGame Porting Toolが対応し切れていないのかもしれません。

 

実際、M1 Max搭載Macでは『サイバーパンク2077』は40fpsで動作し、Ultraチップより速度が出ています。さらに『Horizon Zero Dawn』や『バイオハザード2』など、以前は対応していなかったゲームも最新版では問題なく動いています。

 

もう一つ興味深いのは、Game Porting Toolの新バージョンが古い32ビットソフトウェアに対応したこと。もっとも、今のところパフォーマンスはかなり悪いようです。

 

このツールは開発者向けではありますが、アップルの開発者向けサイトでApple IDさえあれば入手できるため、誰もがMac上で試すことができます。とはいえ、その前に最新のmacOS Sonomaベータ版が動くAppleシリコン(独自開発チップ)搭載のMacを用意する必要があります。

 

このGame Porting Toolを試した場合、Macに何かが起こっても、完全に自己責任となります。それを承知したうえであれば、ゲーミングPCを買わずにMacだけでWindowsゲームを楽しむ手段の1つとなりそうです。

 

Source:Andrew Tsai(YouTube) 
via:9to5Mac

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