米国の大手小売店のウォルマートは、たいてい倉庫や工場のような巨大な店舗を構え、併設された駐車場もとにかく広大。そんな同店の駐車場で「歩いても疲れない理由」がわかりました。
世界最大の小売企業の一つといわれるウォルマート。本社を置く米国をはじめ、世界19か国に1万店以上の店舗を展開しています。典型的な店舗の広さは、サッカー場12個分以上。駐車場はその3倍の大きさになるといい、端から端まで歩くと、2000歩(徒歩で20分程度)かかることもあるのだとか。
そんな広大な駐車場では、利用客から「店まで遠すぎる」と不満の声が聞こえそうですが、そのような文句はあまり生まれていないようです。
その理由について、都市計画の専門家は「科学的に基づいて設計されているからだ」と指摘。ポイントは主に二つあると言います。
一つ目は、利用客が駐車場のどこにいても店舗の場所を目視で確認できることです。例えば、レストランにクルマで出かけて、店から少し離れた場所に駐車した場合、駐車場から店までの距離がかなり長く感じられるかもしれません。それは、建物や街路樹などが視界を遮って駐車場から店を目視できないから。
しかし、ウォルマートの駐車場では、遠く離れた地点であっても、駐車場のどの位置からでも店舗を確認できるため、「まだ到着しない」という不安やストレスを感じる必要がありません。
二つ目のポイントは、店舗や駐車場の周りにある建物や看板をあえて大きくしていること。それによって、駐車場を「それほど大きくない」と錯覚させる効果が期待できるのでしょう。
この専門家は「きっと利用客は、レジで買い物を済ませてクルマに戻ったら、もう何も考えないでしょう」と話しています。ウォルマートが世界的な大企業に成長しているのは、ただ大きいだけではない、確かな理由があるのかもしれません。
【主な参考記事】
Daily Mail. The science behind why walking through Walmart’s giant parking lots doesn’t feel like a marathon. November 20 2024