近年、デジタル一眼カメラやスマホカメラの高画質化・高性能化が進む一方で、独特なプリントの風合いが楽しめると「インスタントカメラ」が若者の間で話題になっています。なかでも富士フイルムが展開するinstax“チェキ”シリーズの人気は高く、使ったことはなくてもその名を聞いたことがあるという人は多いでしょう。先日、そのチェキシリーズの最新モデルとして、“ハイブリッドインスタントカメラ”を標榜する最新モデル「 instax SQUARE SQ 10」が発表されました。本稿では、SQ10に込められた、大きな2つの改革についてご紹介します。
画像を確認・加工してからプリントできる
SQ10の最大の特徴は、“ハイブリッドインスタントカメラ”というキャッチコピーからもわかるとおり、instaxシリーズで初めてデジタルイメージセンサーを搭載している点。
これが何を意味するかというと、撮影後に好きな写真を“選んで”プリントできる、ということです。これまでチェキは失敗すればフィルムを無駄にしてしまう、という一発勝負的な緊張感がありましたが、本機であれば気軽に、いろいろな構図を試しながらシャッターを切ることができます。
また、撮影後に多彩な画像編集・加工が行えるのも、デジタル技術を搭載した本機ならではの魅力。作品をつくりこんでいくことで、よりフォトジェニックな写真表現が可能になりました。編集・加工した作品は内臓メモリ(約50枚まで)やmicroSDカードに保存可能なので、あとからプリントしたり、同じ写真を複数回プリントしたりすることもできます。
そのほか、デジタルイメージセンサーを搭載したことで、自動露出調整や人物検出、オートフォーカスといった新機能に対応。これまでのインスタントカメラではうまく撮るのが難しかった室内などの暗い場所や逆光下、10cmまでの近距離撮影でも簡単に撮影できます。
久々の新フィルム「スクエアフォーマット」への情熱
本製品のもう1つの大きな特徴が、画面サイズ62mm×62mmの「instax SQUARE Film」(参考価格 1350円/10枚入り)を採用している点。近年ではインスタグラムなどのSNSでなじみのあるスクエアフォーマットですが、同社によれば約90年前から写真愛好家に支持されてきたものなのだそう。
1対1の画角なので、インスタグラムなどのSNSとの相性もよさそうですが、惜しくもWi-fi機能は非搭載。しかし、前述のとおり、本機はmicroSDカードスロットを備えているため、スマホと画像をやりとりすること自体は可能です。
今後の拡張性にも期待大
発表会の会場では関連アクセサリーも何点か展示されていました。そのなかからいくつかご紹介しましょう。
そのほか、プリント後の楽しみを広げるアイテムも用意されています。
こうした撮影後、プリント後までトータルで楽しめるのがインスタントカメラの大きな魅力。プリントした作品の活用法をあれこれ考えるのも楽しいものです。
SQ10は、「その場でプリントできる」というインスタントカメラの手軽さと、「構図選択や編集・加工によって作品をつくりこめる」というデジタルカメラの機能性を兼ね備えた、まさに“ハイブリッド”なカメラだと感じました。従来のチェキシリーズとはまた違った使い方ができるという意味では、同シリーズ最新モデルでありながら新ジャンルのカメラといえるのではないでしょうか? どういった楽しみ方ができるのか、今後も注目していきたいですね。