シュアから人気のイヤホン「SEシリーズ」との組み合わせに最適な、MMCXコネクタ採用の高音質DACアンプ内蔵Bluetoothリケーブル「RMCE-BT2」が10月26日に発売されます。価格はオープンですが、想定売価は1万8800円前後になります。
シュアは2017年の秋に初めてのBluetoothリケーブル「RMCE-BT1」を発売していますが、今回の新製品はそのアップグレード版となる第2弾です。発売に先駆けて、シュア・ジャパンがプレスに向けた発表会を開催しました。
最大の違いはブラッシュアップされた「音質」。一般的なBluetoothイヤホンが搭載するワイヤレスオーディオのチップセットは通信系とDAC/アンプが一体成形となっていますが、RMCE-BT2の場合は敢えてDACから送り出される信号を、チップセットの外側に配置した自社設計のプレミアム・ヘッドホンアンプに入力する設計としています。これによって「ふつうの有線イヤホンと変わらないぐらい、安定してSEシリーズのパフォーマンスを引き出せる」と、米国のShure本社から来日したプロダクトマネジメント・シニアマネージャーのショーン・サリバン氏が語っています。
先行発売されているシュアのBluetoothリケーブル「RMCE-BT1」は、どちらかといえばワイヤレスリスニングの利便性に着目した製品です。シュアSEシリーズの中でも入門クラスの「SE215」や「SE112」との組み合わせが推奨されていましたが、新製品のRMCE-BT2では「SE846やSE535に代表される、シュアのハイエンドクラスのイヤホンを組み合わせた場合でも、それぞれの音楽再生のパフォーマンスをフルに引き出しつつ、ワイヤレス再生の利便性を両立させた快適な使いこなしができる」と、製品開発に携わるシニア プロダクト スペシャリスト リスニングプロダクトマネージャーのトーマス・バンクス氏が太鼓判を押しています。
「ワイヤレスイヤホンの音質を決定付ける7つのファクターがあります」と、発表会のステージに立ったサリバン氏が、RMCE-BT2が内蔵する自社設計のプレミアム・ヘッドホンアンプの重要性について説明を切り出しました。
「音源の録音品質、プレーヤー機器、音源の解像感を引き出すBluetoothのオーディオコーデックやDACの性能、アンテナの配置と電源供給の方法、そしてイヤホンの装着感など、快適なリスニング感を担保するためにはこれらの要素が計算されたうえで一体になっていることが大事です。そして最も大切な7番目の高音質化のファクターがヘッドホンアンプなのです」(サリバン氏)
快適なワイヤレスリスニングを実現する環境が整えば、自動車で言うところのスムーズなドライビングに相当する心地よさが得られるとサリバン氏が持論を語ります。BT1では既成のBlutoothオーディオチップに一体化されていたDACとアンプを使用していましたが、今回の新製品ではコストを度外視して“いい音”を追求した結果、「私たちも大いに満足できる製品を皆様にお届けすることができます」とサリバン氏、バンクス氏は口を揃えて期待感を述べていました。
RMCE-BT1はBluetoothのオーディオコーデックがベーシックなSBCにのみ対応していました。新製品のRMCE-BT2は一気に対応コーデックを拡充して、aptX HDによるハイレゾ相当の音質でのワイヤレス再生や、モバイルゲーミングに動画再生のレイテンシを解消する低遅延コーデックのaptX LL、そしてaptX/AAC/SBCをサポートしました。なおHSP/HFPプロファイル対応なので、ケーブルのインラインに設けるマイク内蔵リモコンユニットを活用したハンズフリー通話も可能です。
装着してみると、バッテリーと電気系を格納するボックスが少し大きめなように感じました。サリバン氏に伝えると「背面にクリップを設けているので、シャツの胸元などに固定することで装着時の重さによる負担は軽減できます」とアドバイスをもらうことができました。なお内蔵バッテリーの容量は200mAhで、最大約10時間の連続音楽再生に対応しています。充電に使うケーブルはマイクロUSBです。