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2019/6/6 19:30

旭化成の最新DAC「AK4499EQ」を2基搭載! Astell&KernのハイエンドDAPの切り札「SP2000」

Astell&KernはフラッグシップラインA&ultimaの最新モデル「SP2000」を国内発表しました。渋いシルバーのStainless steelは7月発売予定で、赤銅色のCopperは8月発売予定、オープン価格で直販価格は47万9980円を予定しています。

↑Stainless steel(左)とCopper(右)の2モデル

 

さらに A&ultima「SP1000」専用のアンプ「SP1000 AMP」(直販価格10万9980円)とヘッドホンメーカーのbeyerdynamicとのコラボしたインナーイヤー型イヤフォンの最新作「AK T9iE」(今夏発売予定、価格未定)を発表しました。

 

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ソリッドな質感のボディは重さ400g超でズシリと重かった

ハイエンドDAPは余計な振動の影響を避けるため金属製ボディが定番です。同社のSP1000はStainless steelが約386.6g、Copperで約387.9gと重量級でしたが、今回のSP2000では400gを超えました。Stainless steelが約410.8g、Copperで約432.4gとさらに重くなっています。SP1000の背面はドライカーボンでしたが、SP2000はほぼ金属に覆われています。

↑左がStainless steel、右がCopperモデル。分散する光をテーマにデザインされた

 

【ディティール(外部配信先からご覧の方は、本サイトで見られます)】

 

↑Stainless steelとCopperには、それぞれ異なるメーカーの革製カバーが付属する

 

心臓部となるデジタル信号をアナログ信号に変換するDACには、旭化成エレクトロニクスの最新モデル「AK4499EQ」を左右独立で2基搭載しています。これによりノイズの少なさを現すS/Nはバランス接続時125dB、アンバランス接続時124dBを実現しました。DACのために回路基板も全面的に見直され新設計されました。新型DACによりSP2000は、低音の解像度、空間の再現性などが向上しています。

↑左がSP1000の基板とDAC、右がSP2000のDACと基板

 

↑SP1000と比較して出力、S/Nなどが向上している

 

Stainless steelとCopperで音の違いはあるのか?

SP1000ではStainless steelとCopperでかなり音色に違いがあり、Stainless steelは響きが抑えられたタイトでキレ味の鋭い音、Copperは響きが豊かでなめらかな音という印象でした。SP2000も同じような傾向だろうと思ったのですが、その差は意外に少なくなったように感じました。特に、Stainless steelはSP1000と比較すると高域のエッジがなめらかになり、低域は量感があって解像度が高く、全体のバランスはフラットに近づいていると感じました。

 

これに対してSP2000のCopperは、わずかに響きが増して、女性ボーカルをよりなめらかに聞かせてくれました。どちらを選らんでもオールマイティに使える音色です。より解像度を追求するならStainless steel、アコーステックな楽器やボーカルが好きな人にはCopperがお勧めです。

↑発表会ではアンプとバランス接続してスピーカーを鳴らすデモもおこなわれた

 

ポータブルオーディオ用に特化した「AK T9iE」

「AK T9iE」は「T8iE MkII」のアップデートモデル。ドライバーにはbeyerdynamicのお家芸であるテスラテクノロジーが採用されています。新たに「アコースティックベントポート」と呼ばれる穴を開けることで、低域の反応を上げてキレのいい音を追求します。さらに異物の侵入を防ぐ金網状のアコーステックフィルターを新設計して、高域をなめらかにしているそうです。

↑デザインも一新され、より小型で高級感あふれるものになった

 

ケーブルには7N OCCという純度の高い銅線と4N純銀をコーティングしたハイブリッド構造のより線を採用しました。先端はバランス対応のφ2.5mm4pin端子ですが、φ3.5mmが使える変換ケーブルが付属します。

↑透明なシースからシルバーとカッパーのより線が透けて見えるケーブル

 

↑ケーブルは2.5mm/4極のバランス接続用で、3.5mmステレオミニへの変換ケーブルが付属する

 

SP1000をパワーアップする専用アンプ「SP1000 AMP」

SP1000の出力はバランスで3.9Vms、アンバランスで2.2VmsとSP2000と比較すると、やや見劣りがしますが、これをパワーアップするための専用アンプモジュールが登場します。専用工具不要でSP1000と一体化して、内蔵バッテリーは本体と共に充電され、操作は本体のボリュームが使えるためアンプの存在を意識せずに音楽を楽しめます。出力はハイゲインでバランス10Vms、アンバランス6.2VmsとSP2000を上回るスペックを実現しています。

↑SP1000のバージョンに合わせて、Stainless steel、Onyx Black、Copperの3種類がある

 

【ディティール(外部配信先からご覧の方は、本サイトで見られます)】

 

本来はパワーが必要とされるヘッドフォンなどで真価を発揮するアンプですが、普段使っているイヤフォンでも、その音の差は歴然でした。中低域の厚みがグーッと増して音の重心が下がったきます。細かい音の響きが、少し華やかになって音楽全体の躍動感が増したような感じです。ドライブ能力だけでなく音色も変化するので、SP1000ユーザーは機会があれば、ぜひ試聴してみてください。

 

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