ちょうど1年前、筆者(AV担当:一條)は、東芝4Kレグザ「50M520X」を購入しました。M520Xは他社に先駆けて発売された、国内初のBS/CS 4Kチューナー内蔵テレビ。2018年12月1日から始まった「新4K衛星放送」を手軽に楽しめることで話題になったモデルです。
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M520Xの画質や性能にはまったく不満がなく、日々の4Kテレビライフを謳歌。趣味の洗濯の合間や、編集長の無茶ぶりで自宅に仕事を持ち帰って企画を考えるときも、M520Xは筆者とともにありました。しかし、実は心のなかにひとつだけ、どうしても気になる、いや、1点だけだけ満足できないことが。
それは、M520Xにはレグザならではの録画機能「タイムシフトマシン」がないこと!
地デジ6ch分をまるごと自動録画してくれるタイムシフトマシンは、ひとむかし前は同社のレコーダーのハイエンドモデルにしか搭載されていなかったのですが、近年では同社の4Kテレビのハイエンドモデルにも搭載されるようになってきました。しかし、残念ながら筆者が導入したM520Xはエントリーモデルゆえにタイムシフトマシンが搭載されておらず、日々テレビの番組表を見ながらポチポチと見たい番組を録画予約するのが日課に。
しかし、あるときテレビの前で録画予約をしながらこう思ったのです。「令和になってまで毎日毎日テレビとにらめっこしながら録画予約したくない! このムダな時間をほかのことに使いたい!」と。そこでテレビを買い換えることを決断。1年使ったM520Xを家族に譲り渡し、タイムシフトマシン機能を搭載した東芝4K有機ELテレビ「55X920」を購入したのです。
前置きが長くなりましたが今回は、このX920のタイムシフトマシン機能についてレポートをお届けしたいと思います。
※初出時に型番を「55X930」としていましたが、正しくは「55X920」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
タイムシフトマシンとは?
まずはタイムシフトマシンについて簡単に説明しましょう。タイムシフトマシン機能を搭載したレグザには、通常の視聴や録画用とは別に、6ch分のチューナーが内蔵されており、テレビに接続したUSB HDDに地デジ放送最大6ch分を自動的に録画することができます。
タイムシフトマシンのすごい点は、①最大6ch分の地デジ放送を、②最大24時間、③自動的に録画してくれるところ。予約の手間もなく、主要な放送局の番組を、その気になれば24時間まるごと録れてしまうのです。つまり、HDDの容量次第でテレビ番組を好きなだけキャッシュしておき、あたかもVOD(ビデオ・オン・デマンド)のネット動画を見るように、好きなときにテレビ番組を再生できてしまうのです!
より長く録りたいなら設定をカスタマイズすべし
X920はUSB HDD接続用のUSBポートが3つあり、1つはタイムシフトマシン用、2つめはタイムシフトマシンの増設用、3つめ通常録画用です。番組表から選んで録画する通常録画や、好きなタレントやジャンルを登録して自動的に録画するおまかせ録画、新4K衛星放送は通常録画用のHDDが必要になるため、X920の録画機能をフル活用するなら最低2台の外付けHDDが必要になります。
タイムシフトマシンの設定はキャプションで説明していきますので、画像をクリックして下さい。(外部配信先からご覧の方は、本サイトで見られます)
筆者はいわゆるゴールデンタイムの番組を主に視聴したかったので、「毎日PM7:00-AM1:00」を選択しました。2TBのHDDだと約7日間分録れます。もっとたくさん録りたい場合は、チャンネルを減らしたり録画時間帯を短くするか、HDDを増設するとよいでしょう。
すぐに見れなさそうな番組や、残しておきたい番組は、過去番組表上で「保存」を押して通常録画用のHDDにムーブすることも可能。タイムシフトマシンはHDDの容量いっぱいまで録画すると、過去の番組からどんどん上書きをしていくので、消したくないものはこまめに保存しておきましょう。
タイムシフトマシンで変わった私の生活
ここからはタイムシフトマシンによって具体的に筆者の生活がどのように変わって、どんな変化が起こったかを紹介していきましょう。
①急いで帰らなくなった
編集という仕事は、後ろ倒しになることはあっても、前倒しになることはない業種です。打ち合わせが長引いたり、突然会議が始まったり。そうすると、「今日は絶対に金曜ロードショーをリアルタイムで始めから見るぞ!」と思っていても、たいがい帰宅は予定より15分~20分遅れます(ひどい場合は30~40分とか)。ドラマや映画なんかの場合、冒頭の20分を見逃すとわけがわからなくなってしまうので、結局、見なくなってしまうということも。
でも、タイムシフトマシンを導入したら、そんな生活が変わりました。そのときに使う便利機能が「始めにジャンプ」。これは、リモコンのボタンを押すだけで、いつでも番組の始めから再生できる機能で、リアルタイム放送中でも使える優秀なヤツ! 例えば、見たい番組が22時からスタートするのに、仕事で遅くなってしまい22時20分に家にたどり着いた……という場合でも、「始めにジャンプ」ボタンを押すだけで番組の最初から追っかけ再生してくれます。
で、何が起きたかというと、放送時間を気にして急いで帰宅することがなくなりました。毎日仕事で追いかけ回されているのに、プライベートでも急かされるなんて嫌だ! と思っていた筆者にとって、この余裕は小さいながらも大きな意義があるもの。これだけで買って良かったと思えるレベルです。
②優雅に過去の番組表を眺めるようになった
これまで番組表とにらめっこしながら録画したい番組を毎日チェックしていました。が、そういう作業は一切なくなりました。VHSビデオ時代からはや四半世紀、筆者が番組表を見ていた時間は、1日平均3分✕365日✕25年とすると、なんと456.25時間(約19日)。人生の丸19日を番組表を見て生きてきましたが、その支配から卒業しました。
もちろん、番組表を見るというのは、書店に行って本を眺めると同じように予期せぬ出会い、セレンディピティがあるから無駄ではないけど、忙しい現代人の時間を拘束している面があるのも事実。筆者は未来の番組表ではなく、先述した「過去の番組表」を眺める機会が増えました。気になった番組はすぐチェックできるわけで、予約しておいたのに結局見ないということもなく、マッチングアプリもびっくりするほどの「確実に出会える!」環境が気に入っています。
なお、予約をしなくてもよくなったので、「あ、あの番組予約するの忘れた」と失敗することがなくなりました。また、昨今では放送後にSNSで話題になることも多いですが、「Twitterで炎上しているあの番組、録っておけばよかったな……」と、あとから後悔することもなくなりました。
それからもうひとつ、タイムシフトマシンは自動で上書き録画してくれるので、「HDDがいっぱいになってきたから、何か消さないと……これはまだ見たいし、こっちも残しておきたいし。あぁどうしよう~」と、HDDの容量をやりくりする面倒な作業が一切なくなりました。これ、本当に楽チンです。
まとめると、「過去と現在が充実することで未来が充実する」--本記事、自己啓発のコンテンツではありません。でも、レグザは単なるテレビではなく、自己を啓発してくれるほどの実力があるということでしょう。スカスカな自己啓発本買うよりも、ずっとコスパがいいと思います。
③「番組」を見るのではなく、「シーン」だけを見る生活に
ここまで読んで、タイムシフトマシンでくまなく録画しても、忙しくて見る時間がないし……と思った方も多いでしょう。実際、筆者もタイムシフトマシンを使い始めるまではそう考えていました。しかし、レグザには見ることをサポートする機能も豊富に備わっています。
筆者が最も便利と感じたのは、「シーン検索」機能。これは、番組をシーンごとに区切ってチャプター表示してくれるというもの。例えば、音楽番組なら、オープニング、アーティストAのトーク、アーティストAの歌、アーティストBのトーク……というように、時系列でチャプター表示して、見たいシーンだけをサッと見ることができます。
これまで、テレビ番組というのは、番組単位で視聴するものが一般的でした。もちろん、見たい番組の見たいコーナーだけ見るという視聴スタイルはずっと前から定着していますが、それを可能にする機能が十分ではありませんでした。でも、レグザの「シーン検索」があれば解決。時短視聴にも役立ちます。そして、「早送りをする」という行為からも解放されそうです。きっと私は、番組表とにらめっこするのと同じくらいの時間を、早送りしながら見たい箇所を探すのに浪費していたはず。「シーン検索」によって無駄にしていた時間がなくなりました。別の発想をすれば、寿命が伸びたといえるでしょう。人の寿命をも伸ばすレグザ、恐るべし。
④「みるコレ」によって、ドヤ場面が増えた
レグザのホーム画面ともいえる「みるコレ」も使いこなしたい機能のひとつ。好きなタレントやジャンルの番組、録画番組、ネット動画など、さまざまなコンテンツを横断的に表示してくれるので、なんとなくチェックしているだけでも見たい番組・動画に出会うことができます。テレビのホーム画面って、野暮ったくて軽視しそうな機能のひとつかと思いがちですが、レグザはその例に当てはまりません。
「みるコレ」は2019年5月にリニューアルされ、AIレコメンドシステムによりユーザーの好みを把握して、より精度の高いオススメをしてくれるようになりました。今回この「みるコレ」を使っていて驚いたのは、数十秒程度の短い番宣などもきっちり拾ってレコメンドしてくれる芸の細かさ。
6月30日にテレビ朝日系で劇場版アニメ「君の名は。」が放送されることを記念して、6月24日~26日にかけて同局の番組「全力坂」とコラボした映像「坂の名は。」が放送され話題となっていたのですが、「みるコレ」の「話題の番組まとめちゃいましたパック シーン/CM」で、そのシーンだけを抜き出してレコメンドしてくれたのです。
SNSで話題になっていたシーンが簡単に見られるなんて……しかも特にこちらから何も設定していなかったのに、わたしの好みまで把握してオススメしてくれるなんて……感動。編集部で雑談しているときに、「そういえば昨日のアレ見た?」という流れになってもレグザのおかげで大体網羅できているので、「知ってますよ(むしろ知らないんですか?)」とドヤれる場面が急増。こういう小ネタの引き出しが増えると、取引先や取材先との会話でもトークをリードすることができて効果的ですね。仕事も上手くいっちゃうんだから、タイムシフトマシンとAIレコメンドシステムのコンビネーションは恐ろしすぎます。
⑤もはやチャンネルボタンを押すことも激減した
M520Xには無かった機能としては、リモコンにマイクが内蔵されており、マイクに話しかけることで「音声操作」できるのが便利。例えば、マイクボタンを押して「○○(番組名/人名/ジャンル)が見たい」「○○を予約したい」と言うだけで、簡単に番組検索や録画予約が行えます。GoogleアシスタントやAmazon Alexa、LINE Clovaを搭載したスマートスピーカーなどと連携すれば、リモコンを持たなくとも声だけで操作することも可能。
これが活躍するのは、YouTubeなどのネット動画の検索画面。ポチポチポチポチと、リモコンで1文字ずつ入力しなければならなかったのが、音声検索によりすばやく手軽に検索! これは本当に快適。子どもがいる家庭では、子どもたちが今日もポチポチとリモコンと格闘しているシーンが各地で見られると思いますが、そんな風景ともオサラバです。
昭和にはチャンネルを回しての時代があり、平成はチャンネルリモコンで一元操作していた時代がありましたが、令和はリモコンではなく声で操作する。そんな時代を先取りで満喫できて大満足です。
【結論】4K有機EL×タイムシフトマシンのレグザなら10年後も後悔しない!!
今回は「X920」のレポートをお届けしましたが、2019年の東芝レグザのラインナップはタイムシフトマシンを搭載した4K有機ELモデル「X930」(2019年7月10日発売予定※)とタイムシフトマシンを省いて価格を下げた「X830」、4K液晶モデルのハイエンド機「Z730X」、ミドルクラスながらタイムシフトを搭載した「RZ630X」、エントリークラスの「M530X」が用意されていますが、10年先まで満足して使えることを考えれば「4K有機EL」×「タイムシフトマシン」のX930一択でしょう!
※追加情報(2019年7月5日):65X930は7月18日発売に変更となりました。55X930は7月10日発売から変更ありません
有機ELテレビは、今後間違いなく液晶に代わってテレビの主流になっていきます。有機ELパネルの弱点とされてきた明るさや焼き付きなどの問題はほとんど改善されてきており、もはや液晶テレビを選ぶ理由はなくなったと言っても過言ではありません。いま有機ELテレビを選んでおけば、10年後も安心して使えるのです。
また、タイムシフトマシンのような多チャンネル録画機能を備えたレコーダーは存在しますが、テレビで搭載しているのは東芝レグザだけ。せっかくテレビを買い替えるのなら、唯一無二のタイムシフトマシン機能を搭載したレグザが絶対オススメ。
平成から令和に時代が変わったいま、テレビとの付き合い方も変わってしかるべきでしょう。もはや放送時間や録画予約の手間に縛られず、好きなときに好きな番組を自由に見る、これが令和時代のテレビとの付き合い方のスタンダードになるのだと思います。そして、それを実現してくれるのが、タイムシフトマシンを搭載した4K有機ELレグザなのです。
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