アメリカのオーディオブランド・ボーズが発売した耳に装着して使うウェアラブルデバイス「Bose Sleepbuds II」は不眠・寝不足の悩みを抱える方々を支援する超小型ハイテクイヤープラグ(耳栓)です。ユーザーでもある筆者が、眠る時だけでなく起きているあいだも含めてSleepbuds IIを1日中使い倒す方法を紹介していきましょう。
睡眠品質向上のために開発されたSleepbudsシリーズ
Bose Sleepbudsシリーズは2018年に誕生した初代機「Bose noise-masking sleepbuds」に始まりました。オーディオメーカーのボーズが「イヤホンにそっくりなのに、音楽が聴けないスマートデバイス」を発売したことも話題を呼びました。初代機の製品概要については筆者が本サイトに体験レポートを寄せていますので合わせてご覧ください。
イヤホンなのに音楽が聴けない? ボーズが睡眠用イヤホン「Bose sleepbus」を発表
Bose Sleepbudsシリーズは睡眠の品質改善を支援するスマート耳栓です。耳に装着すると、眠りの妨げになる「いびき」や「ざわめく人の声」「交通騒音」など様々なノイズを相殺して聞こえなくするマスキングサウンドが再生されます。アクティブノイズキャンセリング機能ほどバッテリーを消費せずに、またリラックスできる音楽を聴きながら眠るよりも自然な入眠効果が得られるように、それぞれのマスキングサウンドにはボーズ独自の「科学」が注入されています。
初代モデルから改善されたポイントとは?
2020年に発売された新製品のBose Sleepbuds IIは初代機から販売価格を据え置き、シンプルな操作性をキープしながら使い勝手を大きく改善しています。
初代機と同様、iPhoneまたはAndroidスマホにBluetoothでペアリングして「Bose Sleep」アプリからマスキングサウンドを選択したり、アラームなど各種機能の設定を行います。
新機種のデザインは初代機から大きく変わっていませんが、イヤープラグ本体のサイズが少し大きくなったことで筆者の場合は装着時のフィット感が向上しました。ハウジングの側面に特殊な摩擦防止コーティングが付いたので、マクラなど寝具とこすれて発生する不快な音も減りました。充電ケースがmicroUSBから汎用性の高いUSB Type-Cに端子を変更したことでチャージの手間も軽減されています。
音を発生させる源のドライバーをブラッシュアップしたことで、Sleepbuds IIはサウンドによりメリハリが加わりました。ただ、いったん眠ってしまえば音質自体が気になる製品ではないところが音楽再生用のワイヤレスイヤホンとは違います。筆者は初代機の繊細なサウンドも、うとうとするのにちょうど良い塩梅で好みに合っていました。
気になる騒音の種類に合わせて選べるマスキングサウンドは、本稿を執筆している2021年1月時点で専用アプリの「サウンドライブラリ」に40種類を揃えています。初代機からバリエーションが一段と増えました。今後もアップデートにより追加を予定しているそうです。
Bose Sleepアプリには本体を装着した状態で指定時刻に目覚ましアラームを鳴らせる機能や、スマホを起動してからアプリを立ち上げなくても、Sleepbuds IIを充電ケースから取り出してすぐに現在選択中のサウンドを再開する「Phone-Freeモード」が選択できます。
専用アプリでサウンドを試聴してから、選んだファイルをイヤホン側に転送します。音源ファイルのサイズはとても小さいのですが、初代機は転送処理にすごく時間がかかりました。Sleepbuds IIでは約1〜2分でファイル転送が完了します。転送したファイルはアプリの「マイサウンド」に、本体に内蔵するストレージの空き容量が許す限り追加可能。試聴しながら周囲のノイズを効果的に消せる最適なサウンドを選んで就寝します。
Sleepbudsシリーズは入眠環境のノイズを解消することを目的としたデバイスなので、特に睡眠状態のトラッキングやスコア付けはしません。Sleepbudsシリーズを使うことによる睡眠品質への影響を調べるのであれば、別途スリープトラッキング機能を備えるガジェットやアプリを併用することをおすすめします。