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2022/6/9 19:00

イヤホンみたいなスピーカー「Oladance Wearable Stereo」は“耳をふさがない”系の決定打になるか?

音楽再生やハンズフリー通話と同時に周囲の環境音も聴ける、“耳をふさがないイヤホン”がいま注目されています。元ボーズのエンジニアが設立した海外のスタートアップ、Oladance(オーラダンス)がとてもユニークな“耳をふさがないスピーカー”を発表しました。どんな製品なのか、発売前に入手した実機をレポートします。

 

Makuakeでのクラウドファンディングが始まる

今回筆者がピックアップするのは「Oladance Wearable Stereo」という製品です。左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンのようなデザインですが、「耳をふさがずに使える」ことや「とてもパワフルなサウンドが楽しめる」ところが特徴です。

↑イヤーハンガースタイルの開放型ワイヤレスイヤホン「Oladance Wearable Stereo」

 

本機は海外に拠点を置くクラウドファンディングのプラットフォーム、Kickstarter(キックスターター)で2021年秋にお披露目されました。約5000万円の開発資金を調達した後に製品をローンチしています。

 

6月7日から、日本のMakuakeでOladance Wearable Stereoのクラウドファンディングがスタートし、日本上陸を目指します。使用感を報告する前に、まずは本機のプロフィールから紹介したいと思います。

 

スピーカー再生のような臨場感が楽しめる

オーラダンスは、アメリカの人気オーディオブランドであるボーズで活躍した経験豊かなエンジニアたちが集まって2019年に香港で設立したブランドです。Webサイトに開設するオンラインコミュニティ上でファンと交流を深めながら、先進的であり、なおかつ多くの人々に求められるプロダクトを作ることが同社のモットーであるといいます。

 

Oladance Wearable Stereoは「オープン型イヤホン」に属する製品です。その特徴は一般的なオープン型イヤホンと比べることで際立ってきます。

 

ハウジングやシェルなどと呼ばれる本体の外殻部分に空気の通り道となる小さな穴を設けた「オープン型(開放型)」構造のイヤホンは、クリアで抜け味の良いサウンドを特長としています。反面、密閉型構造のイヤホンに比べて音もれが発生しやすいという弱点も抱えています。

 

開放型イヤホンの強みを活かして、さらに弱点を克服するために多くのオーディオブランドが最先端の技術を各社の製品に投入してきました。“耳をふさがないイヤホン”として最近話題を呼んだ製品には、例えばソニーの「LinkBuds」があります。穴のあいた本体に大口径12ミリのリング型ドライバーを内蔵してパワフルなサウンドが鳴らせるイヤホンです。コンパクトなイヤホン本体を耳に挿入して使うため、音もれも少なく抑えることができます。

↑ソニーの“穴あきイヤホン”として注目を集める「LinkBuds」

 

もうひとつの“耳をふさがないイヤホン”の代表格はShokz(ショックス:旧AfterShokz)の骨伝導技術を使ったワイヤレスイヤホンです。一般的なイヤホンの場合、空気の振動を介して鼓膜から聴覚神経に音を伝えます。骨伝導技術の場合、頭蓋骨の微細な振動を聴覚神経に伝えて音を再現するところに特徴があります。Shokzのイヤホンは耳穴に挿入せず、振動素子を内蔵する本体をこめかみ辺りの位置に装着して音を聴く独特のスタイルを採用しています。外部に音漏れを防ぐ独自の技術を組み合わせることにより、完全に耳をふさがないスタイルとしながら、明瞭なサウンドが楽しめます。

 

他とはひと味違うリスニング感

例に挙げたふたつの“耳をふさがないイヤホン”は、装着して音楽を再生しながら環境音にも注意が向けられるため、ハンズフリー通話も安全にこなせます。本体にマイクを内蔵しているので、ビデオ会議用のコミュニケーションツールとしても広く普及しています。

 

一方でふたつの製品に限らず、いま人気の“耳をふさがないイヤホン”は完全なオープン型スタイルなので、騒がしい屋外では密閉型のイヤホンに比べて低音が聴きづらく感じられる場合があります。骨伝導技術を採用するイヤホンについては、試してみたけれど“振動”が苦手という声も聞こえてきます。

 

Oladance Wearable Stereoは16.5ミリ口径という、イヤホンの中でも異例といえる超大型のダイナミック型ドライバーを内蔵したことで、重低音再生を充実させて、全体にバランスの良いサウンドを追求しています。

 

耳をふさがない装着スタイルとした点もユニークです。Oladance Wearable Stereoは強靱でしなやかなチタンワイヤーフレームでつながる2ピース構成の本体を、耳に掛けて装着するイヤーハンガースタイルとしています。耳の手前に大口径16.5ミリのドライバーを内蔵する本体を装着して、本格的なスピーカー再生を楽しむように、迫力あふれるサウンドをガンガン鳴らせます。

 

「ながら聴き」を楽しみ尽くす

Oladance Wearable Stereoはスマホやタブレット、PCなどにBluetoothで接続して使うワイヤレスオーディオ製品です。オーディオコーデックはAAC/SBCに対応しています。

↑Google Pixel 6 Proに接続して音楽再生をチェックしました

 

サウンドは力強く、柔軟性に富んでいます。ほかの“耳をふさがないイヤホン”に比べると量感が充実していて、低音域から中高音域までつながりがとてもスムーズなところも特徴的です。音楽再生、ハンズフリー通話のどちらを試してみても「人の声」の再現がとても滑らかに感じられます。質感がきめ細かく温かみもあるので、長時間聴いていても疲れにくいと思います。

 

本機はオープン型のワイヤレスイヤホンですが、パンチの効いたサウンドは賑やかな屋外で使ってみても環境音にかき消されることなく明瞭に聞こえてきます。音の出口となるノズルがユーザーの耳へダイレクトに音を届けるデザインとしているため、本機からの音もれはかなり防ぐことはできるものの、やはり構造上「ゼロ」にはできません。周囲に人がいるカフェや通勤電車では音量設定に注意しながら使いたいところです。またスポーツジムやカフェなどで使うと、本機で聴いているコンテンツの音と店内BGMが混ざり合って聞こえてしまいます。

↑大口径16.5ミリのドライバーが力強く鳴らすサウンドが、イヤーピースを使わないメッシュ状のノズルから出力されます

 

↑本体の外殻に空気の通り道となるダクトを配置。スムーズで切れ味に富んだサウンドを再現します

 

屋外でのウォーキングやオフィスワーク、家事のあいだに音楽を「ながら聴き」したり、自宅でのオンライン会議にOladance Wearable Stereoはその真価をいかんなく発揮してくれるでしょう。なお本機の通話マイクにはオーラダンスが特許を取得するEnvironmental Noise Cancellingというアルゴリズムとの組み合わせにより、ユーザーの通話音声を環境音から切り分けながらピックアップする技術が連動します。賑やかな場所にいても、話し声がグンと近づいてくるように感じられる立体的な通話音声を会話の相手に伝えられます。

 

意外なほど安定する耳もとの装着感

本体は一般的な完全ワイヤレスイヤホンよりも大きく見えるかもしれませんが、耳掛けスタイルを採用していることやイヤーピースを使わないことから、身に着けていることを忘れてしまいそうになるほど装着感は軽快でした。イヤーハンガーを耳に沿わせるようぴたりと身に着ければ、ジョギングなどで体を少し激しく動かしても落ちる心配がなく、耳元でイヤホンがぴたりと安定します。本体はIPX4相当の防滴対応です。

↑装着イメージ。耳もとでピタリと安定するので、ワークアウトにも最適です。

 

ドライバーを搭載する前方側の本体側面に、音楽再生やハンズフリー通話のコントロールができるタッチセンサーリモコンが内蔵されています。マルチタップ、長押しに上下スライドにより幅広い操作をカバーします。タッチコントロールの操作方法はiOS/Android対応のモバイルアプリからカスタマイズも可能です。

 

Oladance Wearable Stereoの本体には片側160mAhの大容量バッテリーが内蔵されています。Oladanceが特許を取得する低消費電力アルゴリズムとの掛け合わせにより、イヤホン単体でフル充電から約16時間の連続駆動を実現。バッテリーを内蔵していない充電専用のケースがパッケージに同梱されています。別途オプションとして販売されるバッテリー内蔵の「Oladance Charging Case」を揃えれば、イヤホンと充電ケースのバッテリーにより最大94.4時間も使用できます。オンライン会議の直前や最中にワイヤレスイヤホンのバッテリーが切れて途方に暮れる心配から解放されそうですね。

↑充電機能の付いたOladance Charging Case

 

Oladance Wearable Stereoはとても肉厚で力強いサウンドが再現できる、“耳をふさがない小さなスピーカー”です。開放型イヤホンのサウンドに力不足を感じていたり、骨伝導イヤホンが苦手な方には最良の選択肢といえるでしょう。Makuakeで始まったクラウドファンディングをぜひチェックしてみてください。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

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