グルメ
2018/1/31 20:00

料理研究家・森崎友紀さんに聞く! 忙しい中でも料理を楽しめる時短テクニック【後編】

子どもが生まれてから子育てに追われて、ますます多忙に。家族のためにも栄養のある食事を作ってあげたいけど、なかなか時間がない……。そんな人は、料理研究家・森崎友紀さんの金言を聞くべし。

 

前編では、出産前後で変わった食へのアプローチや仕事術を聞きました。続いて後編では、誰もが気になるプロならではの時短テクニックと絶品レシピを紹介してもらいましょう。

 

【プロフィール】

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料理研究家・森崎友紀さん
管理栄養士・チャイルドマインダーなどさまざまな資格や経験を生かし、初心者でも料理を楽しめるレシピや、アンチエイジング、ダイエット、離乳食の簡単レシピを考案。週刊少年ジャンプで連載中の「食戟のソーマ」(集英社)で料理監修をしているほか、11月に『改訂版 太らない夜食』(トランスワールド)を発売。来年1月下旬には離乳食レシピ本を発売予定。身近な食材でおしゃれな食卓の提案をブログやInstagramでも公開中。2016年に長女を出産し、育児に奮闘中のママでもある。
https://morisaki-yuki.amebaownd.com

 

毎日の調理作業をラクにする“フリージング”

――ズバリ、誰にでもできる、毎日の調理作業をラクにするテクニックを教えてもらえませんか?

 

森崎友紀さん(以下、森崎):私はフリージングをフル活用しています。離乳食初期は、ほぼフリージングで乗り切ったと言っても過言ではないくらいですね。炊き込みご飯はおにぎりに、ホットケーキもたくさん作ってフリージングしておくと、子どもが「もう待てない!」ってなったときにもサッと出せますよ。あとは、冷蔵庫に常に5~6種類作り置きをストックしておいて、旦那さんが自分の体調や時間に合わせて自由に選んで食べられるようにしています。

 

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――なるほど。なかでも野菜をうまく活用できない、という声は耳にします。特に葉物は保存期間も短いし、ダメにしてしまうこともあるんですよね。根菜は下ごしらえがやや面倒でレシピがワンパターンになってしまうなど。何かいいアイデアはありませんか?

 

森崎:キャベツはざく切りにしてそのまま冷凍。じゃがいもは、レンジでチンしてマッシュにしておくと、とっても便利ですよ。ホウレンソウや小松菜などの葉物野菜は、カットしてそのまま冷凍してもいいのですが、「だし煮」にしてからフリージングするとさらに便利ですね。トマトとウインナーをプラスしてミネストローネ、さらにそこへチーズと塩コショウでパスタソース、挽肉を入れて煮詰めればラグーソースになります。豆乳にすればクリームソースにもなりますよ!
――次々に出てきますね! フリージングするだけでバリエーションが一気に広がるんですねえ。

 

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森崎:あとはきのこのフリージング。傷みが早いので、そのまま冷蔵庫に入れておくより、ほぐして冷凍すると旨みがアップするというメリットもあるので、ぜひおすすめしたいですね。冷凍のままお吸い物に入れることもできますし、ピラフや炊き込みご飯にもそのまま入れられます。シメジ、エノキ、シイタケ、それぞれ単体でも混ぜてもいいんですよ。ただしマイタケだけはアクが強いから、フリージングには不向きです。買ったら早めに調理するのがベストですね。

 

――これはもう、今後はきのこを爆買いせねば……! 合わせて、フリージング食材を使った簡単メニューを教えてください!

 

森崎:「きのことツナの炊き込みご飯」は我が家の定番メニューです。離乳食完了期のお子様も食べられるのでおすすめですよ。(レシピはのちほど)

 

――ツナって味わい深いんですね……。じんわりとおいしさが染み出してくるようです。材料もシンプルだし、簡単なのもうれしいですね。

 

森崎:私の食の原点は「じんわりおいしい」祖母の手料理なんです。外食するときって、ひと口からガツンと刺激がくるので「おいしい!」ってなるんですけど、そこから感動がないんですよね。家庭料理は素っ気ないんですけど、食べ進めるうちに味が染み出すように伝わってきて、全部食べ終わったときに「おいしかった!」となるんです。もちろん手間も掛かりますが、そのひと手間の大切さを祖母から教わりました。これからも家族のためにおいしい料理を作り続けたいですね。

 

――なるほど、家族から「すごい!」と感動される料理を目指さなくてもいいんですね。それを聞いて、肩の力が抜けた人も多いんじゃないでしょうか。ありがとうございました。

 

離乳食完了期の子どもでも食べられる「きのことツナの炊き込みご飯」

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1.お米を研いでから、30分水に浸してざるにあげる。

2.人参、シメジは1cm角に切る。

3.厚手の鍋に、お米、人参とシメジ、みりんと薄口しょうゆ、ツナを入れる。沸騰したら弱火で12分加熱、その後、火を止めて15分蒸らす。

4.底から混ぜ、器に盛り、刻みのりをトッピングすれば完成。

【材料】
米…4合
ツナ缶…大2缶
みりん…大さじ2
薄口しょうゆ…大さじ2
ダシ…800cc
シメジ…200g
人参…1本
刻みのり…適量

 

……仕事も家事も育児もと、一切手を抜かない森崎さん。そんな彼女でも、献立を考えるのが面倒な時は「鍋が一番!」だそう。丸ごと買ったキャベツや白菜は、鍋→炒め物→フリージングの3通りで使い切る、というコツも。お肉も大きなかたまりで購入した方がおいしいんだとか。忙しさが窮まるといらだってしまいそうなところ、とても自然体でした。