トーストの化学反応
パンは時間の経過とともに、含有水分の蒸発、デンプンの老化、グルテンの硬化などによって硬くなり、パサパサ、ボソボソとした食感になり、食べづらくなります。
(『パンの科学』から引用)
トーストを科学的に述べるならば、再加熱による新たな化学反応です。本書『パンの科学』では、トーストの始まりから終わりまでを、わかりやすく解説しています。
【トーストの4段階変化】
加熱。芯温60〜70℃。デンプンが再度アルファ化する。
↓
グルテンが軟化。クラムがやわからくなる。
↓
表面温度150〜160℃。メイラード反応。香気が生じる。
↓
表面温度190〜220℃。キャラメル化。ほどよい焦げ目。
↓
カリッ サクッ ( ゚Д゚) ウマー
ところで、食パンは「山型」と「角型」のどちらが好きですか? 違いを説明できますか? 本書『パンの科学』には、「パンの焼成方法」にまつわる解説もあります。「直焼き」「プレート焼き」「型焼き」の3種類があって、食パンは「型焼き」によって焼成されたものです。型の違いによって、クラストの色や香り、クラムの食感までが変わることを理解できます。
ブルーバックスの製パン入門書
本書『パンの科学』の著者・吉野精一さんは、製パンの専門家です。およそ20年間にわたって辻製菓専門学校で製パンを教えています。「パンのうんちく」だけにとどまらず、詳細な化学式などもまじえて、一歩踏み込んだ「製パンの入門書」に仕上がっています。
【もくじ】
第1章 パンの基礎知識
第2章 パンの科学史
第3章 パンの材料を科学する
・四つの主役
小麦粉/イースト/塩/水
・四つの脇役
糖類/油脂/卵/乳製品
第4章 パン製法の科学
第5章 パン作りのメカニズム
第6章 パンの「美味しさ」を生む科学
第7章 パンのよもやま話
第8章 種類豊かな欧米のパン
(『パンの科学』から引用)
自家製パンに興味がある、ベーカリーショップで脱サラ・起業したい、将来はパン職人になりたい中学生や高校生など。ポケットサイズで手ごろな価格の入門書です。お試しください。
【書籍紹介】
パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密
著者:吉野精一
発行:講談社
ふっくら、もちもち、パリパリ……パンといってもさまざまな食感、形状のものがありますが、そのパンの特徴を活かして美味しく焼くには、科学の力が欠かせません。生地をこね、寝かせ、叩き、形を整えて焼く、どの工程にも、科学的に重要な意味があります。また、焼き上がったパンをより美味しく食べるにも、科学の知識がポイントに! 本書はパンを食べるのが好きな人のための、よりパンを美味しく食べるための1冊です。