グルメ
2018/8/11 18:00

こんな飲み方知らなかった!「世界のKitchenから」シリーズの「ソルティライチ」が7年以上愛される理由とは?

キリンビバレッジの「世界のKitchenから」シリーズといえば、ロングセラー商品の「ソルティライチ」が人気の飲料ブランドです。2011年の発売以来、細やかなリニューアルを重ねるソルティライチですが、どのようにしてこの商品やブランドが生まれたのかを知らない人も多いはず。

 

そこで、同シリーズの開発担当である弦田悠里さんにソルティライチの開発秘話からイチオシの飲み方までじっくりお聞きしてきました!

↑キリンビバレッジマーケティング本部マーケティング部商品担当の弦田悠里さん。2016年から商品開発に関わっている

 

 

タイ・チェンマイの「ローイゲーオ」がお手本

ソルティライチが誕生するきっかけとなったのは、タイのチェンマイの家庭で食べられている「ローイゲーオ」というデザート。果物を塩に漬けてひと晩置き、それぞれの家庭で工夫を凝らしたシロップをかけ、クラッシュアイスと一緒にガシャガシャ混ぜて出来上がる甘じょっぱいこのデザートは、タイの暑さで汗をたくさんかいたときに食べると全身に染み渡るおいしさだったそうです。

↑ローイゲーオはチェンマイのごく一部の家庭で作られている。実際に現地の家庭で味わったときのおいしさを再現したいと思ったのが商品開発のきっかけだった

 

 

「塩で果物の甘みが引き出されていて、本当においしかったんです。この経験から『塩って面白い』と思ったことが開発の原点。ナトリウムを使ったスポーツドリンクはいろいろありますが、ナトリウムと塩では舌での感じ方が異なります。塩のほうがダイレクトに舌の味蕾に伝わるんです。そこで、ソルティライチには少し甘みも感じる繊細な沖縄海塩を使っています」(弦田さん)

↑パッケージにも「沖縄海塩ひとつまみ」と書かれている

 

 

使用する塩についても、岩塩やアドレア海の塩などさまざまな塩を試したうえで、マイルドでライチの甘みを引き出すことを理由に沖縄の塩が選ばれたそうです。さらにその分量に関しても苦労を重ねており、ほんの少しの量の違いでしょっぱすぎたり、物足りなく感じたりと加減が難しかったのだとか。

 

「ソルティライチが発売された2011年は、東日本大震災が起きたことで物流がストップした年でもあります。そして、被災地では熱中症が増えていました。新商品を発売するのはかなり厳しい状況でしたが、このドリンクは被災されている人たちにとって、おいしさだけでなく塩分を手軽に摂取できるという点でも救いとなるはずだと思い、発売に漕ぎ着けたという経緯があります」(弦田さん)

 

取材中、弦田さんは開発したドリンクのことを「この子は〜」と話しており、まさに世界のKitchenからチームにとっては苦労の末に生まれた”我が子”のような存在なのだと強く感じた

 

 

たった3人で世界中の台所に潜入する異例の開発スタイル

そもそも「世界のKitchenから」シリーズは、2007年にスタートしたブランドです。入れ替わりの激しい飲料市場において、これだけ長く続くのは珍しいと弦田さんは話します。

 

「世界のKitchenからシリーズは、弊社で商品開発をしていた菅谷という女性が中心となって始まりました。彼女自身、いろんな商品を作っていても”自分自身が飲みたいものがない”と感じたのをきっかけに、『日本にいて商品のアイデアが生まれない、世界に行かせてほしい』と会社に訴えたことから世界のKitchenからがスタートしたそうですよ」(弦田さん)

 

スタート当初と同様、現在も世界のKitchenからシリーズは世界中の台所に赴いて得た知見を元に、オリジナルのドリンクレシピを開発しているそうです。そして、最初のレシピを作るのは、弦田さんを含むたった3人の開発担当者。そのレシピを元に技術スタッフがああでもない、こうでもないと試行錯誤を重ねて商品化を進めるという、大企業とは思えない進め方のプロジェクトなんです。

↑海外で得た知見を持ち寄って、中野某所のキッチンでドリンク作りが始まる

 

「一般的な商品開発は10か月くらいの期間を要しますが、私達は短くても1年半程度、もっと長期間かかってしまうこともあります。それは、“ググった”情報ではなく、あくまでも現地で得た知識で作るから。料理を振る舞ってくれる現地の家庭の人などの想いも背負って商品を開発するので、変なものは作れないぞと毎回思っています」(弦田さん)

↑モロッコの家庭で使われる「フラワーウォーター」を作るために用いられる道具を現地で購入して持ち帰ってきたそうだ。このアイデアを元に「Elderflower Sparkling Water」が開発された

 

完成した商品は協力してもらった現地の家庭に送ることも多くて、日本人の味覚に合わせて作っているのでよろこばれないんじゃないかと心配していると、大体は「おいしいわね!」と言ってもらえるのだとか。本当に”世界のKitchenから”生まれているというのには驚かされますね。

↑渡航先は開発担当者の関心も加味されて決まる。弦田さんのデスクには、さまざまな国の料理本や文化の本が並び、現地で買った本などをパッケージデザインやレシピの参考にすることも多いそうだ

 

ソルティライチがあっという間にラッシーに大変身

今回、弦田さんが私達に振る舞ってくれたのは、「ソルティライチのラッシー仕立て」です。作り方は驚くほど簡単。

 

・牛乳 100cc

・お家で作ろう!ソルティライチ 大さじ2

・レモン絞り汁 大さじ1

お好みでペパーミント適量

 

↑レシピは世界のKitchenからのホームページ上で公開されおり、ラッシーなどのドリンクだけでなく、おやつやおかずのしシピも掲載されている

 

これらの材料をよくかき混ぜるだけで、牛乳にとろみが生まれ、爽やかなラッシーが完成します。ここで使用した「お家で作ろう!ソルティライチ」は、ソルティライチの5倍濃縮タイプで、多彩なアレンジが楽しめるのだとか。

 

「個人的なおすすめは、トマトのガスパチョ(冷製スープ)です。冷やしたトマトをすりおろして、ソルティライチ大さじ2、塩少々、黒胡椒を加えるだけで、すごくおいしいスープになるんです! 」(弦田さん)

 

 

目指すのはみんなが飲みたいドリンクの一歩先

世界のKitchenからシリーズは続々と新商品が登場しており、6月発売の「とろけるカオスープ」、7月発売の「麦のカフェCEBADA(セバダ)」でついに計34アイテムとなりました。

↑「とろけるカオスープ」は、同シリーズ初のスープ。ランチを食べる時間もないくらい忙しかった弦田さんが、食事を楽しむことの大切さをドリンクにしようと思ったのが開発のきっかけ

 

 

とろけるカオスープは、ベトナム料理の「五味五彩二香」、たくさんの素材を上手く組み合わせてそれぞれの味わいの重なりを楽しむという考え方に基づいたスープで、とにかく複雑な味わいに驚かされます。最初に桃の味が来たと思えば、次にトマトの味がして、クリームチーズのコクを感じたかと思えば、最後にペパーミントが通り抜ける……。まさにこれはカオス!

 

↑「麦のカフェ CEBADA(セバダ)」は、カフェインが苦手な人がコーヒー感覚で楽しめるのが魅力

 

セバダは、スペインのレバンテ地方の家庭で作られる「アグア・デ・セバダ」という大麦を使ったコーヒーのような飲み物の製法を活用しています。大麦をコーヒー豆のように深く焙煎してミルで挽きドリップすることで、カフェインレスなのにコーギーのような香ばしさとほんのりした甘さが感じられ、コーヒーでもない、麦茶でもない不思議な味わいがします。

 

世界のKitchenからシリーズといえば、デザートドリンクの印象が強かったのですが、新商品はこれまでとは大きく異なっています。実はこの路線を選んだのにも理由があるそうです。

 

「世界のKitchenからシリーズは、流行に流されない商品作りをしているつもりです。とはいえ、ブームというのは、そのときの消費者が何を欲しがっているかを反映しているものでもあります。そこで、世界のKitchenからシリーズでは、みなさんが欲しいと思っているものの一歩先を行きたいんです。常に”驚き”を感じてもらえる商品を作りたいと思っています!」(弦田さん)

 

カフェで飲めるものではなく、世界のKitchenからシリーズだからこそ飲めるものを――。オンリーワンな商品作りを追求し続けるこのシリーズから、これからも目が離せません!

 

撮影:我妻慶一

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