グルメ
2019/8/1 18:00

ロックで飲む「ヤバい泡酒」も発見! 42才独身、上司が気に入る「新潟限定みやげ」を探す旅

上司に気に入られたい! でも、口ベタだし、接待ゴルフができるわけでもない。…不器用ですから。とはいえ、42才にもなってそんなことも言っていられない。田舎の両親のためにも、まだ見ぬ最愛のパートナーのためにも、のし上がっていかなきゃいけないんだッ! そんな筆者が思い至った境地が「そうだ、上司にプレゼントしよう。」でした。それなら筆者の乏しいコミュ力以上に、モノ自体が雄弁に語ってくれるはず。ちょうど新潟に出張するし、ここはひとつ、新潟ならではのセンス溢れるおみやげで、上司にアピールしよう! というわけで、筆者はなんやかやと情報を集めて、一路新潟へ。

 

「菊水」が新潟限定の日本酒を出したと聞いて新発田市へ

新潟といえば、日本酒でしょ! そして、筆者は日本酒が大好き! 聞くところによると、おなじみの「菊水」が新潟限定のお酒を出したらしい。 ……これは行って詳しく取材したい(飲みたい)! …というわけで、やって参りました。新潟県北部に位置する新発田市(しばたし)へ。

新発田市は、東に磐梯(ばんだい)朝日国立公園、胎内二王子(たいないにのうじ)県立自然公園を擁し、加治川の水系によって潤う土地。県内有数のコシヒカリの産地としても知られています。そういえば、上杉景勝に反旗をひるがえした戦国武将・新発田重家はこのあたりの領主だよな……などと考えながら、駅から田園地帯をタクシーで走ること10分、菊水酒造に到着!

 

缶入り生原酒「ふなぐち」のしぼりたてを飲んでみた

菊水酒造といえば、日本で初めて発売した缶入り生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」(200ml 265円〔税別〕・以降ふなぐち)が有名ですね。こちらは、火入れをせずにフレッシュ感を残した「生酒」であり、水を加えない「原酒」でもある「生原酒」という種類。日本酒ではもっとも鮮烈かつもっとも濃いタイプで、お酒好きなら一発で気に入るやつです。

今回、菊水さんに特別な許可をもらい、「ふなぐち」を造っている二王子蔵(にのうじぐら)で、しぼりたての「ふなぐち」を味見させてもらいました。当日にしぼったばかりのお酒をグラスに注いでゴクッ……くぅー、うまいっ…!

ノドにガツンと来るこの感じ、パイナップルやマンゴーを思わせるジューシーな味わい、鼻に抜ける豊かな芳香…そうそう、荒々しく本能を刺激するこの感じ。日本酒の原点ともいえる魅力が、この一杯に凝縮されています。

 

そして、しぼりたてを頂いておいてなんですが、この味がコンビニで売っている缶入りとほぼ変わらないのが驚き。…まさに缶無量(感無量)。缶入りってスゴイな、「蔵出しと同じ味わい」も人気の理由なのだな…と改めて思いました。

 

新潟県先行発売の通称「ふなスパ」は、ツルツル入るヤバいやつ

さて、いよいよ本題。お目当ての新潟限定のお酒は、この「ふなぐち」に炭酸ガスを注入した「ふなぐち菊水一番しぼり スパークリング」(270ml 398円〔税別〕)、通称「ふなスパ」です。ただいま新潟県先行発売中で、いまのところ県民しか味わえない話題のお酒とのこと。さっそく、蔵内にある施設「菊水日本酒文化研究所」の一角で、特別に味見させてもらいました!

6月に県内先行で発売されたこちらは、「ふなぐち」ファンが「これいいね!」と思うところを目指していて、ワイングラスで飲むようなおしゃれスパークリング日本酒とは一線を画しているとのこと。オススメの飲み方は、なんとロックだといいます。へえ、珍しい。さっそく頂いてみると……。

ああっ、これヤバいやつだ! アルコール19度なのにツルツル入るよ!? 炭酸ガスが入ったことで爽快感が増し、のどごしが…良くなっている?

さらに、炭酸が弾けて香りが拡散されるためか、香りと甘みがよりいっそう強く感じられます。まるでイチゴのリキュール…? そう思わせるような、濃厚でフルーティな味わいに。菊水の蔵人さんも「炭酸を入れたことで、香りと甘みがより強く感じられる」と、筆者とまったく同じことを言っていたそうです。プロと見解が一致してしまうとは、ああ、自分の味覚が怖い! さておき、甘み、香りの要素が強調され、飲みやすくなっているものの、ベースはしっかり「ふなぐち」であり、そのファンに向けたというのも納得の味わいです。

 

試飲会で社員を惑わせた悪魔的なウマさ

ちなみに、菊水の広報さんいわく、社内で「ふなスパ」のきき酒会を行ったところ、想定を超えるハイペースで飲み進めてしまい、予定時間より早くきき酒会を打ち切ったとか。たしかに、こりゃ止まんなくなるわ……。そんな事情もあって、缶の裏には「爽やかな飲み口のためペースを守ってお召し上がりください」との注意書きを入れたそう。うむ、この悪魔的なウマさ…刺激を求めてエナジードリンクをガブ飲みする我が上司・山田佑樹(GetNavi web編集長)もきっと気に入るはずだ!

ちなみに、「ふなスパ」の試飲のついでに、蔵内にある「菊水日本酒文化研究所」も見学させて頂いたのですが、こちらもすごかった……。酒や酒文化に関する文献や酒器など、同研究所が収蔵する膨大な資料が展示されていて、これを説明する研究員さんのマシンガントークがまた興味深い! ここでは書ききれないので、後日、別の記事でご紹介させてください。

 

「新潟せんべい王国」で巨大オリジナルせんべいを作る

続いてのターゲットは、せんべいです。新潟は特産の米を原料としたせんべい作りが盛んな土地。聞くところによると、「新潟せんべい王国」なるところで、直径約25cmものオリジナル手焼きせんべいが焼けるとのこと。しかも、せんべいには好きな絵柄を入れられるという……。心を込めるという意味では、これ以上のおみやげがあろうか!

 

製造現場が見学でき、米菓の歴史が学べるほか、せんべい焼き体験が可能

新潟せんべい王国」は、JR新潟駅から東へ電車で12分の新崎(にいざき)駅からタクシーで5分ほど走った場所にあります。じつはこちら、かの有名な半月状の米菓「ばかうけ」を製造する、栗山米菓直営のテーマパーク。おせんべいを焼く製造現場が見学でき、資料やミニチュア模型で新潟の米菓の歴史を学べるほか、3種類のせんべい焼き体験(1200円~)、2種類のせんべい味付け体験(1000円~)が可能となっています。飲食コーナーでは、せんべいソフト(420円)やばかうけコロッケ(170円)などを提供。売店では、せんべい王国限定の品を購入することもできます。

↑新潟せんべい王国限定の「ばかうけ鮭冬葉(さけとば)風味」(450円)。鮭冬葉とは、鮭の身を棒状に切って塩水に漬け、乾燥させたもの。コクのある味付けで、おつまみにも最高です

 

顔ほどの大きさのせんべい生地を焼いて、絵柄をつけていく

筆者が体験したのは、「超特大お絵かきせんべい焼き体験」。料金は1人1枚で1500円、所要時間約30分となっています。まずは、おせんべいの生地とご対面。やっぱりデカッ! 筆者の顔くらいあります。これをヒーターの焼き網の上でひたすら5分ほどひっくり返して焼いたあと、筆を使ってしょうゆでお絵かき。

↑広々とした体験スペース

 

↑ガイドしてくれたのは、アニメ好きの榎本真有さん(左)

 

↑冒頭はただひたすらひっくり返す作業。気分は修行です

 

せんべいの絵柄は、上司であるGetNavi web編集長・山田佑樹の顔をスマホで表示してその似顔絵を描くことにしました。この時点で、絵柄はまだうすーくしか見えません。うまくいくかなあ……。

↑素焼きしたせんべいに、好きな絵を描いていきます。添える言葉も書いたのですが、それは焼き上がってからのお楽しみ

 

絵付けのあと、再度網の上で焼いていくと、どんどん絵が浮かび上がってきました! しょうゆをぬってさらにあぶり、風で冷ませばできあがり!

↑似顔絵に添えた文字は「山田さん 大好き!」でした

 

完成品は専用の箱に入れて持ち帰ることができます。この箱の裏にはスタンドが付いているので、写真立てのように立てて飾ることも可能。せんべいの賞味期限は1か月程度だそうなので、1か月は目で楽しみ、その後は舌で楽しむというのもアリですね。というわけで、2品目の新潟限定みやげ、頂きました! ちなみに、せんべい王国以外で買える新潟限定のばかうけ(枝豆味、かに味、タレかつ味、唐辛子味、南蛮えび味など)もあるそうなので、見つけたらそちらもぜひ!

↑編集長、喜んでくれるかなぁ…

 

笹だんごの名店「田中屋本店 みなと工房」へ

いよいよ新潟限定のおみやげを探す旅も、終わりに近づいてきました。新潟駅から北へタクシーで約10分、雄大な信濃川に到着。

↑アマゾン川を見つめるバックパッカー…ではなく、信濃川を見つめるカメラマンの中田氏

 

その川沿い、いわゆるリバーサイドに新潟を代表する名物・笹だんごの名店「田中屋本店 みなと工房」があるのです。

なお、笹だんごとはその名の通り、あん入りのよもぎ餅を笹で包み、いぐさで巻いたもの。県内の家庭で作られていた郷土のお菓子で、主にハレの日に出されることが多かったようです。それが上越新幹線の開通を機に、名物として打ち出されたのだとか。また、笹だんごは防腐効果の高い笹を用いているため、保存食・携行食としての側面があり、かの上杉謙信が出陣の際の携行食として考案したとの伝説もあるそうです。

↑店内に干されている笹だんご。店内に入ると、いぐさの爽やかな香りが鼻腔をくすぐります

 

↑店内にはガラス張りの製造工場が併設されていて、作っている様子が見学できます

 

厳選した国産素材と地元食材を使ったアレンジ商品が魅力

そんな笹だんごの専門店のなかで、市内に11の直営店を持つ「田中屋本店」は、新潟県内の契約農家栽培米や北海道産の小豆など、国産の素材を厳選して使用しているのが特徴。笹だんごは、通常の「こしあん」「つぶあん」(各1個162円)のほか、きんぴらごぼうが入った「きんぴら」や、佐渡沖でとれた海藻・あらめの煮付けが入った「あらめ」、新潟の特産・黒埼(くろさき)茶豆を使った「茶豆笹だんご」(各1個183円)といったアレンジ商品も販売しています。

↑「つぶあん」の中身はこんな感じ(画像出典:田中屋本店公式サイト)

 

↑「あらめ」には海藻のあらめやひじき、くるみ、れんこん、ごぼう、人参などを甘辛く煮付けた具が入っています(画像出典:田中屋本店公式サイト)

 

笹だんご作りが体験できる講座でオリジナルの一品を作る

さらに、この「みなと工房」では、新潟の食文化を伝えるべく、笹だんご作りが体験できる「笹だんご講座」(要予約、1名あたりの講習料2000円 ※税別・材料費含む)を開催。筆者はこの講座を活用して、オリジナル笹だんごを作ろう! というわけ。本来は5名以上の団体で申し込むものですが、今回は特別に1人で参加させてもらいます。

↑「笹だんご講座」は、信濃川を望む2階のセミナールームで受講。講師は、みなと工房の支配人であり、田中屋本店代表の奥様でもある田中幸江さん

 

笹巻きはやっぱり難しい!

今回は時間の関係で、最後の餅を笹で巻く工程だけ教えてもらいました。しかし、講師の田中幸江さんが「かなり難しいです」とおっしゃるだけあって、やっぱり難しい! 筆者が覚えているのは、最初の「さささんまいもつ(笹3枚持つ)」くらいで、あとは混乱のなか、「下からくぐらせて右上へ…長いひもで大きな輪を作ります…」という先生のお手本の通りに手を動かすのみ。およそ1分30秒後、なんとか形になりましたが…先生のデキと全然ちがう! ちなみに、現役時代は同僚と速さを競っていたという田中先生に本気で巻いてもらったところ、なんと18秒83というタイムを叩き出しました。

↑先生に言われるがまま、必死で手を動かします

 

↑左が筆者、右が先生が作った笹だんご。左は心なしか自信がなさそうです

 

筆者はなんとか2つだけ笹だんごを巻き上げたところでギブアップ。あとは、蒸し器の中に入れて20分待てば完成です。

 

蒸したての笹だんごはやっぱりウマかった

熱が取れて固くなってきたときが食べごろだそうですが、ここではやはり、蒸したてを頂きましょう! 講座の参加者が「いままで食べたどの笹だんごより美味しい」と語るその味は…ア、アフイ(熱い)…けどウマい! 濃厚な甘みのあんが滑らかで香り高い餅と相まって、インパクトのある味わいに仕上がっています。これは、疲れたときに濃い~お茶と合わせたら最高だな! ちなみに、筆者のように体験するほどの時間がない方、田中屋本店は駅ビルのCoCoLo本館にも出店していますので、新潟を訪れた際に訪問してみては?

 

「体験を伴ったおみやげ」が上司の心を動かした!

新潟の旅を終えて東京に戻った筆者は、新潟のオリジナルみやげ3点「ふなぐち菊水一番しぼり スパークリング」「新潟せんべい王国の超特大お絵かきせんべい」「田中屋本店の笹だんご講座で作った笹だんご」を上司の山田に進呈。山田はせんべいに書かれた「山田さん 大好き」という文言には心底困惑した様子でしたが、おおむね喜んでくれた様子。

後日、感想を聞いてみると、「菊水の『ふなスパ』を最初に飲んだときは濃厚で驚いた! シャンパン感覚で飲むと裏切られるけど、俺はこっちも好きだな。笹だんごは普通にうまかった。おつまみとして『ふなスパ』に合わせてもいいんじゃない? これで新潟のご当地パーティをするとか…しないか(笑)。せんべい…? まだ食べてない」とのこと。

 

最後に山田は、「ただおみやげを買うのではなくて、実際に現地で体験したものはまったく違ったでしょ? それが伝わってきたから、普通のおみやげとは違って新鮮だった」とひとこと。たしかに、今回の体験を通して、新潟という土地をより深く知ったのは間違いなく、その背景が伝わったのなら、これほどうれしいことはありません。そうそう、近年は出張とプライベートのレジャーの時間を融合させたスタイル「ブレジャー」(ブリージャー)が流行っているそうで、今回紹介したスポットはこの「ブレジャー」にもぴったりですね。

 

ともあれ、体験を抜きにしても、今回紹介した菊水の「ふなスパ」、栗山米菓(ブランド名はBefco)のせんべいや「ばかうけ」、田中屋本店の「笹だんご」はおみやげとして鉄板です。新潟を訪れた際は、ぜひ注目してみてください!

撮影/中田 悟

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