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2017/9/15 5:30

「iPhone 8/8 Plus」はXより狙い目かも? 従来の操作性はそのままに中身は最新スペックに刷新

Appleは9月12日(米現地時間)、「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X(テン)」を発表しました。本記事で取り上げるiPhone 8/8 Plusは、iPhone 7/7 Plusのデザインを踏襲した正統派の後継機。9月15日に予約開始となり、同月22日に発売されます。Apple Storeにおける一括価格は、iPhone 8が7万8800円(税別、以下同)〜、iPhone 8 Plusが8万9800円となっており、iPhone Xよりも2〜3万円安く入手できるのがメリット。本記事では、現地のタッチアンドトライ会場の様子を交え、両機の概要を紹介します。

 

新たにガラスデザインを採用

「iPhone 8/8 Plus」は7/7 Plusと同様に4.7型と5.5型のディスプレイを搭載。デザインも基本的には踏襲していて、従来通りTouch ID搭載のホームボタンを使用できます。本体サイズは下記の通り。8/8 Plusの方が若干大きいですが、視覚的にはそれほど差は感じませんでした。

↑iPhone 8(左)とiPhone 8 Plus(右)
↑iPhone 8(左)とiPhone 8 Plus(右)

 

iPhone 7:W67.1 x H138.3 x D7.1mm
iPhone 8:W67.3 x H138.4 x D7.3mm

iPhone 7 Plus:W77.9 x H158.2 x D7.3mm
iPhone 8 Plus:W78.1 x H158.4 x D7.5mm

 

本体の背面・前面ともに高耐久のガラスが用いられています。公式サイトの表記によれば「これまでスマートフォンに採用されたものの中で最も耐久性のあるガラスで作られている」とのこと。光沢感や、指に吸い付くようなしっとりした感触もガラスならでは。気になる指紋も、布で拭けば簡単に落ちました。

↑iPhone 8のサイズ感
↑iPhone 8の背面

 

カラーは、「シルバー」「ゴールド」「スペースグレイ」の3色展開。特に注目したいのは、ゴールドの色合いです。ずばり金色なのは側面のフレーム部分のみ。従来の同色とは異なり、ラグジュアリーでありつつも、上品で落ち着いた雰囲気になりました。

↑ゴールドモデル
↑ゴールドモデル

 

ディスプレイはiPad Proでも採用されていた「TrueTone」をサポートします。同機能をオンにしておけば、電子書籍を読む際などに、リアルな紙の自然な白さが再現されます。

 

Qi規格のワイヤレス充電をサポート

iPhone 8/8 Plusでは、ガラス背面を採用したことでワイヤレス充電が可能になりました。別売の充電マットがあれば、端末を上に置くだけで充電完了。ワイヤレス充電の規格は「Qi(チー)」に対応しているので、サードパーティ製のアクセサリーを利用しやすいのもポイント。日本ではまだまだ数は限られていますが、対応の充電器を備えるカフェや空港など公共の場での利用も期待されます。もしかすると、iPhone 8が普及することで、企業側の導入意欲も高まり、公共の場におけるワイヤレス充電スポットも増えていくかもしれません。

 

↑ワイヤレス充電中
↑ワイヤレス充電中

 

また、2018年には純正の充電マット「AirPower」が発売されます。Apple WatchやAirPodsも同時に充電できるようになると、オフィスやベッドサイドの充電で複数のケーブルを使う必要はなくなります。また、出張や旅行で携帯するケーブル本数も少なく抑えられるようになるかもしれません。ちなみに、AirPodsについては現状のケースではワイヤレス充電に対応していないので、おそらく2018年に新モデル(あるいはケースのみ)が登場するということなのでしょう。

↑AirPowerが登場すれば様々なデバイスが一気に充電可能になるかも
↑AirPowerが登場すれば様々なデバイスが一気に充電可能になるかも

 

iPhone 8 Plusは進化したポートレート撮影が可能

iPhone 8/8 Plusともに1200万画素(F1.8)の広角カメラを搭載します。また、iPhone 8 Plusはデュアルカメラなので、1200万画素(F2.8)の望遠カメラも搭載します。8 Plusのみ、ポートレートモードによるボカシ撮影をサポート。望遠レンズとデジタルズームを合わせて最大10倍のズームが行える点は7 Plusと同様です。一方、細部は刷新されており、センサーサイズが大きくなり、カラーフィルタも新しくなっています。

↑iPhone 8 Plusの背面カメラ
↑iPhone 8 Plusの背面カメラ

 

ポートレイト撮影では、新機能として「ポートレイトライティング」が使えるようになりました。まだβ版という扱いですが、撮影時または撮影後の編集時に、被写体に対するライティング効果を選択できます。ライティング効果の選択肢としては「NATURAL LIGHT(自然光)」「STUDIO LIGHT(スタジオ照明:くっきり写す)」「CONTOUR LIGHT(輪郭強調照明:印象的な影に)」「STAGE LIGHT(ステージ照明:暗い背景にスポットライト)」「STAGE LIGHT MONO(ステージ照明のモノクロ)」の5種類があります。

↑ポートレートライティングの使用イメージ
↑ポートレートライティングの使用イメージ

 

また、動画撮影に関しては4K・60fpsの高解像度撮影や、1080p・240fpsのスローモーション撮影に対応します。ストレージは64GB・256GBモデルの2種類展開ですが、ポートレート撮影や、こうした動画をたくさん撮影したい場合には、大容量版を選択すべきかもしれませんね。

↑スローモーション動画(1080p・240fps)を撮影可能
↑スローモーション動画(1080p・240fps)を撮影可能

 

A11 Bionicチップを搭載しARコンテンツも利用可能

iPhone 8/8 Plusの頭脳には、最新のA11チップが搭載されています。コア数は6で、内2つが高パフォーマンス、4つが高効率のコアとして作用します。また、GPUには初めてAppleが設計したものを搭載し、A10チップと比べ消費電力は1/2になり、30%高速化しています。ニューラルエンジンを搭載していることも、技術的には大きなトピックです。

 

こうした処理能力の向上により、VR関連のアプリを滑らかに起動できます。タッチアンドトライ会場でのデモでは、ロボットでバトルするアプリが紹介されていました。iPhoneの位置・角度を調整することで、画面の中に映る映像も、様々な角度で見ることが可能です。将来的には、ゲームだけでなく、様々なジャンルのサードパーティ製アプリで活用されることも期待されます。

↑ARを活用したアプリの例
↑ARを活用したアプリの例

 

↑各機の価格(USD)について
↑各機の価格(USD)について

 

どうしても10周年を記念して登場した「iPhone X」に注目しがちですが、端末代を抑えたい人、慣れ親しんだホームボタンでの操作を維持したい人にとっては、iPhone 8/8 Plusも魅力的な端末です! 選択肢の1つとしてしっかりチェックしておきましょう。