スマホは大画面化が進み、どんどんハイスペックになっていますが、そのなかでも異彩を放っているのが2画面スマホ。本体にサブディスプレイ付きのケースを装着すると、2枚のディスプレイを使用できる端末です。
そんな2画面スマホの最新モデルが、昨年末にドコモから発売されたLG VELVET。今回は自宅でのリモートワーク環境にLG VELVETを組み込むことにトライ。2画面スマホは使いやすいのか? 2画面をどう使いこなすのか? 魅力を探ってみました。
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意外に持ちやすいサイズ感
LG VELVETは片側にディスプレイが付いた折りたたみケースに本体を装着することで、2画面として機能します。開いたときの大きさは、新書サイズとほぼ同じ。重量も約309gと普通のスマホの2倍ほどあるので、両手で操作するのが基本スタイルになります。
2画面の大きさにもっと圧倒されるかと思っていましたが、実際に触ってみると予想よりもずっとスリムです。ケースのヒンジ部分は開閉時にしっかり抵抗があるので角度が調整しやすく、片手でも安定して持っていられます。
ケースの表側には、時刻や通知を確認できる小さなディスプレイが付いています。背面はスーツケースのような凹凸のあるデザインをしていて、左上から3つのカメラレンズがのぞきます。
リモートワークで便利な使い方は?
筆者は現在ノートPCとiPad(撮影した写真の確認やビデオ会議用)を使って作業していますが、今回は普段使いのスマホをLG VELVETに変えて、3台目のデバイスとして使ってみました。リモートワークにおける2画面ならではの便利な使い方をレポートします。
使い方その①:ビデオ会議+予定、メールチェック
リモートワークで必須となったのがビデオ会議。いつもならiPadで会議中の画面を表示しつつ、パソコンでメールや週内の予定、各作業の進行状況などを確認しますが、LG VELVETなら2画面で同時にできます。
横向き時はスマホ本体側を下にするほうが安定しますが、フロントカメラも本体側に付いているため、机に置くとこちらの顔が映りません。手持ちしなければいけないのは不便では? と思うかもしれませんが、反対にリモートワークだからこそのメリットに気づきます。
たとえば、キッチンで朝のコーヒーを一杯淹れてデスクに戻る、というルーティーンのあいだもLG VELVETを持ちながら会議に参加できます(部屋が映るとか、そういう問題は置いておいて)。また、子どものそばで面倒を見ながら作業しないといけない瞬間もあるでしょう。そんなときにLG VELVETの持ち運びやすさが役立つのではないかと思うのです。
ちなみに、スマホ側とサブディスプレイでは起動中のアプリ画面を入れ替えられます。操作のしやすさにあわせて、入れ替えるとよいでしょう。
使い方その②:ウェブ閲覧+ウェブ閲覧
LG VELVETでは、専用のブラウザアプリ「Whale」を使うと、片側にウェブサイトを表示しながらもう一方の画面でリンク先を開けます。ニュースサイトで気になる記事を探しつつ、読みたいものをダブルタップしてサブディスプレイで開いて読む、という使い方ができます。
朝は日々のニュースに加えてJリーグの移籍情報をチェックするのが習慣なのですが、元のサイトを開いておけるのでページ移動にかかる手間が圧倒的に少なくなります。空き時間にまとめてニュースに目を通している人は、さらに効率よくチェックできるはずです。もちろん、リモートワークに限らず普段の情報収集にも役立つでしょう。
また、リンクの共有もすばやくできます。筆者は、あとで読みたい記事をSlackの個人チャンネルによく投げておくのですが、片側にアプリを開いておけばすぐにコピペできるので便利でした。
使い方その③:動画視聴+メール、Slack
自由に休憩時間をとれるリモートワークでは、一息ついているときにメールが届くこともよくあります。休憩中とはいえ、メールの内容ぐらいはすぐに確認しておきたいですよね。そんなとき、YouTubeやNetflixなどを閉じずに、もう一方の画面でメールを開けます。
動画を再生したまま確認できるので、「休憩してたのに!」とムッとせずに済みます(筆者が普段ムッとしているわけではありません)。
休憩中にゲームを楽しむ人も多いかと思いますが、LG VELVETでは片方の画面をコントローラーにして遊ぶことができます。対応アプリに限られますが、ゲーム画面に指が重ならないので、より没頭しやすいはず。両手で持ったサイズ感は、ニンテンドーDSやPSPで遊んでいた頃を思い出しました。
使い方その④:通話+メモ
そうやって遊んでいると、電話がかかってくることもあります(汗)。普段ならデスクに戻ってメモを取る準備をしますが、LG VELVETは電話をつないだままメモアプリ(筆者の場合はSlack)を開いて用件を残せるので便利でした。
些細なことですが、急いでペンとメモ用紙を用意する必要がないのは想像以上に楽でした。休憩中にいきなり電話があっても、慌てずに対応できます。もちろん、リモートワークに限らず、外出先でかかってきた電話でも用件をしっかりメモできるはずです。
スマホ単体でも魅力的
スマホ本体の特徴にも触れておきましょう。本体は縦長スリム。左右両側が丸みのあるデザインなため、グリップ感も非常に良し。有機ELディスプレイは約6.8インチ。ベゼルは極細ではないものの、表示領域はじゅうぶん確保しており、ウェブサイトも見やすくなっています。
アウトカメラは、標準(約4800万画素/F1.8値)+広角(約800万画素/F2.2値)+深度(約500万画素/F2.4値)の3眼構成。被写体やシーンを自動で識別し、最適な設定で撮影できます。しずくが落ちるようにレンズが配置されているのもユニーク。背面の質感やカラーリングは、非常に洗練された印象を与えます。
写真の仕上がりとしては、シーンを選ばずきれいに撮れます。「ナイトビュー」モードでは明るさを調整して撮影可能。他にもポートレートモードや、ささやきや咀嚼音を録音できるASMR撮影も利用できます。
OSはAndroid 10、CPUにはSnapdragon 765Gを採用。RAM(メモリ)は6GB、ROM(ストレージ)は128GBとなっています。バッテリーは4300mAhの大容量。ただし、2画面ぶんの消費になるため、何日も充電せずに使えるわけではありません。
生体認証は指紋に対応し、本体ディスプレイ下部に指紋センサーを搭載します。またIPX5/8の防水性能と、IP6Xの防塵性能を備えます(サブディスプレイには防水防塵性能はなし)。
LG VELVETを使う前は、“スマホとタブレットのあいだ”に位置するデバイスだと思っていましたが、「2画面」という独自の強みを持った端末であると思います。ビデオ会議+予定確認といったリモートワークならではのマルチタスクを効率よくこなせるのはもちろん、スマホ単体としても非常に使いやすい1台です。
マルチタスク自体は普通のAndroidやタブレットでもできますが、<2画面のマルチタスク端末>と<スマホ単体>を自由に切り替えられるのは、LG VELVETだけの魅力。また、大画面でいえば折りたたみスマホという選択肢もありますが、切り替えができる対応力と価格の面でLG VELVETを推したいです。
ドコモではスマホ単体でも販売していますが(税込7万480円)、デュアルスクリーンを別途購入することはできないので、セットで購入することをおすすめします。
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