Metaの「47.5%のメタバース手数料」を巡ってアップルから痛烈なツッコミが…

ink_pen 2022/4/15
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Metaの「47.5%のメタバース手数料」を巡ってアップルから痛烈なツッコミが…
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

元FacebookのMeta社は、いわゆる「メタバース」内でのデジタル資産販売に対して47.5%もの手数料を取る予定であることを明らかにしていました。これに対してアップルが、「わが社のApp Store手数料(15~30%)に文句を言ってきたのに偽善的だ」とツッコミを入れています。

 

画像引用元:shutterstock

 

まずMetaはクリエイターの売上から、Quest Store(VRヘッドセットMeta Quest用のアプリストア)手数料を30%差し引きます。さらに残りの70%から25%を徴収するため、合計すると47.5%もの「メタバース税」になるわけです。ちなみにMetaのザッカーバーグCEOは、「市場ではかなり競争力のある手数料だと思います」と自信たっぷりに述べていました

 

この計画に対して、アップルの広報担当Fred Sainz氏は「Metaは、アップルがApp Storeでのアプリ内課金で30%の手数料を取っていると繰り返し非難し、ことあるごとに中小企業やクリエイターをスケープゴート(身代わり)にしてきました」と前置き。その上で「Metaは同じクリエイターに、他のどのプラットフォームよりも段違いに高い手数料を課そうとしているのです」と皮肉っています。

 

さらにSainz氏は「Meta社の発表は、偽善を暴露している。自分たちは無料でAppleのプラットフォームを使おうとしながら、自らのプラットフォームを使うクリエイターや中小企業から喜んで搾取するのです」と語っています。

 

実際、Facebookやザッカーバーグ氏は、アップルのApp Storeが15~30%の手数料を取ることが反競争的で独占的だと繰り返し批判してきました。そして2020年6月には、2023年まで有料オンラインイベントやファン向けサブクリプションなどFacebookのクリエイター向けツールの手数料を無料化し、それ以降は「アップル等が取る30%よりも低い手数料」を発表すると述べていたことがあります

 

しかし、その後に「低い手数料」は発表されることなく、逆にメタバースでの47.5%もの手数料を発表した次第です。今回のアップルの批判はもっともなことかもしれません。

Source:MarketWatch
via:MacRumors

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