デジタル
2016/10/4 20:47

副業したい人必見! 自分の写真を販売できるストックフォトサービス「Adobe Stock」が本格稼働

2016年、副業としての「ストックフォト」が密かなブームを迎えています。良いカメラと写真のセンスさえあれば一発当てるチャンスもあるかも!?  今回はAdobeが9月30日に設けた「Adobe Stockコントリビューター開始記念」のイベントを取材してきたので、同サービスの概要についてご紹介します。

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そもそもストックフォトって何?

そもそも、「ストックフォト」とは、デジタルな写真データの使用ライセンスを販売するサービスのこと。デジカメがなかった時代の名残で、「レンタルポジ(レンポジ)」とも呼ばれます。例えば、Googleで「ストックフォト」と検索してみると、「PIXTA」「Fotolia」「アフロ」「アマナイメージズ」「iStock」など、様々なサービスがヒットします。

↑ストックフォトサービス「アマナイメージズ」のサイト画面
↑ストックフォトサービス「アマナイメージズ」のサイト画面

こうしたサービスには、多くの写真が出展されていて、バイヤー(写真を購入する人)はお金を払って写真の使用ライセンスを取得します。例えば、出版社やウェブメディアなら、本の表紙や記事のサムネイルに使うイメージ画像を簡単に手配可能。クリエーターなら、Tシャツやマグカップを作る際に必要なデザイン素材を素早く入手できるといった具合です。つまり、登録されている画像素材の大多数は、企業やクリエーター向け。写真の品質や価格の相場は、サービスによって異なっていて、高品質で高価格な画像を扱うものから、リーズナブルな画像を取り扱うものまで様々です。

↑ストックフォトサービス「Adobe Stock」で「カメラ」と検索した画面。たくさんの素材が販売されている
↑ストックフォトサービス「Adobe Stock」で「カメラ」と検索した画面。たくさんの素材が販売されている

ストックフォトに写真を提供する人は、「コントリビューター(寄稿者)」と呼ばれます。バイヤーが購入した写真のサイズや枚数によって、コントリビューターにも決められた額のお金が入ってくるという仕組み。もちろん、充分な利益を出せるのは、一部のトップクリエーターに限定されるようですが、センスさえあれば一般人でもお小遣い稼ぎのチャンスはあるでしょう。

 

「Adobe Stock」がコントリビューター向けサイトをオープン

さて、今回取材してきたイベントは、“そんなストックフォトサービスの一つである「Adobe Stock」がコントリビューター向けのポータルサイト(パブリックベータ版)をオープンした”というもの。「Adobe Stock」というサービス自体は1年前から提供されていましたが、従来は写真などの素材を使えるだけでした。今回改めて、コントリビューターやバイヤーが自由に参加できる体制が整った形となります。

↑今回取材したのは「Adobe Stock」
↑今回取材したのは「Adobe Stock」

 

↑9月30日に開催された「Adobe Stock」コントリビューターサイト公開記念イベントの様子
↑9月30日に開催された「Adobe Stock」コントリビューターサイト公開記念イベントの様子

 

↑Adobe Stockの購入オプションには、単品購入のほか月々プランと年間プランが用意される。画像点数は1か月あたり10点、350点、750点の3パターンがあり、用途によって選べる
↑Adobe Stockの購入オプションには、単品購入のほか月々プランと年間プランが用意される。画像点数は1か月あたり10点、350点、750点の3パターンがあり、用途によって選べる

 

最大のポイントは同社が提供する「Photoshop CC」や「Illustorator CC」「InDesign CC」などのソフトと連携して利用できること。Adobe Stockに投稿したコンテンツは「Creative Cloud」ユーザー向けに公開されます。

↑Adobe Stockの利点
↑Adobe Stockの利点

 

 

↑今回の主要なアップデート
↑今回の主要なアップデート

 

コントリビューターにとって有用な機能としては、「自動タグ付け機能」と「Creative Cloudとの連携」の2つがあります。投稿した作品には、検索用のタグを自動で付加。また、Creative Cloudのソフトからそのまま投稿できます。ただし、ベータ版の期間中では、「Lightroom CC」と「Bridge CC」からの投稿のみに対応するとのこと。対応アプリケーションは今後拡大していく予定です。

 

バイヤーはPhotoshop CCなどのアプリケーションから直接Adobe Stockの素材を購入できます。「これによりいちいちeコマースサイトを見るよりも10倍早くなる。デザイナーにとって、こうした時間節約効果は極めて重要である」、とアドビ システムズのスコット・ブラウト氏は述べます。

↑アドビ システムズ社 Adobe Stock コンテンツ戦略担当のスコット・ブラウト氏
↑アドビ システムズ社 Adobe Stock コンテンツ戦略担当のスコット・ブラウト氏

 

 

コントリビューターの条件は18歳以上であること

コントリビューターになる条件は、18歳以上であること。また、販売用にアップロードするすべてのファイルの単独所有者であることです。ちなみに販売素材に特定できる人物または私有財産が含まれる場合には、署名付きの承諾書を添付する必要があります。

 

クリエーターの登録手続きは「Fotolia」のウェブサイトから行う仕様で、投稿した写真は「Adobe Stock」以外にもFotoliaやアプリケーション、APIパートナーなど様々な販路で販売されることになります。

↑Adobe Stockで販売できるファイルタイプと、ロイヤリティの比率
↑Adobe Stockで販売できるファイルタイプと、ロイヤリティの比率

 

販売できるコンテンツの種類は、写真・ビデオ・ベクター・イラストの4種類。ジャンルは「文化・テクノロジー・ファッション・食べ物・ポートレイト・ライフスタイル・建築・ビューティ・ビジネス」など多岐にわたります。コンテンツが販売されると、写真・ベクターでは価格の33%、ビデオでは35%が報酬としてコントリビューターに支払われます。支払いはFotoliaクリエーターアカウントに直接コミッションが支払われるので、ペイパルまたはSkrillを使って自身の銀行口座に送金することになります。

↑会場で振る舞われた「Adobe Stock」印のドリンク。仕事中だからと我慢せずに呑んでおけばよかった
↑会場で振る舞われた「Adobe Stock」印のドリンク。仕事中だからと我慢せずに呑んでおけばよかった

 

さて、最後になりますが、Adobe Stockで求められるコンテンツには、下記のような特徴があるようです。

 

「クオリティが高い/カラフルなイメージ/ファッショナブルである/ストーリーがある/構図が整っている/クリエティビティがある/シンプルである」、そして何より、“コントリビューター自身がよく知っているもの”をコンテンツにするとよいとのこと。カメラの腕に自信がある人は、挑戦してみてはいかがでしょうか。