米ラスベガスに建設され「世界最大の球体」として注目を集めるMSG(マディソン・スクウェア・ガーデン)スフィアが、いよいよ本格的なテストを開始しました。
MSGスフィアの広さは1万4864平方メートルで、1万7600人の収容が可能なアリーナ。その最大の特徴は、内側と外側を高精細のLEDパネルが覆い尽くしていること。外側のLEDは約5.4万平方メートルで「世界最大」、内側は約1.5万平方メートルで「世界最高の解像度」が謳われています。
これにより会場の外からもコンサートが楽しめる(宇宙空間からも視認できるとのこと)一方で、最大の魅力は内側のディスプレイでライブ・エンターテインメントに囲まれて没入できることです。
@LasVegasLocally
First animation of the MSG Sphere this morning. This is going to be the coolest building in the world. pic.twitter.com/oq8sxZYOrv— Michel (@MichelR3764150) July 1, 2023
MSGのジェームズ・ドラン氏とデヴィッド・ディブル氏は『Rolling Stone』誌に、「ゴーグルなしでVR体験ができたら最高じゃないか。それがスフィアなんだ」と語っています。
クリエイターらは特殊なカメラにより、観客を包み込むような映像を制作できるとのこと。また特定の音を分離したり、特定の観客だけに対象を限定できる16万4000個のスピーカーもあり。たとえば、スペイン語のセリフを一部の客席だけに聞かせることもできます。
さらに約1万の座席には冷気や熱気、風やアロマを顔に吹き付けるオプションもあり、4Dシアター的な楽しみ方もできるそうです
この会場は9月29日に初公演が行われ、アイルランドのロックバンドU2がライブを開催する予定です。すでにチケットは完売しているため、スフィアの初回公演がどうなるかはSNSでの報告を待つしかなさそうです。
MSGスフィアの建設は2019年に始まりましたが、新型コロナ禍や建設の難しさにより、コスト総額は23億ドルに膨れ上がると見積もられています。これはラスベガスでも史上最高額の会場となり、MSGが投資を回収できる保証はありません。
とはいえ、全世界を見渡しても、唯一無二の空間であるのは確かなこと。eスポーツ大会や総合格闘技の試合のほか、様々な用途に活用されると期待したいところです。
Source:Michel(Twitter),Rolling Stone
via:Engadget