24時間365日、最新の気象・防災情報を発信し続ける「ウェザーニュースLiVE」。YouTubeの登録者数は98.2万人を超え、日々の生活を支えるコンテンツとしてますます多くの人に愛されています。この番組を毎日生放送でお届けしているのが気象キャスターたち。GetNavi webではそんな皆さんの活動を紹介するとともに、それぞれのプライベートな一面に迫った連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」を展開中! 第14回に登場していただくのは山岸愛梨キャスター。ウェザーニュースLiVEのことを誰よりも深く知るキャスターだけに、取材は2万字超えのロングインタビューに。その模様を前・後編にわたって、余すことなくお届けします!
<ウェザーニュースLiVE×GetNavi web連載>
連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」一覧はこちら
第14回・山岸愛梨キャスター≪前編≫
【山岸愛梨さん撮り下ろし写真】
気象予報士の資格がないことで、悔しい思いをたくさんしてきました
──連載第14回は山岸愛梨キャスターのご登場となります。前回の檜山沙耶キャスターは山岸さんのことを「仕事の先輩としてだけでなく、女性としても、人としても尊敬しています」とお話しされていましたが、山岸さんから見た檜山キャスターの魅力とは?
山岸 さやっちは自分の好きなことを広めるのが得意なキャスターだなという印象があります。さやっちがウェザーニュースLiVEに入ってくるまでは、天気を伝える番組だけに、あまりプライベートな趣味の話をし過ぎるのはよくないのかなという風潮があったんです。全くなかったわけではないのですが、私も自分のなかに多少のストッパーをかけ、バランスを意識しているところがあって。でも、そうした枷を外してくれたのがさやっちだったように思います。型にはまらない言動で番組をさらに面白いものにしてくれましたし、今こうして、他のキャスターたちがのびのびと視聴者に向けて楽しく好きなことを話せるのは、まさしくさやっちのおかげですね。
──確かに、キャスターとの距離の近さや親しみやすさはウェザーニュースLiVEの大きな特徴の一つだと思います。そうしたなかで山岸さんは前身の番組(SOLiVE24)から活躍されていますが、キャスターとしての立ち位置などに変化を感じることはありますか?
山岸 どんどん変わっていっている感じはします。SOLiVE24として始まったのが10年以上前で、当初はキャスターに天気の知識がほとんどない状況でした。むしろ、ない方がいいと言われていたんです。気象予報士さんたちが解説をしてくださり、それに対して私たちが一般的な感覚で質問をし、専門的な用語が出てきたら噛み砕いた説明を乞うという役割を担っていたんですね。ですから、私もまるで知識がない状態でキャスターをしていたのですが、さすがにこれだけ長くやっていると、同じ立ち位置のままではダメだなと思うようになっていって……。
──世間的には、“この人はいつになったら天気のことが少しは分かるようになるんだろう”と思われそうですよね。
山岸 そうなんです。むしろ、ずっと見続けてくださっているサポーターさんのほうが詳しいと思われてしまう(笑)。それもあって、番組と一緒に私たちも成長していかなければいけないと思うようになりました。今は視聴者さんが求めているものや、それに合わせてキャスターが提供できるものは何かを考えるようになりましたし、常にスタッフさんと相談をし合いながら番組やキャスターの向上を図っていますね。
──以前、小林李衣奈キャスターに登場していただいた際、山岸さんから「素朴な疑問を持つことは視聴者さんに一番近い感覚でもあるから、いつまでも大事にしないといけないよ」と教えてもらったというお話をされていました。そうした知識のバランス感覚を持ち続けることも必要なだけに、改めて気象キャスターは大変なお仕事だなと感じます。
山岸 そう言っていただけると嬉しいです。やはり、長く続けていると感覚がずれていくんですよね。例えば、先日も天気に関する原稿の打ち合わせをしていてスタッフさんと霧の話題になり、「今日は視程が悪いですね」と言ったことがあったんです。その時、ディレクターさんに「視程という言葉は、普段あまり使わないと思いますよ」と指摘を受けて。
──誰もがすぐに頭に思い浮かぶ言葉ではないかもしれません。
山岸 ですよね。でも私は、「え? 使うよ!?」と思って(笑)。そうやって、何が専門的な言葉なのかが分からなくなってくると、番組をご覧になっている方に伝わらない情報がどんどん増えていくと思うんですね。だからこそ、新しく入ったキャスターたちには素朴な疑問を抱く感覚を持ち続けてほしいし、それらの疑問を後輩から投げかけられることで、逆に私たちも勉強しているところがあるんです。
──山岸さんは気象予報士の資格も取られていますが、それは何がきっかけだったのでしょう?
山岸 やはりキャスターにも知識を求められるようになってきたからです。ウェザーニューズでは天気の配信番組以外にも、幕張メッセで「そら博」というイベントを開催したり、また、天体関係のイベントにゲストやMCで呼ばれることも増え、気象キャスターがどういうものなのかを知らない方たちとお会いする機会もできてきました。すると、なかには、気象予報士の資格を持っているかどうかで私たちを判断する方がいて。そうした人たちに、こちらがどれだけ一生懸命に天気に関する情報を伝えても、届かないし、響かないという悔しい思いをしたんです。
──なるほど。逆に言えば、気象予報士の肩書があることで言葉に説得力が増すことにもなりますね。
山岸 そうなんです。それで、当時は番組のシフトの関係で試験日に休みが取れるとは限らなかったりと、半ば資格を取りにいくことが難しい状況だったのですが、悩んだ結果、“やっぱり取るべきだ”と自分で判断し、試験を受ける決意をしました。いざ取ってみたら、ますますこの仕事が楽しくなりましたね。知識があることで番組内で解説員の方々に質問できる内容にも変化が生まれましたし。まだまだ勉強しなければいけないことだらけですが、日々、知識が深まっていっている今が一番楽しいです!
──天気は生活に密着しているものですし、ウェザーニュースLiVEをきっかけに、同じように天気に興味を持つようになった視聴者も多いのではないかと思います。
山岸 そうだと嬉しいですね。私も外出先でウェザーニュースの天気予報どおりだったりすると、「本当だ! 当たってる!!」ってテンションが上がったりしますから(笑)。
──(笑)。気象予報士の資格を持っていると、友人に天気を聞かれることも多いんじゃないですか?
山岸 一緒にいる時に空が少し曇ってきたりすると必ず聞かれますね。「ねえ、この後どうなの?」って(笑)。ある程度は調べて外出しているので簡単な答えを返すことはできるんですが、休日はずっと最新の天気予報を追っているわけではないですし、そういう場合は、「ちょっと待って、天気図を見るから」って答えています。でも、なぜかそう言うと「ズルい!」って言われるんです。何がズルいのか分からないんですけど(笑)。
──空をパッと見ただけで確実な天気が分かるわけではないのに(笑)。
山岸 ほんとに! 気象予報士だとそれができるイメージがあるんでしょうね。でもそれって、ハサミなしで美容師に髪を切れと言ってるようなもので。“せめて、天気図ぐらい見させて!”って思います(笑)。
対決企画はキャスターの個性が出ますね。みんな、ガチですから
──ウェザーニュースLiVEでは昨年頃から、季節などに合わせた様々な企画が番組内で多く行われるようになりました。山岸さんのなかで特に印象的だったものは何でしょう?
山岸 一つを選ぶとするなら「キャスター対抗握力選手権」ですね。もともとは「10月のスポーツの日に何かやりましょうよ」という、私とスタッフさんとの会話の中で生まれた企画だったんです。ただ、キャスターのなかには運動が得意な人もいれば、そうじゃない人もいるので、苦手にしている子がイヤな思いをするのだけは避けたくて。その点、握力測定であれば誰もダメージを受けないかなと思ったんです。強ければ称賛されるし、弱くても“かわいい!”と思ってもらえそうだなって。そうしたら意外とみんな真剣に挑んでいて(笑)。視聴者の皆さんも喜んでくれましたし、この「握力選手権」をきっかけに、その後も企画モノが増えていったような気がしますね。
──悔しさをにじませて何回もトライしているキャスターさんもいましたね。
山岸 みんなの意外な一面が見られるし、勝負事に対する姿勢や個性が出ますよね。力を入れる時に叫びすぎて怒られた子もいましたし(笑)。私はこの日が番組の出演日じゃなかったこともあって挑戦できなかったので、今年こそは参戦したいなと思います。
──こうした対決企画はルールが若干曖昧で、そこもちょっと名物化していますよね。一番手で挑むキャスターが人柱になっていたり(笑)、全体的に探り探りになっていたり。
山岸 そこは要改善だなと思っています。視聴者の皆さんに楽しんでいただくためのバラエティ企画とはいえ、キャスターはみんな本気で取り組んでいるので、ルールを最初に明確にしておかないと不公平感が出ますから。というのも、「りんごの日」に「りんごの皮むき選手権」をしたのですが、そこでもちょっとした問題が出たんです。チャレンジをする際に手袋をするかしないかが選択できるルールだったのを、競技を開始する前に視聴者の皆さんにうまく伝えられていなかったため、ルールへの質問コメントを多数いただきました。まさかこんなに真剣勝負になると思わなかったのですが、頑張った選手たち(キャスター)のためにも、視聴者の皆さんに純粋に楽しんでいただくためにも、もっと丁寧にルール説明をするべきだったと、あとでさーやん(江川清音キャスター)と一緒に反省会をしました。「やっぱりスタッフさんたちに任せっきりにしている私たちもダメだよね」「疑問点がある時は積極的に伝えていかなきゃね」って、長文のLINEを何往復もやりとりして(笑)。
──キャスターさんたちの本気度が伝わってきます。
山岸 そりゃあもう、ガチですから!(笑)
──そうかと思えば、「勤労感謝の日」のキャスター同士がクロストークで日頃の感謝を伝え合う企画では、途中から手紙を渡し合うという想定外の展開になっていました。
山岸 涙腺崩壊の感動企画になっていましたね。あれはゆいちゃん(駒木結衣キャスター)が最初にメッセージを手紙のようにしたためるということを始めたんですよね。そうしたら、続くキャスターたちも同じように紙に書いて用意するようになって。ルールではないものの、プラスの方向に形ができあがり、より素敵な企画になっていきました。あの“感謝を伝え合う”というアイデアはスタッフさんによるもので。絶対に『HUNTER×HUNTER』に出てくる「感謝の正拳突き」をヒントにしたんだろうなと思っていたら、「そのとおりです」とおっしゃっていました(笑)。本当にいい企画でしたので、またいつか別のキャスター同士の組み合わせでやってみたいですね。
視聴者の皆さんに「へぇ〜!」と言ってもらいたい! “1日1へぇ〜!”を目指しています(笑)
──普段の番組への取り組み方ついてもお聞きしたいのですが、本番前のブリーフィングではいつもどのようなことを意識されていますか?
山岸 私にとってのブリーフィングは復習の時間だと思っています。というのも、出演がある日はずっと準備をしているんです。朝起きると、まずウェザーニュースLiVEをつけて最新のお天気情報を頭に入れ、他にもいろんな気象データを確認し、会社に着いてからは“変わりはないかな?”と復習をする感じで。ですから、ブリーフィングの時には、すでに自分の中に番組内でお届けする天気の情報ができている状態になっています。もちろん、解説員の方との打ち合わせの中で新しい疑問が生まれれば、“ここは視聴者も知りたいことかも……”と、番組の構成内容をブラッシュアップさせていきます。ただ、なかには内容が複雑過ぎて、番組中に説明し切れないまま時間切れになってしまう可能性もありますし、視聴者の皆さんを混乱させることにもなりかねないので、そこもブリーフィングの間に解説員の皆さんに相談しますね。
──それだけいろんな準備をされていたり、本番中に伝えたいことがあると、インターバル中も休めなさそうですね。
山岸 もう、ずっと忙しいです(笑)。インターバル明けの準備をしたり、時間ギリギリまでストップウォッチで時間を測りながら原稿を読み直したり。雨の日はアメダスを見て“雨脚が強まっているところはないかな……”とチェックもします。それに、どれだけ準備をして番組の構成を考えてきても、番組中に天気が荒れてくると全く無意味なものになってしまうんです。そうした時は、番組を進行しながら、新しい構成を頭の中で作り上げていかないといけませんし、インターバル中はスタッフさんと直接打ち合わせができる時間でもあるので、本当に休んでいる暇がないですね。私のなかでインターバルはひと息つける数分間というより、さらに番組を良くしていくための時間だと思っていますから、その意味では本番以上に集中力が増しているかもしれません。
──番組がスタートすると、終了までの3時間の間に落ち着く時間がないんですね。
山岸 いえ、もちろん、そんな修羅場のような状況がずっと続いているわけでもないですけどね(笑)。天気がお穏やかな日の「おやつリポート」や「ごはんリポート」、それに動物の写真を紹介するような時間はただただ楽しいです(笑)。「おいしそう〜」とか「かわいい〜」という感想にウソがないのは本当に心から癒やされているからです(笑)。
──いろんな空の景色や季節感のあるリポート写真もお天気番組ならではだなと感じられて、見ていて楽しいです。
山岸 ほんと、素敵なリポートばかりですよね。ただ、そうしたリポートの紹介にも難しさを感じることはあります。今おっしゃってくれたように自然現象にまつわる写真が届いたりするのがウェザーニュースLiVEの魅力ではあるのですが、だからこそ、「きれいですね」で終わってしまうのはもったいないと思うんです。せっかく天気の番組を見てくださっているわけですから、例えばダイヤモンドダストの写真に対して、「これは水蒸気が凍ったものなんですよ」とか、「晴れていて風が弱い時に出るんですよ」といったひと言があるだけでより楽しさが増すんじゃないかなって。視聴者の皆さんにとっても、「そうなんだ。貴重な現象なんだ」と知るきっかけになると思いますし、そうしたちょっとしたことが、「またこの番組を見てみよう」ということに繋がっていくと思っているので、いつもリポートの写真の1つひとつをすごく大事にしていますね。
──でも、とっさにそうしたプラスアルファの情報を届けられるのも、準備や知識があればこそですね。
山岸 そうですね。それもあって、私は事前にシミュレーションをよくするんです。“今日はこういう天気だから、あの現象が出るんじゃないかな”とか、自分の出番の直前まで他のキャスターの放送を聞いて、“あ、こんなリポートが届いていてるのか”と傾向をつかんでおいたり。スマホアプリで皆さんからの投稿を見て、番組中に話題に出してほしそうな情報も調べていますね。
──そこまでされているんですね。
山岸 皆さんに「へぇ〜!」って言ってもらいたいので(笑)。“1日、1へぇ〜!”を目指していますから(笑)。
──そうやって一枚の写真から天気に関するいろんな情報へと話題が広がっていくと、投稿者も嬉しいでしょうね。
山岸 そこも、この番組の大事な要素だと思っています。私たちにとっては毎日届くたくさんのリポートの1つでも、送ってくださった方にとっては渾身の1枚だったりするわけです。時間をかけて何枚も撮って、その中から選んでくださっている方もいるでしょうし。そうした、気持ちを込めて写真を送ってくださるサポーターさんたちがいるから、私たちの番組が成り立っているんだということは絶対に忘れてはいけないと思っていて。イベントなどで、ときどきサポーターさんから、「何年か前に僕の桜の写真のリポートを読んでもらったことがあります」と話しかけられることもありますし、「どんな写真を送ればいいのか悩みました」とおっしゃる方もいますから。その皆さんの気持ちは大事にしなきゃと常に心に留めていますね。
──そうしたやりとりにはラジオに近いものを感じますね。
山岸 まさにそうだと思います。私もラジオが大好きで、毎日聞いているんですが、メールを送るリスナーさんと、それを読む方々が一緒になって番組を作っている関係性はすごくラジオに似ていますよね。
(後半に続く)
<山岸キャスターに15の質問!>
Q01.ご自身ではどんな性格だと思いますか?
山岸 元陸上部で短距離走をやっていたのですが、性格も短距離選手みたいな感じです(笑)。集中すると視野が狭くなってしまって、手を抜くとか、途中でやめるというのが苦手で。ただ、その分、長く続けていると疲れて、失速しちゃいます(笑)。周りから「ストイックだね」と言っていただくこともあるのですが、単純にペース配分が苦手なだけかも……(苦笑)。
Q02.“パブリックイメージとはここが違う”というところはありますか?
山岸 先ほどお話ししたような性格なので、視聴者の皆さんに体調を心配されることが多いんです。「あいりんはねて!」「もう、休んで!」とよく言われるので、それを思うと、間違いなく私の性格は皆さんに浸透していますね(笑)。中途半端に「これぐらいでいいや」っていうのが本当にできなくて。与えられた仕事は全力で何でもやる。だから、皆さんにも心配をかけてしまう。ほんと、皆さんを不安にさせないように気をつけなきゃなといつも思っています。大丈夫です、ちゃんと寝ているし、ちゃんと休んでいます(笑)。
Q03.気持ちが一番盛り上がる天気は?
山岸 星が大好きなので、星がきれいに見える快晴の冬の夜。気温が低ければ低いほどハイになりますね。“冬の星座を見ているぞ!”“寒いけど、きれいだぞ!”という気持ちになって(笑)。どれだけ気温が低くても、夜空を見上げて星がきれいだったりすると、そのまま散歩しながら帰っちゃったりもします。
Q04.テンションを上げたい時にすることは?
山岸 試合前に音楽を聴いて気持ちを奮い立たせるアスリートに憧れているので、私もお仕事前に音楽を聴いています。特にアニソンが大好きで、なかでも『ジョジョの奇妙な冒険』をよく聴いています。先日、アニメの第6部が完結したところなのですが、第1部から第6部までの主題歌をプレイリストに入れて、頭から順番に聴きながら出社しています(笑)。『ジョジョ』はそれぞれのキャラクターが魅力的で、敵にも味方にも正義があるんです。私もそうしたこだわりを持った人間でありたいと思っているので、会社に行く前に一回、自分のなかに“ジョジョ養分”を入れて、“よし、戦いに行くぞ!”という気持ちで番組に臨んでいます(笑)。
Q05.時間やスケジュールを上手に管理する方法を教えてください。
山岸 私、時間の管理が本当に苦手なんです。仕事が絡む場合は別で、絶対に寝坊をしたり、遅刻をしたりすることはないのですが、休みの日はずーっとダラダラしちゃいますね。ギリギリになるまで何もやらないので、むしろ時間の上手な使い方を教えてほしいぐらいです。ちくわ(愛犬)の散歩があるので休日でも朝は早く起きるのですが、帰宅してからもう一回寝て、昼になってまたもぞもぞと起きだすというのがオフの日常です(笑)。
Q06.今後、番組でやってみたい企画は?
山岸 季節ならではのいろんな企画に挑戦したいです。というのも、季節の行事ごとなどをプライベートではすごく雑に扱っちゃうんです。恵方巻を食べる習慣がなかったり。この番組がなければ、きっと七草粥は一生食べなかっただろうなと思います(笑)。でも、こうした風習を大切にすればするほど人生が豊かになる気がするので、番組で経験できればなと思っています。それと、植物に関する知識が身につく企画もやってみたいですね。お花の名前とか本当に疎いので。以前、ゆいちゃんが「お天気カメラによく映る公園にネモフィラが咲いていたよ〜」って話していたので、私も見に行ってみたんです。でも、そこらに咲いている花を見て、「え〜っと……ネモフィラってどれだ?」ってなって(笑)。……今度、川畑(玲)キャスターかさーやんに企画の相談をしてみます(笑)。
Q07.大ファンを公言しているももいろクローバーZさんと共演した時の思い出エピソードを1つ!
山岸 ファンクラブにも入っているぐらいの大ファンなので、今でも夢だったんじゃないかと思うぐらい信じられない出来ごとでした。『ももクロと満月を見ようZ』の企画に出演してくださったのですが、本当に幸せな時間で。私はモノノフ(※ももクロファンの総称)の1人として、いかにあの4人が神のような存在なのかということを伝えるためにはどうすればいいかと、ものすごく悩みました(笑)。それと、私が大好きな『ワニとシャンプー』という曲の中に《お天気 毎日くもり》という歌詞がありまして。それをどうしても会話の中に挟みたくて(笑)、無事に夢を叶えられたことも幸せでした。そしたら、配信をご覧になっていたモノノフさんたちから、「この進行のキャスター、ガチだな……」と言われ、しばらくはTwitterで“山岸愛梨”と入力すると、サジェストで“ガチ”と出てくる時期があったのもいい思い出です(笑)。
Q08.もし気象キャスターになっていなかったら?
山岸 絵を描くのが趣味なので、画材屋さんに行くのも大好きなんです。「世界堂」さんのような場所に行くと、一日中いられます。なので、何かしらの理由で今の仕事がクビになったら(笑)、文房具メーカーに転職するか、画材屋さんで働いて、文房具に囲まれる生活をしようと思っています。小学生の頃はお小遣いをほぼ全部、文房具を買うお金にあてていましたし、実はGetNavi webさんで連載されている菅未里さんの記事をよく拝読しています。
Q09.天気に関する好きな言葉を教えてください。
山岸 「アレキサンダーズダークバンド」。別名、“アレキサンダーの暗帯”とも言うのですが、この言葉が大好きで。二重の虹が出ている時に主虹と副虹の間の空の色がちょっとだけ黒くなるんですね。それを「アレキサンダーズダークバンド」と呼ぶんです。しかも、そのことが載っていた本に「これは他人にちょっとした小話として話してあげるぐらいにしか役に立たない豆知識です。だから、どんどん広めてください」と書いてあって。なんて小粋で素敵なジョークなんだろうと思い、ますます好きになりました。そんなことを言われると誰かに話したくなるし、皆さんもぜひ、会話のつかみなどで使ってみてください。
Q10.山岸さんは被り物コレクターとしても知られていますが、最近のお気に入りは?
山岸 実は今日も持ってきました!(笑) シロクマです。これを見てピンときた方もいると思いますが、昨年、6月生まれのキャスター同士で集まって食事をした「6月会」で私がみんなに配ったパンダの被り物のシロクマバージョンです! 番組内でこぐま座流星群の特番があるかもしれないということで用意したのですが、その企画自体が流れてしまい、使い道がなくなってしまったんです。今日、お披露目できてよかったです(笑)。このシリーズはいろんな動物があるんですよね。みーちゃん(戸北美月キャスター)もお揃いのウサギを持っていましたし。どれもかわいくて、キャスターたちにも被せたいので、全種類集めようと思っています(笑)。
Q11.おもちさんとちくわさんとの出会いのエピソードを教えてください。
山岸 えっ、語っちゃっていいんですか!? 嬉しい! 猫のおもちさんについては、もともと別の種類の子を探していたんです。でも、お店に行った時にあまりのかわいさにひと目惚れし、頭から離れなくなってしまったので、別の日にもう一度お店に行って、お迎えしました。初めて会った時から甘えん坊でしたし、抱っこさせてもらった時も、「あ〜、天使がいる!」って思いましたね。
ちくわさんは犬で、犬と猫と一緒に生活するのがずっと夢だったんです。でも、犬は散歩が必要なので、ちゃんと自分にその資格があるかどうかを見極めなくちゃいけないと思って。それで、まずは準備としてイマジナリーペットに時間をかけました。お迎えする前から、“散歩するならこの時間だな”と朝早く起きて、仕事や生活に支障がないかを確認したり、散歩するための体力をつけようと毎日15キロぐらい歩いたり。それもあって、今は“へぇ〜、犬ってこれくらいしか歩かないものなんだ”と私が物足りなさを感じているぐらいです(笑)。途中で何度も休んだりしながら一緒に散歩をするんですが、歩いていると空の変化も感じられて、すごく楽しいですね。
Q12.ストイックな印象のある山岸さんですが、筋トレや食事制限を長く続けるコツは?
山岸 これは、トレーナーさんに対して申し訳ないという気持ちを常に持つことですね。というのも、一度トレーナーさんに聞いたことがあるんです。「もし、私がトレーニングや言われている食事制限をサボったら、筋肉量や体脂肪率とかの数値ですぐに分かるものなんですか?」って。そうしたら、「分かりますよ」と言われて。それを聞いて、せっかく私のためを思って教えてくださっているのに、がっかりさせるのは申し訳ないと思ったんです。期待に応えなきゃって。私自身はすごく意志が弱いほうですが、自分が誰かのストレスになっていることのほうがもっとつらいので、そうならない一心だけでトレーニングに励んでます。
Q13.最近、自分へのご褒美でしたことは?
山岸 そういうのが全くないんですよね。自分のために温泉や旅行に行くというのが得意ではなくって。それに、長年の夢だった犬と猫との生活があるので、今は家にいる時間が最高のご褒美になっていますね。最近、ますますインドアが加速しています(笑)。
Q14.GetNavi webということで、ご自身を家電に例えると?
山岸 視聴者さんに“うるさい”とか、“声が大きい!”とよく言われるので、ボリュームの調節に失敗した壊れたスピーカーですね(笑)。私は、自分の声が大きいと思ったことがあまりないんですけどね(苦笑)。ただ、“番組を見ていると疲れが取れます”という感想もたくさんいただくので、これからも変わらず、皆さんが元気になれるような声を明るくお届けしていきたいと思っています。……あ、だから声が大きくなってしまうのか(笑)。
Q15.普段愛用しているアイテムを教えてください。
山岸 たくさん持ってきちゃいました(笑)。双眼鏡はいつも持ち歩いていて、月をよく見ています。腹筋ローラーはSNSでもおなじみですね。最初は全くできなかったんですが、今は余裕も出てきて、いい感じで腹筋も割れてきています。でも、もうちょっとバキバキにしたいかも(笑)。あとは、カラーのペン。意外と高かったのですが、くすんだ色もあったりして、バリエーションが豊富だったので思わず買っちゃいました。子どもの頃にも似たものを持っていて、でもその時はうまく使いこなせず挫折したので、買い直したかったという思いもあります。文房具にはついお金を使ってしまいますね。それと、イラストを描く専用になっているiPad。絵を描くときはいつもProcreateというアプリを使っています。
※山岸愛梨キャスターへのインタビューは後編へ。後編では山岸キャスターの応援にウェザーロイド Airiさんがかけつけてくれて……!? プレゼント企画も。
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撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ