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ウェザーニュース
2023/1/27 10:30

川畑 玲×江川清音「常に意識しているのは、視聴者が気象に興味を持ってくれるような番組作り」ウェザーニュースキャスター連載・第11回/特別編《前編》

24時間365日、最新の気象・防災情報を発信し続ける「ウェザーニュースLiVE」。YouTubeの登録者数は約95万人と、日々の生活を支えるコンテンツとしてますます多くの人に愛されています。この番組を毎日生放送でお届けしているのが気象キャスターたち。GetNavi webではそんな皆さんの活動を紹介するとともに、それぞれのプライベートな一面に迫った連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」を展開中! 第11回は特別編として、気象予報士でもある川畑 玲キャスターと江川清音キャスターの対談を敢行。唯一の男性キャスターである川畑さんの知られざる素顔を江川キャスターに深掘りしていただきました!

 

 

<ウェザーニュースLiVE×GetNavi web連載>

 

第11回・川畑 玲キャスター&江川清音キャスター/特別編前編

【川畑 玲さん、江川清音さん撮り下ろし写真はこちら】

 

 

江川さんはいつも質問の内容の角度が鋭いんです

江川 今回は某テレビ番組の『徹○の部屋』ならぬ『清音の部屋』として、川畑さんのいろんな一面を探ってみたいと思います! たくさん質問攻めにしますよ。

 

川畑 怖いですね(笑)。お手柔らかにお願いします。

 

江川 そんな恐ろしいことは聞きませんから、安心してください(笑)。まず、前回の私の連載回でも少しだけ川畑さんの魅力についてお話をさせていただきましたが、改めてお伝えすると、川畑さんは視聴者の皆さんが番組から感じていらっしゃる通りの、いつも朗らかで優しい雰囲気をお持ちの方です。だからこそ、多くの方が身近に感じているのではないかと思います。

 

川畑 そう言っていただけると嬉しいです。実は、身近な存在でありたいというのはすごく意識していることなんです。私は気象の専門家ではありますが、決して特別な人間ではありませんから。それに、「ウェザーニュースLiVE」の良さはサポーター(視聴者)さんとコミュニケーションを取れるところだと思うんですね。ですから、できるだけ皆さんと近い距離で気象に関する情報を共有できる存在でありたいなと思っているんです。

 

江川 私も同じ気持ちです! そうした中で、川畑さんは気象やお天気の説明がとても分かりやすいんです。キャスターになる前は予報センターで解説員をされていましたが、その時からいつも丁寧なお話の内容に感動していました。

 

川畑 うわ〜。そんなにたくさん褒めていただいて、なんだか涙が出そうです(笑)。

 

江川 私、ずっと川畑さんみたいになりたいと思っているんです。

 

川畑 何をおっしゃるやら(笑)。

 

江川 だって、以前にも「ここだけの話ですけど」って今と同じことをメールしたことがありましたよね。キャスター全員への気配りもそうですし。それに、例えば私が子どもの関係でどうしても休まなければいけないことがあっても、快く代わっていただいたりして。“こんな素敵な人間になりたいな”といつも思っています。

 

川畑 そんなこと言われても何も出ませんよ(笑)。私のほうこそ、江川さんには尊敬しかありません。番組への真摯な向き合い方であったり、いつもサポーターさんたちに対していかに分かりやすく情報を伝えるかということを意識されていて。しかも何がすごいって、ものすごく準備に時間をかけていらっしゃるところです。そこは本当に見習わないといけないところだなと感じています。あと、これは少し余談になりますが、予報センターで解説をしていた時は、“今日は江川さんにどんな質問をされるんだろう……”といつも身構えてました(笑)。

 

江川 それ、どの解説員の方からも言われます。特に喜田(勝)さんからは番組後に、「あの質問がくるとは思わなかったなぁ」って(笑)。

 

川畑 分かります。質問の内容の角度が鋭いんです。それは、やはりたくさんの時間をかけて準備をされているからこそだと思います。準備した分だけ、「こういうことを解説員に聞けばサポーターさんのためになるだろうな」という引き出しがどんどん増えていくんだろうなって。私が予報センターにいた時は、江川さんのそうした質問の鋭さに怯える毎日でしたが(笑)、キャスターになってからは、誰よりも時間をかけて準備されている姿を見て、“なるほど、こういうことなのか”と理解しました。

 

江川 こちらこそ、そういった視点で私のことを見てくださっていて嬉しいです。ありがとうございます。

 

打診を受け、3週間後にはキャスターデビューをしていました

江川 川畑さんは2022年の4月からキャスターとして登場されましたが、最初に声がかかった時はどんなお気持ちだったんでしょう?

 

川畑 ただただびっくりでした(笑)。土曜日の朝に連絡を受けたんです。その日、私は仕事がお休みで、しかも自分のピアノの発表会の日だったんです。

 

江川 あ、突然の連絡だったんですか?

 

川畑 そうです。内容もストレートに、「(『ウェザーニュースLiVE』の)解説員ではなく、キャスターをやってみませんか?」と。椅子から転げ落ちるくらいの衝撃でした(笑)。まさしく、「え〜っ!?」ですよ。

 

江川 それは驚きますよね(笑)。

 

川畑 「ウェザーニュースLiVE」は女性キャスターばかりでしたし、私は皆さんよりも年齢が上なので、そんな自分がキャスターという大役が務まるのかなと。聞いた時は、本当に不安とプレッシャーしかありませんでした。

 

江川 決断は早かったんですか?

 

川畑 ええ、その場で「分かりました」と即答しました。

 

江川 かっこいい!

 

川畑 こうやって声をかけてもらえるというのは、必要とされていることなのかなとプラスに考えたんです。それに、サポーターの皆さんに受け入れてもらえるかどうかはやってみないと分からないと思いましたから。おかげで、その日のピアノの発表会はいつもよりちょっとだけ緊張が小さかったですね(笑)。

 

江川 よかったですね。うまく弾けたんですか?

 

川畑 うまくはなかったです。それとこれとはまた別問題なので(笑)。

 

江川 (笑)。キャスターへの打診があってから、実際に番組を任されるまでの期間はどのくらい?

 

川畑 デビュー日が4月20日だったんですけれども、 話をもらったのは3月末でした。そのあいだ、キャスターの仕事の内容であったり、心得的なレクチャーは受けましたけど、特に練習期間のようなものもなく……。

 

江川 それで半月後にはデビュー? それもなかなかすごいですね。でも、言われてみれば、ギリギリまで予報センターで解説をされていましたもんね。

 

川畑 そうなんですよ。前々日まで解説員をして、一日おいて、いきなりぶっつけ本番でキャスターデビューでした(笑)。きっと、解説員をしていたという下地もありましたし、カメラの前で話すのがどういうことかが分かっているだろうという判断があったんでしょうね。とは言え、デビューした日は、“人生って本当に何があるか分からないなぁ”としみじみ思いました。

川畑 玲●かわばた・あきら…1977年12月6日生まれ。愛知県出身。A型。気象予報士。名古屋大学、大学院を経て、ウェザーニューズに入社。航空気象、航海気象等を担当し、現在「ウェザーニュースLiVE」内でキャスターとして活躍。Twitter

 

江川 予報センターの解説員になるまでは、ウェザーニューズ内でどんなお仕事をされていたんですか?

 

川畑 私は海上気象が専門なんです。分かりやすく言えば、波の高さや海流、高潮などの予測をしたり、そのためのシステムをつくるプログラミングをしているんですね。それは今もキャスター以外の時間でやっています。

 

江川 そうなんですね。そこからどうして解説員に?

 

川畑 それも急でした。ある日、「予報センターの解説員にならないか?」と。「えっ!? 僕が?」と、その時も青天の霹靂でした(笑)。

 

江川 へー! 普段から人前でお話をするのが得意で、そこを買われたんでしょうか?

 

川畑 それは絶対にないと思います。今もすごく苦手ですから。

 

江川 そんなことないと思いますよ。

 

川畑 そんなことあるんですって(笑)。ただ、その時もやっぱり、“うまくいくかどうかは分からないけれど、とりあえずやってみよう”という感じでした。

 

江川 そこはずっとブレずにある思いなんですね。でも、そもそも、どうしてこのタイミングで男性キャスターを起用しようと思ったんでしょうね。

 

川畑 もともと男性キャスターをもっと増やして、番組にいろんな幅を出していこうという構想があったそうです。そうした中で、2年ほど解説員をしていた私に、「彼をキャスターとして担当させたら面白いんじゃない?」という話が出たんじゃないかなと勝手に思っています。気象予報士ですから、天気にも詳しいだろうということで。

 

江川 じゃあ、もしかすると、そのうち喜田さんがキャスターになることも?(笑)

 

川畑 喜田さんは重鎮すぎますから、可能性は少ないと思いますよ。それに、予報センターでギャグを鍛錬するという大事なお仕事もありますし(笑)。それは冗談としても、確かにもっと年齢に幅があってもいいかもしれませんね。もっと言えば、国籍の違うキャスターさんが登場しても面白いと思いますし。

 

江川 素敵ですね。海外にもサポーターさんがたくさんいらっしゃって、コメントをいただくことも多いですし、海外のキャスターが誕生することで、よりグローバルな番組になりそうです。

 

伝え方や表現力など、まだまだ勉強することばかりです

江川 普段、キャスターの勉強はどのようにされているんですか?

 

川畑 今いるキャスターさんは皆さん個性的な方ばかりですから、“この人のここがすごい!”と感じるところを自分の中に取り入れるようにしています。それはキャスターさんに限らず、解説員の方からもですが。例えば、内藤(邦裕)さんの指し棒の指し方ですとか。

 

江川 すごいピンポイント(笑)。詳しく知りたいです!

 

川畑 内藤さんの指し方は本当に素晴らしいんですよ。全くブレない。私はつい、指し棒の先をクルクルと回してしまう癖があるんですが、それだと見ている側が落ち着きなく感じてしまうんですね。その点、内藤さんはゆっくりと動かして、ピタッと止める。“これはすごく分かりやすいぞ!”と思って、まねするようになりました。ほかにも、いろんなキャスターさんを見て、話し方や話す内容などを参考にしています。最初は緊張しかありませんでしたけど、初めて経験することって学ぶものも多いですし、今はすごく楽しいです。

 

江川 では、今は苦労もそれほどなく?

 

川畑 いえ、3時間も生放送を担当するって、やっぱり大変です。視聴者さんとチャットのコメントを通じてコミュニケーションを取りながら、同時に気象の変化も確認していると、頭も体力も使いますから。だからこそ、私は全てのキャスターさんに対して尊敬の念しかないんです。今日のこの対談ではそのことを伝えられれば、もう十分です(笑)。

 

江川 そんな。川畑さんも素晴らしいキャスターですから。ちなみに発声の練習などはされてます?

 

川畑 特別なことはしていないですね。ただ、最近は喉に気を使って、デスクワーク中は机の上にポータブルの加湿器を置くようにしています。

 

江川 そういえば、以前、「番組前にはコーヒーを飲まない」とおっしゃっていましたよね。

 

川畑 正確には、番組を担当する前日から飲まないようにしています。本当かどうかは分からないのですが、コーヒーは喉を痛めやすいと何かの本で読んだことがあったので。ですから、前日はココアばかりです(笑)。江川さんは喉のケアで何かされていますか?

江川清音●えがわ・さやね…1989年12月3日生まれ。北海道出身。O型。ウェザーニューズ「おは天」の10期生として、2008年よりキャスターに就任。その後、番組の変遷とともに「SOLiVE24」、「ウェザーニュースLiVE」の気象キャスターとして活躍。趣味・特技はダンス、フラワーアレンジメント、クレイデコレーション、カルトナージュ、カリグラフィー、ヨガなど。 TwitterIntagram

 

江川 日常では、寝る時にぬれマスクをするぐらいですね。あとは、番組中もカメラに映っていないところで、こまめに水を飲んで喉を潤すようにしたり、5分の短いインターバル中でも飴を舐めるようにしたり。それと、前回のこの連載でも少しお話ししましたが、発声練習は欠かさずやっています。

 

川畑 例のBスタ裏で?(笑)

 

江川 そうです、そうです。それも1人で大きな声で(笑)。「モーニング」(午前5:00〜8:00)の本番前だと深夜に真っ暗なスタジオの中で発声をしているので、「ムーン」(午後8:00〜11:00)を終えたキャスターさんが、「Bスタから誰かの発狂している声が聞こえる!」と驚かれたことがあったみたいです(笑)。途中で、「あ、江川さんの声だ」と気づいたそうですが。

 

川畑 (笑)。私が本番中にしていることと言えば、インターバルの時になるべくしゃべらないようにして、次の準備をしながら頭を休めるぐらいですね。

 

江川 人によって方法が違いますからね。ほかのキャスターさんがどうされているのか、聞いてみたいです。

 

川畑 そういう企画があると面白いかもしれませんね。それと、個人的には話し方もちゃんと学んでみたいなと思っているんです。話し方ってちょっとしたニュアンスの違いで、伝わり方が大きく変わるじゃないですか。特に私は、江川さんやあいりんさん(山岸愛梨キャスター)の話し方が大好きで。お聞きしたかったのですが、江川さんって、いつもあえて抑揚をつけてしゃべっていらっしゃいますよね。

 

江川 はい、やっています。

 

川畑 やっぱり。柔らかく伝えるところや、安心感を持って聞いてもらうための話し方など、いつも意識されているんだろうなと思っていました。

 

江川 私は学生時代に弁論研究部に入っていて、人前に立って自分の思いを伝えるということをしてきたので、なおさら気にしているんだと思います。

 

川畑 なるほど。だからなんですね。いつも番組を拝見しながら、メモを取るようにしています。そうした表現の練習などもいつかみんなでやってみたいですね。

 

番組中もいろんな“なぜ?”を常に持つことが大事

江川 普段からキャスターとして心がけていることはありますか?

 

川畑 情報を伝える際、なるべく視聴者さんが理解しやすい目線に合わせるということは意識しています。我々の仕事は正しい気象情報をお伝えするということが大前提としてありますが、一方で、気象をより身近に感じてもらえるように、楽しさや魅力も伝えていきたいなと思っているんです。

 

江川 私も同じです!

 

川畑 いつも同じような説明だと面白みがありませんし、だからといって、難しいことばかり言ってしまうと、手が届かない世界だと思われてしまう。ですから、そうならないように視聴者さんと同じ目線に立ちつつ、そこにほんのちょっとだけ深い話を入れていくようにしているんです。それが積み重なっていくことで、ご覧になっている方の知識も増え、より興味を持ってもらえるようになるんじゃないかなって。これは予報センターで解説員をしていた頃からずっと自分の中で意識していたことですね。

 

江川 “気象”というと、ちょっと専門的なことを解説しているイメージがありますもんね。

 

川畑 そうなんです。少しでも聞き慣れない言葉が出てくると、聞き手が迷子になりかねない。だから、手の届く範囲で、かつ興味をそそる少しだけ難しい説明というのが大事になってくるんです。

 

江川 川畑さんの天気の解説がいつも分かりやすい上に、楽しく感じる秘密が分かった気がしました。

 

川畑 1〜2年ほど前に視聴者さんからの疑問に答える「教えて予報士さん」というコーナーで、海流の話をさせてもらったことがあったんですね。その時も、誰でも分かるようなところから話し始めて、少しずつ専門的な内容を付け加えていったところ、「楽しかったです」という感想を多くいただいて。やはり、そうした番組作りが大事なんだなと改めて感じました。ただ、キャスターの立場になると、今度は自分が一方的に話すのではなく、解説員の方から話題を引き出さないといけないので、また勝手が少し違ってくる。そこに大変さを感じることもありますね。

 

江川 素朴な疑問ですが、川畑さんもやはり番組前のブリーフィングを解説員の方とされるんですか?

 

川畑 します。と言っても、手短なものですけど。天気の予測にブレ幅があったりすると、どこをポイントにして番組で話すかを事前に少し打ち合わせする感じですね。

 

江川 どんな会話をされているのか気になります。やはり、専門的な言葉が飛び交うんですか?

 

川畑 むしろ、ものすごくざっくりした時のことのほうが多いですよ。宇野沢(達也)さんとかと、「今回の寒気はヤバいっすね」とか、「これはなかなか見ないキツい気圧配置ですね」といった感じでブリーフィングを進めています(笑)。

 

江川 子どもみたいですね(笑)。

 

川畑 本当にそんな感じです(笑)。逆に私からお聞きしたいのですが、江川さんが番組中に気象予報士に質問する際、意識されていることはありますか?

 

江川 基本的にはブリーフィングでうかがった内容を深掘りしていく感じなのですが、番組中に気になったこともどんどん聞くようにしています。例えば寒気の流れの話題が出た時に天気図を見ながら、“これって停滞しているけど、そのまま動かないものなのかな”とか、“このまま居座るとなると、しばらく天気が悪いのかな”といった疑問をまとめていきながら、視聴者さんが一番聞きたいであろう内容にまとめていくようにしているんです。

 

川畑 常に客観性をお持ちなんですね。

 

江川 そうですね。やはり、“これはどういうこと?”といった、いろんな“なぜ?”を持っていることが大切だと思うんです。それに、慣れてくると多くのことが自分の中で当たり前の知識になってしまうので、初心を忘れないようにしています。今の時期だと『JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)』というワードが頻繁に登場しますが、解説員の口から出ると、「日本海側に大雪をもたらす寒気ですね」と説明を入れたり。

 

川畑 そうやって、いろんな方に“いい番組だな”“また見てみたいな”と思ってもらえる努力が大事ですよね。

 

江川 本当にそう思います。

 

※「川畑 玲キャスターと江川清音キャスター」による対談は後編へ。後編では川畑さんの学生時代のお話も。

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【連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」一覧はこちら

 

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撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ