一人称視点シューティング(FPS)の元祖的存在として知られる『DOOM』は、これまでDJコントローラーやプリンター、さらにはトラクターに至るまで、あらゆる画面付きデバイスで動作してきました。

今回、新たなチャレンジとして報じられているのが、高性能充電器「Anker Prime Charger」での動作です。
Anker Prime Chargerは本来「250W出力・USBポート6基搭載」のデスクトップ型充電器ですが、本体に2.26インチ・480×200ピクセルの小型カラー液晶を備えています。
SoC(メインチップ)はSynwit SWM34S(150MHz Arm Cortex-M33コア)で、8MBのSDRAMと16MBのストレージを搭載。
つまり、単体で動作可能なコンピューターに必要な要素を一通り備えているのです。
DOOMはもともと25〜33MHz程度のCPUで動作していたため、この充電器のスペックでも十分に実行可能でした。
実際に移植を行ったハードウェア改造愛好家のアーロン・クリストフェル氏は、解像度を落とす調整を加えることでスムーズにプレイできるようにしたと説明しています。
操作は画面横の回転式ダイヤル(ロータリーエンコーダー)で行い、回して移動、押して攻撃、扉の開閉ができます。
サウンドはなく、聞こえるのはダイヤルのクリック音だけという“最小限プレイ体験”ですが、クリストフェル氏は「予想以上に遊べる」と感想を述べています。
さらに注目すべきは、この動作のためにハードを分解したり改造したりする必要がなかった点。
背面にあるデバッグ用ポートにケーブルを接続してゲームデータをロードしただけで、ほかには一切手を加えていないと言います。
このプロジェクトは、DOOMが動いてきた「芝刈り機」「妊娠検査装置」「PDFファイル」など数々のユニークな実行環境に新たな事例を加えることになりました。
なお、Anker Prime Charger(250Wモデル)は日本でもAmazonなどで購入できます。
Source: YouTube
via: XDA