デザインにこだわり抜いた一台はこうして作られる、新生FMVの象徴的モデルを組み立て! 毎年恒例の島根富士通開催「パソコン組み立て教室」に参加

ink_pen 2025/9/28
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デザインにこだわり抜いた一台はこうして作られる、新生FMVの象徴的モデルを組み立て! 毎年恒例の島根富士通開催「パソコン組み立て教室」に参加
GetNavi web編集部
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富士通クライアントコンピューティング株式会社(以下、FCCL)は、 2025年も株式会社島根富士通と共同で、小中学生を対象とした「第18回富士通FMVパソコン組み立て教室」を8月23日(土)に島根富士通にて開催。本イベントは、次世代を担う小中学生に社会学習の機会を提供し、パソコンの組み立てや工場見学などを通じてICT技術への興味や関心の育成、および地域への社会貢献を目的としたもの。

今年で18回目というその歴史が証明する通り、日本中のキッズからも、そして島根県出雲の地域からも非常に愛されている人気イベントだ。

何を隠そう、筆者は今年で3回目の参加。毎年IT系メディアの記者は複数参加しているのだが、今年はどうも私しかいない模様。私以外の総勢21組の親子参加者は、言うまでもなくみな初参加。組み立て後はそのPCが自分の手元に届く、ということで、組み立てに向かう姿勢は皆さん真剣そのもの。

その様子を見ながらふと思う。子どもたちは基本毎年入れ替わるから連続での参加者はいないだろう。メディアはどうだ。今年で「3年連続」というのは私だけ。18回開催分の3回である。約分したら6分の1ということで、「素人枠」としてはもはや「日本最多のFMV組み立て経験者」と言ってもいいのではないだろうか。

●過去の「組み立て教室」レポート記事
2023年のレポート記事
2024年のレポート記事

ということで、GetNavi web編集部はいくばくかの自信を胸に、今年も本イベントへの参戦を果たしたわけだ。開会のあいさつは島根富士通の宮下浩之社長。2025年4月に社長に就任したばかりであり、このイベントも「社長として」参加するのは初めて。21組の親子に向けて「未来あるみなさんに、FMVを組み立ててもらうのはうれしい」と宣言され、イベントはスタートした。

↑今回のイベントに参加したキッズたち。みんな期待に目を輝かせている。毎年参加していた「しまねっこ」については、隣県の広島で開催されていた「神紅フェア」に出張していたようで無念の欠席となった。

過去2年、当編集部が組み立てたのは薄型軽量モデルのUHシリーズ。このモデルについては一定のノウハウを蓄積したつもりであったが、今年はモデルが違う。今年組み立てるのは、25年の1月に新登場した「FMV Note C」だ。

このモデルは、デザイン的な余分を徹底的にそぎ落とし、シンプルな造形を突き詰めた一台。パソコンを開けるたびに気分が上がるバイカラーデザインや、使用場所を選ばない静音性抜群のファンレス機構、さらには時間を効率的に使うためのAI機能を採用したFMVのオリジナルアプリの搭載など、本機はこれまでのFMVのPCとは一線を画す注目モデルだ。

UHシリーズと中身がまるで違う! FMV Note Cのこだわりを実感

なお今回のイベントは、株式会社Gakkenが運営する親子向けポータルサイト「学研キッズネット」とのコラボレーションを実施。同メディアが組織する「探Qキッズ」というチームのキッズ記者がイベントに参加し、組み立てから取材までを行うという。ならば、こちらは本年で齢50を迎える「シニア記者」というところだろうか。老眼、体力不足、疲労などと闘いながらの、フレッシュ感ゼロでの組み立て作業となった。

↑パソコンに触れる様子はまるで高齢者さながら。両手の人差し指でしかタイピングできないおじいさんにだんだんと見えてくるから不思議だ。

さて、今回体験した組み立て工程は下記の通り。全部で90分くらいの工程であり、項目的には過去2年と大きな差異はない。「これならば余裕だろう」と高をくくっていた。

1.メインボードネジ締め
2.金具取り付け
3.ヒートシンク取り付け
4.バッテリー取り付け
5.液晶パネル+ヒンジ取り付け
6.液晶ケーブル接続+金具取り付け
7.ケーブル配線
8.タッチパッドケーブル接続+テープ貼り付け
9.キーボードフレキケーブル接続
10.カバー取り付け
11.カバーネジ締め

が。違った。

なんとこの「FMV Note C」、UHシリーズと比べると、メインボードやヒートシンク(冷却パーツ)、バッテリーなどの配置がまったく違うのである! さらにはネジの数も違えば、カバーの取り付け方法も違う。「コンパウンド」なる昨年までは登場しなかった材料まで登場しているのだ。

今回の指導員である島根富士通・武田 優さん に「モデルによってこんなに中身や組み立てのフローって違うんですね」と問うと次のような回答を頂いた。「Note Cのような薄型のデザインにこだわったモデルは製造が比較的難しいです。これまでと違う考え方で設計されているので、商品情報を共有していただく際に、島根富士通側でも組み立ての課題や問題点を洗い出すようにしています」。

ノートパソコンは、まあ13-16インチくらいを基準とし、形もだいたい長方形。多くのモデルが「共通の組み立て方」で作られるのかと思ったら、まったく違うそうだ。

驚いたのは「ヒートシンク」のサイズ感だ。「FMV Note C」は、このヒートシンクを含む様々な部品で熱を均等に広げることにより「ファンがなくても温度を下げられる」ファンレス機構が特徴。これにより「ブーン」という駆動音がほぼなく、静かな図書館などでも気兼ねなく使えるのだ。

ここが大きなポイントで「FMV Note C」らしさの表れと言える。デザインされているのは見た目だけではない。「筐体のデザインの工夫」によって、「どんな場所でも使える静音性」という「PCを使う体験」までもデザインしているのである。

↑CPUとヒートシンクの隙間を埋めるために塗布したコンパウンド。このコンパウンドの形を可能な限り「島根県に似せる」という不毛な作業に没頭したため、全体の作業に遅れが発生。誰も気がつかないが、認めてほしい努力だ。
↑メインボードをほぼすっぽりと覆うかたちで装着されたヒートシンク。PC完成後に立ち上げて確認してみたが、確かに駆動音はごくごく微小。これも「体験全部にこだわった」というFCCLデザインチームの信念のひとつだ。

組み立てていて愛着が! その手触りに感激

その後も組み立ては着実に進む。液晶パネルのケーブル接続がかなり繊細な作業で難しかったり、タッチパッドやバッテリーケーブルの結線に苦戦したりと、各ポイントでは指導員のヘルプをいただいたが、それでもなんとか作業はフィナーレへ。

最後は底面カバーのネジ止めである。ここで驚いたのは「ネジを“斜め”に差し込んで締める」ということだ。これは、UHのときはなかった、「FMV Note C」の独自仕様。デザインの飽くなき追求が生んだ結果である。

「FMV Note C」の特徴は、滑らかなフォルムと手触りなど、そうした外観の美しさ。一般的なPCが「型抜きで一気に作るプレス加工」(クッキーの型抜きのような工法)で作られるのに対し、「FMV Note C」は「ドリルで少しずつ削る切削加工」という工法を採用する。時間と手間、コストはかかるが、複雑な形を精巧に成形できるのが特徴だという。

その効果は、ボディの「ラウンドフォルム」に表れており、とにかく完成した佇まいが美しい。ゴツゴツした直線、直角が少なく、全体的に丸みを帯びた優美なフォルムは、持っているだけで満足感を高めてくれるのだ。その点を妥協せずに追求した結果、「底面4隅が滑らかにラウンド」しており、ネジも斜めに差し込まないと締められないのである。

デザイナーの堀さんに、講義にみんな興味津々

組み立て業のあとは 、例年通り「工場見学」「匠とのネジ締め対決」「FMV動画編集教室」などが目白押し。その中に今年のオリジナル要素として、実際にその日に組み立てた「FMV Note C」のデザイナーであるFCCL・堀 志織さん のお話「デザインこだわり教室」があった。

講義形式だったので子どもたちは少し難しいかな? と思って見学していたのだがとんでもない! みんなキラキラと目を輝かせながら、食い入るように堀さんの話に集中していたのだ。

堀さんがFMVにおける新しい挑戦として語ったのは、「箱を開けるときの体験をもっと良くできないかな?」という考え。この堀さんのリクエストに対する島根富士通のソリューションは、「手作業ならできるからやりましょう!」というものだ。絶対的に人手がかかる作業なはずだが、それはそれ、「新しいFMVを作りたい!」という堀さん含む若手プロジェクトチームの思いに島根富士通側も共鳴し、本当に手作業での梱包作業が実現したのだから素晴らしい。

↑堀志織さんによる「FMV Note C」の「デザインこだわり教室」の様子。自分たちが体験した「斜めのネジ締め」がどうして必要だったかなどを教えていただき、キッズたちも納得の様子。

シニア記者松井も、過去2年のUHシリーズ(ちなみにUHも堀さんデザイン)の組み立てと違い、「FMV Note C」の組み立てではいろいろ新しい気づきが得られた。それは「デザインとは、商品の形を決めることだけではなく、使う人の毎日を快適にプロデュースする」ということ。それは、実際にパソコンを組み立てることで、より深く実感。「あ、ここのちょっとしたこだわりが、いろんな場面での使いやすさにつながっているんだな」と感じることができたのだ。

組み立てに参加したキッズ記者・麻夏ちゃんからはこんなコメントが届いた。「イベントが終わってから1週間しないうちに、待望の『FMV Note C』が届きました。開けた瞬間、わ~! とおもわず声が出ました! 丁寧に一つひとつ包んでくれていると聞いていたのですが、本当にすごくきれいにパソコンが箱におさまっていて、指紋ひとつパソコンについていないのにもビックリ。買った人のことを考えてくれているのが伝わってきました」。

ずっと続けてほしい「神イベント」

毎年実感するが、このイベントは特別だ。島根富士通の工場のみなさんと、全国から集まった子どもたちが会話を交わしながら、ともに笑顔でパソコンを作りあげる、そんなハッピーな空間はなかなかお目に掛かれない。

社員のみなさんは自分たちのプロダクトが子どもたちに愛されているのが実感できるし、子どもたちはそのパソコンを通じて未来の自分にワクワクできる。こんな素敵な企業イベント、ほかにあるだろうか?

FMVは「神パソコン」というキャッチフレーズを使ってプロモーション展開をしているが、このイベントこそ間違いなく「神イベント」。開催される島根富士通は、出雲大社からクルマで数十分のところ。10月には日本全国の神様が出雲の地に集うため、島根だけは10月を「神在月」と呼ぶ。10月には1か月ちょっと早いが、まさに島根・出雲の地で開催される「神がかった」イベントだと思う。長く続け!

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