10万円超えの高級スマホに疲れた人に。国産タフネススマホ「arrows Alpha」に感じた安心感

ink_pen 2025/10/23
  • X
  • Facebook
  • LINE
10万円超えの高級スマホに疲れた人に。国産タフネススマホ「arrows Alpha」に感じた安心感
ヤマダユウス型
やまだゆうす型
ヤマダユウス型

楽器、カメラ、ゲームなどを好むフリーライター。平時はガジェットに生かされつつも、休日は登山やキャンプで魂を漂白している。最近は塊根植物にハマっている。

FCNT合同会社のarrowsシリーズ最新スマートフォン「arrows Alpha(型番:F-51F)」が販売中です。カラーはホワイトとブラックで、キャリア版はドコモ、IIJmio、mineo、イオンモバイルなどで販売中。SIMフリー版は量販店や通販サイトでも取扱中で、実売価格は88,000円前後。発売直後はキャリアモデルが人気になるなど、滑り出しも好調だった様子です。

arrowsは、今ではすっかり数少なくなった国産スマホブランドの一つ。優れた頑丈さや、ハンドソープで洗えるほどの高い防水性能が特徴です。開発のFCNT合同会社は「らくらくホン」シリーズも手掛けています。

今回のモデル「arrows Alpha」は、2020年7月の「arrows 5G」から数えて約5年ぶりに登場したフラッグシップモデル。それゆえ処理性能も高く、持ち味である頑丈さに加えて日常的に使える快適さも併せ持っています。まさに”大人が使える”スマホとして仕上げてきた印象ですね。

シリーズ由来のタフネスさ

↑重量は約188g、寸法は高さ約156mm×幅約72mm×厚み約8.8mm。

ディスプレイサイズは約6.4インチ。最大144Hzの可変リフレッシュレートに466ppiの高解像度、ピーク輝度3,000ニトと、競合のフラッグシップスマホと比べても遜色のないディスプレイです。

↑レビュー機ではホワイトを試用。おサイフケータイにも対応する。

メモリーは12GB、ストレージは512GB。SoCにはMediaTekのDimensity 8350 Extreme。性能としてはミドルハイに位置し、「motorola edge 60 pro」なども同じSoCを採用しています。Extremeがつかないものなら「OPPO Reno14 5G」が採用しており、どちらもミドル向け端末に違いはありません。

↑「Geekbench 6」のスコア結果。

ベンチマークソフト「Geekbench 6」での結果は、シングルコアが1446、マルチコアが4391。現行の最新フラッグシップには及ばないものの、価格帯が近いライバル機種と言える「Pixel 9a」に近い数値です。どちらかというとマルチコア性能が強いですね。

↑ベゼルはヘアライン仕上げで高級感がある。

右側面には独自機能のボタン「Exlider」が搭載。押し込みのほかにスライド操作に対応していて、機能をオンにしてから上下になぞることでブラウザーやSNSの画面をスクロールできます。画面に触れず操作できる感覚はユニークで、古くは「arrows NX」にも搭載されていました。

↑ディスプレイよりもわずかに出っ張っている。

ベゼルはディスプレイの四隅に近づくにつれわずかに盛り上がっており、ディスプレイを守るコーナーとしての役割も。不意の落下時などではケース無しでもある程度ディスプレイを保護してくれそうです。

↑スマホの汚れが気になっても簡単に洗える。

そしてもちろん、水洗いOK。家庭用泡タイプのハンドソープもしくは国内メーカー製の家庭用液体タイプの食器用洗剤でも洗えます(すべての洗剤での洗浄を保証はしていません)。スマホは意外と汚れているなんて話もありますが、万が一汚した際に水洗いが可能というのは心強い。

また、耐水性だけでなく高温度、低温度環境での動作も公式がチェック済み。アウトドアのお供に持っていくスマホとして、もっとも信頼できるモデルのひとつといえそうですね。

デュアル構成でも意外と楽しませてくれるカメラ

↑シンプルな2眼構成。見た目もスッキリしている。

背面カメラはデュアル構成。メインとなる広角カメラは約5,030万画素の1/1.5インチセンサーで、もうひとつの超広角カメラ(0.5倍)は約4,990万画素の1/2.7インチセンサー。インカメラの画素数も約4,990万画素とかなり高めです。

望遠レンズこそないものの、メインカメラのセンサーサイズはかなり大型(ソニー製の「LYT700C」を採用)。実際に撮影してみると、予想以上に良い絵が撮れました。

↑メインカメラを2倍ズームして撮影。

ほら、良い色をしていませんか? 色表現やコントラストも良好で、撮影していて楽しいカメラですね。

↑メインカメラで撮影。

日陰が強いコントラスト環境でもしっかり撮れました。露出も自動で良い感じですが、たまに屋内だとアンダーに寄り気味かな。

↑超広角で撮影。

超広角も臨場感は充分。なお、今回の撮影では透かし(写真下の文字情報)を入れています。非表示にしたり、写真の下部に埋め込んだりすることも可能です。

↑マクロで撮影。

オートでのマクロ撮影にも対応。最短でここまで寄れました。ピントを合わせるのは難しいですが、食べ物や植物にここまで寄れると面白そうですね。

↑10倍までズーム。

最大で10倍までのデジタルズームが可能。撮影後に自動補正が入るのですが、やや想定外の表現になりがち。個人的な印象では、5倍くらいまでなら常用できそうな手応えです。

↑16種類のフィルターが用意されている。

撮影時に選べるフィルターの色がかなり良くて、これを使うだけで一段と良い写真になりますね。上記の作例では「東京クール」というフィルターを使っていますが、Lightroomで補正したような良い色合いです。

独自機能、どこまで使いこなせる?

↑「オススメ機能」内には、17もの項目が。

「arrows Alpha」には、さまざまな独自機能が搭載されています。そのひとつが、自律神経測定機能。「arrows We2 Plus」にも搭載されていた機能で、背面カメラ下のバイタルセンサーを使って心拍数などが測定できます。

↑カメラ下のセンサーに指を押し付けて測定する。

毎日の健康状態をつぶさにチェックできるユニークな機能で、習慣化すれば体調管理に役立てられそうです。他メーカーでは見ない面白い機能ですね。

このほかにもランチャー機能、FASTメモ、メモリクリーナー、プライバシーモードなどなどがてんこ盛り。さらに独自の「arrows AI」により、自然言語でのアプリ内検索も可能。もちろんGoogleのGeminiも呼び出せます。

ただ、実際に「arrows Alpha」を使う上で、果たしてどれだけの機能を使いこなせるかといった懸念も…。例えばiPhoneやPixelなどのシンプルなスマホから乗り換えた場合、機能のすべてを把握するまでに時間がかかるかもしれません。もちろん独自機能を使わずとも充分便利なスマホではあるのですが、せっかく「arrows Alpha」を選ぶならいくつかの機能は使いこなしたいですね。

8万円台でサクサク動く、タフネスなスマホ

↑「落としても濡らしても大丈夫」という安心感、プライスレス。

個人的には「サクサク動く超頑丈な国産スマホ」というだけでも、価値があるのではないかなと。やはりスマホで怖いのは「落として壊れること」ですし、その懸念をとことん排除しつつ、なおかつミドルハイ級の軽快な操作も備えている。この要件は、ビジネスマンなどに特に受け入れられるのでは?

普段使いのスマホとして写真撮影も楽しめるし、10万円を超える高級スマホに疲れた人の選択肢として、とても良いバランスに仕上がっていると感じました。セキュリティアップデートも最大5年対応なので、ハード面でもソフト面でも長く使える一台となりそうです。

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で